山ヶ野の砂金    鹿児島県

鹿児島県のs原さんから砂金を寄贈していただきました。s原さんのコメントを引用しながらご紹介します。(太字)

 砂金を生成した金山は、当初は東側を山ケ野金山、西側を永野金山と

区別していたようですが、近年は両地区とも含めて 山ケ野金山と呼ばれた

ようです。

 品位は約70%で17〜18金に相当します。同時代の第三紀鉱脈の佐

渡に比べれば少し高めで、アラスカ砂金の平均品位に近いようです。

 写真が拙くて済みません。

右側の大きい粒には、3角形の連続した凸部分が、

左側の粒の平面には三角形の幾何学的な条線が見られます。

近いうちに、撮影に再度挑戦の予定。

 形 いろいろ

鉱脈からの距離が近いためか、金粒には水磨の跡があまり見られません。

形も不定で、扁平、樹脂状、紐状とさまざまで、全般に複雑な形状が多く、

厚みが乏しいようです。砂金の特色を一言に要約すれば、不定形・低品位・

アマルガム・石食いの砂金と言うことになります。

色 いろいろ

下2粒は 砂金ではなく、薄い 均一な厚さの鉛の小片です。

鉛をこのような形でいったい何に使ったのでしょうかでしょうか。

灰吹き法による金の精錬の行われた証拠でしょうか。

「石食い」が多く見られるのも特徴の一つです。北海道あたりでは石食いとい

えば大粒砂金と相場が決まっているみた いですが、当地ではルーペサイズの

微粒にも見られます。これは発生源の鉱脈に近いことも一因と思われます。

たぶん流水に よる淘汰を十分に受けていないために、石が外れていない状

態のようです。

1mmの数分の1の微細砂金。約上部のもので約1mm。

砂鉄・黄鉄鉱や輝石類、柘榴石、辰砂、鉛などが見られるのは、他の砂金

地と同じと思いますが、特筆すべきは水銀が多いことです。 その大部分は明

治以降のアマルガム精錬法の流失物と思われます。

写真ではわかりにくいですが、約4〜5割が水銀によりアマルガムを作っています。

保存のサンプルびんには水を満たしてあります。

何とかして、アップの写真を撮りたいと思います。

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