2005年  10月の Diary


10月1日(土)
    

 先日、高崎市の美術館に『小山田二郎』展を観に行った。
彼が亡くなって、最初の大きな展覧会を小田急デパートで観たのは、もうだいぶ前であった。やはり『ピエタ』と言う作品が一番有名なのではないだろうか?

 シュールであるが、画面の構成がしっかりしている。水彩画は大変に良い
あれだけ、どろどろした物を描きながらも、色がしっかりしている。
エゴン・シーレの描き方に良く似ていると感じた。
 渋谷の文化村で観た(記憶が定かでないが・・・)シーレのあの人物画、に似た
作風を感じてしまう。
これだけまとまった絵を緻密に描いていたのかと思うと、凄みを感じる。
頭が下がる思いだ。

 話は違うが、昨日リサイクルショップで、麗美のCDを見つけた。
つい買ってしまったのだが、『夢はおいてませんか?』『走るそよ風たちへ』が\300ずつ(当時3,000円)であった。
 確か、彼女は1965年生まれだから・・・。
彼女のデビュー曲を買ったのは20年前ぐらいだと思う・・・。
あんなに純粋で、すがすがしい歌声を・・・感動して、聴いていたあの頃が、懐かしい。
今はどうしているのか・・・インターネットで調べたのだ、があまりはっきりしない。

10月14日(金)
 群馬県立自然史博物館の『ニッポン・ヴンダーカマー』展を観に行く。

この企画は、荒俣宏の博物学の展示で
ヴンダーカマーとは、ドイツ語で『驚異の部屋』と言う意味だそうだ。
それから、群馬の学者博物アートの部屋等がある。
本草学の部屋では昔の額などもあった。

 『キマイラ』の部屋には日大の学生が制作した、実在しない合成生物(サルと蛇等の合成)の模型が面白かったのだが、少し気持ちが悪い物もあった。
駆け足で観て、何時ものように売店で瑪瑙のスライスを買う。

 自然史博物館では、やはり鉱物の部屋が楽しい。とくに結晶が興味を引く。
私も水晶は大きいのから小さいものまで持っているが、石(鉱物)には興味がある。
あまり石の名前は知らないが、私の作品にも『しのぶ石』や『水晶』・『瑪瑙』等は良く使用したことがある。

 10年前ぐらいに、小学生の時、鏑川で拾った白い透明な石が何と言う名の石であるのか知りたくて、この博物館に電話したことがある。
後日そこの学芸員に実際に見てもらい、ただの瑪瑙の一種であることが判明した。
その時のがっかりしたことや、長年気にかけていたことが分かった時の安堵感は今でも
覚えている。(化石ではないのかと、それまでは思っていたので)

 今でもその時の石を、皮の袋に大切に保存いる。
私は今でも川に行くと、気づくと石ころの上で、30分以上も石を探している。
理由なく石は面白い・・・人間と同じように色々な個性がそこに見てとれるのだ。

10月16日(日)
 先日、多摩美術大学の70周年記念式典があった。

 午後、八王子の本館に行く。あまりの変わりようにしばし驚く。
見覚えのあるのは、本館と20年近く前にスクールバスが停まった場所ぐらいで・・・
浦島太郎状態になった。
 各アトリエを回り、展示及び制作スペースを見て回った。
同級生6人と群馬の学友4人に会う。
同級生に会ってもしばらくは、他人・・・そうこうするとあの時代に感覚が戻り、色々話が出来た。
 竹中直人のコンサートはあまりの盛況さで立ち見でも見られず、早々に入場をあきらめる。
彼は同級生(科は違うが)で彼は英語の単位を落とした?ので、卒業は私のほうが早かった。
 しかし、ユーミン(松任谷由美)のコンサートは中庭で行われたので、見る事が出来た。
ユーミンは私が1年の時、彼女は4年生(日本画の)であった。

 グラッフィックの教授の秋山孝氏(学部の時のゼミが同じであった)に最近の大学について聞く。意外と多摩美は高校生に人気がある?との事。

 学生の作品はそれぞれ感性の鋭さを観る事が出来、今の時代を生々しい感覚で表現
していた。自宅に帰宅したのが23時であった。
下記に写真をアップしておくので、見て下さい。




会場

屋外 鴎外 アトリエ
70周年の式典会場 大学構内からの眺め-1 大学構内からの眺め-2 生徒のアトリエ
10月18日(火)
 16日(日)美容学校の学園祭に行く。

 午後に仕事があるので、午前中にファションショーを観て、すぐに帰宅した。
ファションショーは何時もすばらしい・・・授業ではあまり熱心でない生徒も、ここでは
スポットライトを浴びた、スターである。


 人間、好きな事をしている姿は輝いていると言うことを、ここで実感した。
以下その写真をアップしておく。


ショー-1
ショー-2 屋外 記念撮影
ファションショー-1 ファションショー-2 屋外での記念撮影 皆と一緒に記念撮影






10月23日(日)




 
 今日は下仁田文化会館に小栗康平監督の『埋もれ木』を観に行く。
彼の作品は全部映画館で観たことがあるのだが『泥の川』が一番良かったと今も思っている。


 『死の棘』の映画は島尾敏雄の原作だが、この私小説は本当に好きな小説である。
島尾敏雄氏自身にも、彼の生前お会いしたことがあり(大学時代の夏季講義で)
感慨無量の感がある。 小栗さんの作品より小説の方が良い。

 確か『伽や子』のためには、主人公の相手役(彼氏)が新制作に出品している彫刻家の人であったと記憶している。
作品としてはあまり良い印象がなかった。
主人公役は、その当時新人であった南果歩であった。
 今は彼女は映画監督?・・・小説家?の奥さんになっているのでは・・・?
南果歩の裸身が画面で痛々しく見えたのを思い出す。

 今度の映画『埋もれ木』は、映像が美しい。俳優の会話のところに、小栗さんの独特な特徴がある。

 日本の『』の表現を意識して使用しているのでは・・・?
最後の終わり方が少し納得が行かないが・・・言いたいことはあの終わり方で良く表現
されているかもしれない。

 俳優に坂本スミ子がおばあさん役で出ていたが、映像で見たのは久し振りだ。
『楢山節考』以来かな・・・。