糖尿病:ブドウ糖負荷試験で2時間値の血糖が200mg/dl以上を糖尿病型と言いますが、この値が140〜199mg/dlのものを境界型といいます。
そこで、境界型は糖尿病ではないから、病態は軽いと見なされがちです。
ところがこの境界型がかなりのくせものなのです。ブドウ糖負荷試験の結果と虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)による死亡率を見たものが厚生省糖尿病研究班が発表した図1です。
これから読み取れることは、まだ糖尿病になっていない境界型であるIGTの人たちが糖尿病の人たちと同じくらい死亡率が高いということです。まだ境界型だからといって食事療法や運動療法をおこたると、糖尿病になる前に心筋梗塞で命を落とすことも十分あることを示すものです。
IFG:impaired fasting glycemia IGT:impaired glucose tolerance |
図1初診時のOGTT判定別にみた虚血性心疾患死亡率
(糖尿病治療中のものは除外、10,000人年対) |
実際、私が狭心症や心筋梗塞の検査である心臓カテーテル検査を糖尿病患者さんに対して行なっていたとき不思議に思ったことがあります。
それは糖尿病患者さんでは軽症や境界型の人の方が、重症の人より血管病変が重症であることが意外にも多い、ということでした。まだ境界型糖尿病なのに重症な狭心症や心筋梗塞になってしまった人がたくさんいたのです。そうです、境界型糖尿病は決してあなどれない怖い病気なのです。
糖尿病は境界型のうちに早期発見し、ライフスタイルの調整を含めた治療を早急に行なうことがとても大切だと感じています。
糖尿病に対するヒロクリニックの治療方針 |
糖尿病の治療で最も大切なのは食事療法と薬物療法ですが、これらに劣らず大切なものに運動療法があります。
当院では糖尿病をはじめ高血圧、高脂血症の方たちのために運動処方を行なっております。
これは心電図監視下に運動負荷試験を行い各人の適切な運動量を決めるものです。運動療法の効果は前ページの高脂血症でお示しした通りですが、もちろん糖尿病患者さんでも十分効果があります。
お気軽にご相談ください。
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