酒造りの決め手!「一麹、二もと、三造り」
米麹を造ります(製麹、せいぎく)

酒造便り蔵案内


     
 麹は麹菌のもつ酵素によって、蒸米のデンプンを分解して溶かして、アルコール発酵するための酵母(こうぼ)が分解されたブドウ糖を食べやすくします。また酵素によってタンパク質をアミノ酸などの成分、酒の色にまでかかわってきます。酒の味を形づくる重要な役割をはたしています。
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     引き込み
 釜場で蒸された米は、放冷機で30℃まで冷まされて室の中に引き込まれます。
 そして、蒸し米に麹菌の胞子を振りかけます。
 蒸し米に麹菌を繁殖させて「米麹」(こめこうじ)を造ります。
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     切り返し
 麹菌の胞子を振りかけて、一昼夜置いたら(寝かせ)、蒸し米はごわごわに固まります。
 それを揉みほぐして蒸し米の粒をばらばらにします。(切り返し)
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       盛
 粒をばらばらにしたら、大きな箱のようなものに移し変えます。(盛、もり)
 盛の後、仲仕事、仕舞仕事(しまいしごと)というよい麹をつくるための手入れをし、水分や温度を調節します。そして一晩かけて翌朝「米麹」が出来上がります。
 香りは栗香(くりか)という栗のホックリとした香りになれば出麹の合図です。
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      枯らし
 室から出した米麹は、外気に当てて冷まします(枯らし)。
 通常は、枯らしの翌日に使用します。
 麹の出来が酒の味を左右するとても大切な仕事です。昔から「一麹、二もと、三造り」と蔵人の中で言われるのは、「よい麹を造ることが、よい酒造りの第一である」ということをあらわしたのです。