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平成30年7月豪雨被災地救援ボランティア活動報告2

 平成30年7月豪雨の被災地に災害ボランティアぐんまから4名が派遣されました。
 
■期 日:平成30年8月27日(月)~平成30年8月30日(木)

■場 所:岡山県倉敷市真備町

■内 容:被災地での災害ボランティア活動及びボランティアリーダー育成研修

活動報告 

 榛東村 村山 博

  8月27日より30日までの4日間、岡山県倉敷市真備町に災害ボランティアぐんまを代表して4名で災害支援に行ってきました。災害の爪痕は想像以上で、現地は災害発生から2か月近くが経過しているにも関わらず、ほとんどの建物に住人は戻ることができない状態でした。
  真備町地区では、小田川の堤防の2カ所が決壊し、町の1/4にあたる約12,000ヘクタールが浸水し、4,600棟が浸水被害を受けました。
  今回派遣された4人とも災害ボランティアの経験者であり、また事前に打ち合わせを行い、活動先、現地の状況、持ち物、交通手段等、現地の情報を収集し、それを共有していたこともあり、現地での活動は全工程においてひじょうにスムースに行うことができました。ボランティアに行くときは、事前に様々な情報を収集し、それに備える準備をしていくことが必要です。

  今回は、会の事務局の皆さんから、宿泊から交通手段の手配まで整えていただいたことから、われわれは身支度を整えて参加するだけで済みましたが、基本的にはボランティア自身が最初から最後まで自分自身で行う必要があります。

  今回派遣されたところは岡山県という遠距離地であったことから、交通費、また宿泊費が相当な金額になったと思慮されます。ボランティアには行きたいけれど、交通費がかかる、宿泊費がかかるということで、ボランティアを躊躇される方は多いと思います。今回の真備町では、帰りの高速代は申請により免除されましたが、交通費往復が免除されるような制度が創設されることを望みます。また、宿泊については、以前行った兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)のときは、避難所に宿泊させていただきました。体育館でも公民館でも、また床の上でも構わないのですが、ボランティアが泊まれる施設の提供についても自治体のご配慮をお願いしたいと思います。もちろん食料品や寝袋等はボランティアの持参です。発災から日時が過ぎるほどボランティアは減少してゆきます。できるだけボランティアの負担を軽減してやることが、ボランティアが参加しやすい環境を整えることがボランティアの参加を推進できる条件と考えます。

 さて、皆さんは、支援者支援という言葉を聞いたことがあるでしょうか。災害時の支援者とは、消防官、警察官、自衛官、医療従事者および行政職員等のほか、我々ボランティアも含みます。災害現場での支援者のは、その活動において想像を絶するストレスがかかります。支援者は、このようなストレスに耐えうるための強靭な肉体や精神力が求められます。特に、我々ボランティアは、プロの職業の人と異なり、日々鍛錬している人はごくわずかと思います。そのため、ストレスを抱えてもそれを発散する術すら知る由もありません。被災地での惨状を目の当たりにし、大きなストレスを抱えてしまうことも多いと聞きます。ボランティアのストレスについては今に始まったことではなく、阪神淡路大震災の時より問題視されてきました。その時は、「ボランティアの燃え尽き症候群」と呼び、ボランティア後の体調の変化が問題となっておりました。ただ当時は、「クールダウン」ということで、ボランティアセンターでのアフターフォローが行われておりました。近年、専門家の中で「惨事ストレス=ボランティアを含む支援者の心理的ストレス」についての支援マニュアルが作成されておりますが、セルフケアの部分が多く、自己責任、自己解決のようなものとなっております。心理的ストレスは自分では気づきにくいものです。プロと異なり我々ボランティアには、現地ボランティアセンターでの何らかのフォローアップが欠かせないと思います。センターを出る前に、気持ちの高ぶりを抑える、まさにクールダウンをして、気持ちを切り替えて帰ることが、生活のリズムを取り戻すことにつながると考えます。

  もう一つ願うのは、災害ボランティアセンターの常設です。県内の市町村の状況をお聞きしますと、それぞれの市町村社協ですが、災害ボランティアセンターを常設しているところは少ないようです。災害が起きてからボランティアセンターを設置する。ということでは、混乱しているさなかではどうしても対応が遅れがちになります。普段からの備えが大切なように、災害ボランティアセンターも常設しておき、日頃の訓練、所属自治体の防災訓練参加等により、災害時に即対応できるよう準備していく必要があります。