ここには「就職」にあたり、「自分」の「職業興味」や「職業能力」を知り、就職するにあたっての「自己理解情報」を集めるための「ツール」(道具)が掲載してあります。 職業指導運動の祖は1908年アメリカのボストンに職業指導局を開設した、F・パーソンズだと言われています。さらに、ミネソタ大学の進路指導部長だった、E・G、ウィリアムソン教授が、このパーソンズの理論に基づき多数の「心理検査」を開発し、「客観テストによる進路指導」を開始して成功したといわれています。いわゆる「特性因子理論」という「テストを使った進路指導法」で、キャリア・ガイダンスの祖です。 「キャリア・ガイダンスの6分野」とは、このE・G、ウィリアムソン教授がミネソタ大学の進路指導部で学生を指導して成功した進路指導法で、「1.自己理解」「2.職業理解」「3.啓発的経験」「4.カウンセリング」(専門家に相談)、「5.方策の実行」「6.職業適応」の6分野から成ります。 この中の「1.自己理解」や「2.職業理解」、「3.啓発的経験」や「4.カウンセリング」の場面等でテストを実施し、「自己理解」や「他者理解」を深め、「やってみて、できるか」、「自信はあるか、ないか」と確認し、軌道修正していきます。 こうした進路指導の6段階を一つ一つ確認し、試行錯誤していくことで「就職のための準備」が整っていくという方法です。日本ではこの6分野が「職業安定法」や「雇用対策法」に条文化され、ハローワークがこの順で指導しています。 先に進路指導用検査のところで「UCI大学カリキュラム・興味テスト」を紹介しましたが、これなどもE・G、ウィリアムソン流の「自己理解」や「他者理解」に相当するものです。自分を知って、相手が何者であるかを知って「興味があるか。長続きするか。専門家になれるか。」とマッチングを考えていこうとするものです。現代は若者が非常に繊細であると同時に、社会で揉まれた経験が無いために、「客観的なデータ」で指導しないと、すぐに諦めて就職先の会社を辞めて帰ってきます。 |
1 | 有意味かなひろいテスト | 本検査は、日立の光トポグラフィ(脳血流代謝測定装置)によって、前頭前野の脳賦活部位を確認した神経心理テストです。本検査は「眉間部位」(ブロードマン10野~11野)と、「左こめかみ部位」(ブロードマン46野)の2カ所を活性化し、同部位に局在する脳高次機能を測定します。本検査は前頭前野の「注意力」や「社会性」を測定することから、高校生や大学生の進路指導や、企業の入社試験に利用できる他、高齢者の「認知症」のスクリーニング・テストとしても、高い効果を発揮します。 |
2 | 新版TEGⅡ | 交流分析理論に基づき、人が持っている「5つの心」の発達の強弱から自己理解をする検査です。自分の行動パターンに気づき、周囲とのコミュニケーションスタイルを見直すきっかけとして利用できます。 |
3 | VPI職業興味検査 | 160種類の具体的な職業名に対する興味・関心の度合いから6つの職業領域に対する「職業興味」と5つの「傾向尺度」から個人の特性を診断する職業興味検査です。ホランドの6角モデルを使った職業興味検査です。 |
4 | SPI3対策模擬テスト | 本検査は就職試験対策を目的とした高校生向きの就職模擬テストで、「能力テスト」を想定したものです。基礎的な問題で構成されているため、自分の弱点がわかり、試験対策が立てられます。 |
5 | 内田クレペリン検査 | ドイツの精神医学者、エミール・クレペリンの1904の論文「Die Arbeits Curve」を源流に持つ数字の連続加算作業検査です。本検査は隣り合った「数字」を暗算で足して、その答えを数字と数字の間に書いていく、という連続加算作業で、1行につき1分間の制限時間で、1分毎に行を変え、前半15分(15行)。後半15分(15行)行い、最終到達地点を結んだ作業曲線(クレペリン曲線)を解釈して診断を下していく検査です。テストの標的は受験者の「作業能率」の他、「仕事の質」(仕事ぶり・仕事癖・作業スタイル)等が打診でき、仕事への「取り組み姿勢」や「精神活動特性」が診断できます。 |
6 | 職業レデイネス・テスト(第3版) | 進路選択への動機づけを目的とした職業興味検査です。本検査は、生徒が検査を通じて「職業に対する準備」(レディネス)を把握し、「職業に対するイメージ」をチェックし、「職業に対する動機づけ」を促す検査です。検査はA検査(職業興味)とC検査(その職務遂行の自信度)とB検査(人、モノ、情報志向)が診断され、回答後、自己採点する方法と、コンピュータ採点する方法があります。どちらの採点方式でも、ワークシートである「結果の見方・生かし方」で、自分の「興味の方向」や「職業名」を再確認することができます。 |
7 | 厚生労働省編・一般職業適性検査(GATB) | 本検査はアメリカの職業適性検査を基に、戦後、日本の旧労働省が作成した一般職業適性検査です。様々な職業分野の仕事を遂行する上で必要とされる、9種類の能力(適性能)を測定する「能力検査」です。下位検査は15種類ありますが、器具を使用する4種類の検査(指や腕の器用さをみる検査)を除いた「11種類の筆記検査」で実施されることが多く、検査結果は「13種類」の「適性能」と、それに対応する「職種名」が対応した形(どれだけできるか。H、m、L)で表示されます。検査結果の使い方は、平均以上の適性能が出る項目があれば望ましいが、そうでない場合でも、個人の中で少しでも高い項目があれば「それをのばす」ことで職業能力をつけていきます。 |
8 | 注意力養成ドリルワーキングメモリ-セット | 教育現場で一番問題となっているのが、「無気力」で「人の話がきちんと聴けない」。「授業中、つっぷして寝ていたり」「おしゃべりが止まらない」等の、いわゆる「授業以前の問題」です。こうした「症状」の大きな原因は「ゲーム」や「メール」等のIT機器の「長時間視聴」や「睡眠時間の減少」。「人と話さない」、「自分で問題解決した経験が少ない」等の生活習慣で、こうした状態は「学力」をはじめ、「人生」全般に大きな影響を及ぼすと考えられます。 本ドリルは、前頭前野のBrodman10野や46野に代謝を起こす「脳ドリル」をくり返し実施し、「注意力」や「ワーキング・メモリー」を訓練する「脳トレ」で、高校生に元気な脳を取り戻そうというものです。本ドリルの実施校では、生徒が「落ち着いた」「集中時間がのびた」「大人に気を遣えるようになった」、「赤点がなくなった」などの注意力増加効果の他、「生徒同士の仲が良くなった」「死にたい、学校をやめたい、という生徒が減少した」等の「生徒指導効果」がみられます。人間が落ち着き「しっかり」してくる「脳ドリル」です。 |
9 | N式エゴグラム | N式エゴグラムは親から学んだ価値観を描き出す検査です。検査用紙に交流分析の解説が印刷されていますので、自己採点しながら交流分析の考え方を学ぶことができます。親から学んだ価値観で息苦しさを感じる場合は、価値観を修正すれば良いのです。自我状態を修正するプログラムが示唆してあります。本検査は自己採点の他、コンピュータ採点ができます。 |
10 | 社交不安障害検査 | 過去1ヶ月間の社交不安障害(SAD)の重症度を測定する質問紙法の検査です。 |
11 | YG性格検査 | 人間のパーソナリテイを「性格の偏り」からみていこうとする日本の代表的な性格検査です。学校教育相談・心理学の学会発表・企業の適性検査として多方面で利用されています。「性格タイプ」の判定の他、人の「物の見方・感じ方」や「行動への出し方」をD、C、I、N、O、Co、Ag、G、R、T、A、Sの12因子を結んだ「性格プロフィール」により解釈していくことができます。 |
12 | 障害者用就職レディネス・チェックリスト | 障害を持った人が一般企業に就職して、職場での役割を果たしながら適応していく際に、必要とされる心理的・行動的条件を網羅した検査です。職場で働くための準備がどの程度まで整っているかを知り、進路指導の手がかりを得ることができます。採点版は「知的障害者用」「運動機能障害者用」「上・下肢切断者用」「視覚障害者用」「聴覚障害者用」「その他の障害者用」の6種類あります。 |
13 | KN式クレペリン作業性格検査 | 本検査は右隣り合わせの数字の加算を連続的に行うことによって得られる作業量(作業速度)や作業曲線、あるいは作業の質などの結果から、各人の仕事ぶりを推測し、作業性格や作業態度・作業特徴等、個人の性格面に関わる特性を総合的にとらえようとする検査です。 |
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