これは、ナガシマスパーランドでの撮影後
滞在時に宿泊した旅館での体験だ。
SixTONESも撮影していた怪談話回を撮る為
借りた旅館の部屋に集まり、1人ずつ話す。
集まる部屋は深澤、宮舘、渡辺の3人部屋。
部屋割り2人部屋は、佐久間、阿部。
残りは照とが使う。
まあそんなこんなで旅館に到着した7人。
先ずはそれぞれの客間へ荷物を運びに行った
「深澤君達は1513の鍵で阿部君らは1517」
ロビーで待つと受付を済ませたスタッフが
7人に割り当てられた部屋の鍵を手渡す。
照との部屋は1518。
と何部屋か跨いで借りたらしい。
「じゃあ荷物置いたら集まれよ〜?」(ふっか
「了解でやんす!」(佐久間
「はいよ」(阿部
「おう」(岩本
「行ってきます!」
ロビーからエレベーターへ向かう2組。
と照だけはエレベーターには乗らない。
閉所が苦手なの為、階段を使う。
私は1人で行けるよと話したが
トレーニングになるから、と笑う姿にそれ以上遠慮は出来ず階段を使う事に。
Snow Manが借りる客間は3階にある。
これが旅館だから最上階でも3階だが
もしホテルだったらヤバかっただろな・・・。
まあそんな事を考えながら階段を上る2人。
さほど息は切れずに最上階に到着し
割り当てられた客間を目指し、移動。
深澤達とは離れてるが、あべさくとは隣同士
階段から廊下に入り客間を目指してると
先に到着していたあべさくが中に入って行く
少し遅れて客間に着いた照と。
照が客間の鍵を解錠し、扉を外側に開けた。
ふわりと室内の香りが扉を開けた際に香る。
お香でも焚かれてるのか、馨しい匂いがした
「よし荷物置くか〜」
「・・・はーい」
室内に入り、荷物をベッドルームに置く照。
それを眺めていてふと理解した。
メンバー同士で兄弟ではあるが私は女。
兄達も男の人、照にぃも・・・男の人。
私は弟だけど女・・・
いや、皆(阿部以外)は弟だと思ってるし
ボロさえ出さなければ大丈夫!
寧ろ私が女だと知ってる亮兄と同室のが何か
逆に緊張しそうだよね、不思議だな
唯一気を遣うとしたら風呂ぐらいだろうね。
「そういやお化け屋敷の時さ」
「あ、はい」
「大丈夫だった?」
「?」
「いや、思い出したりしてそうだなって」
「あ〜・・・少し」
照にぃと寝る事自体は緊張しないのが草
なんて事を考えてたら不意に話し始めた照にぃ、話題はさっき撮影してたお化け屋敷だ。
貴重品だけを上着のポケットにしまい
客間から扉に向かう道中の会話だ。
さり気なく鋭い問いを向けられ吃驚したが
嘘をつく必要は無いので素直に答える
でもなるべく平常心を努めたはず。
何故?と聞いたら顔に出てた、と照は笑う。
ホント、よく見てるし気付く兄だなぁ。
「でもカメラに映らないようにしてたのは偉いな」
「これからは顔に出さないように・・・」
「いや、まだお前は学生だし思い切り行け」
「でも・・・」
「困ったら俺らがフォローする」
その為に居るし、同じグループなんだから
助け合わなきゃな、と照は笑った。
くしゃっとしたその笑顔には弱い。
大体の人は"顔に出さずに笑え"とか言う所を
照は逆に寧ろ表情に出して行けと言った。
そんな風に言えてしまうのが凄いと思う。
「そうしてみます!」
だからまだ相談するのはやめた。
スノTubeに寄せられるファンのコメには
マネージャーやスタッフが関与出来ない為
中々に誹謗中傷が書かれていることを。
多分兄達は見たりしてるはず・・・
その割に何も言って来ないのは多分だが
私に気を遣っているor目にしてないの2択だ
誹謗中傷は結構下の方に多く、遡りきれないから兄達も追いきれてない可能性も高いのだ
私は寧ろ追いきれてなくて良かったと感じてる、私の事で兄達まで悩ませたくない。
例えこの考え方が独りよがりだとしても、だ
前を歩き客室から出た照に続き、廊下に出る
すると丁度隣の客室から出て来た阿部ら。
「タイミングが同じだね(笑)」(阿部
「亮兄だ」
「みたいだな、ついでだし一緒に行くか」(岩本
「そうしよっか、佐久間行くよ!」(阿部
「待って待って〜!」(佐久間
未だマジトーンな阿部の名残を感じる照。
俺阿部になんかしたか?
そんな照の視線は意に介さず室内に声をかける阿部。
中からは呼ばれた佐久間が急ぎ足で現れた。
どうやら荷物をどう置くかで悩んでたらしい
まあ佐久間らしいっちゃらしいな(笑)
4人で旅館の廊下を歩き、若干離れた3人部屋を目指す。
視線は阿部から感じたが敢えて気付かないフリを照は決め込んだ。
やがて深澤達の3人部屋が見え、扉の前に立ち
「ふっか着いたよ〜!」(佐久間
「はいよ」(ふっか
と中に声をかける佐久間に対し
意外と早く中から反応が返された。
同時に扉が開き、中から深澤が顔を出す。
客室に入ると、長いテーブルにiPhoneカメラ
が3台ほど並べられ 宮舘と翔太は既に座っていた。
それから数人のスタッフに、カメラ。
雰囲気を出す為なのか、灯りはロウソクのみ
始める前から準備万端すぎないか?(笑)
と内心で思う照。
何はともあれ撮影を始めなくてはならない
上座に佐久間、翔太、宮舘が座り
テーブルの側面(誕生日席)に深澤。
下座には照、阿部、が座り
いよいよ怪談話回の撮影が幕を開けた。
年功序列に1つずつ話をして行く撮影。
時折微かな物音にビクッとしたりと落ち着かない兄達(笑)、それでも何とか撮影は進み
スタッフの仕込みで盛大に驚かされ撮影は終了した。
「皆さんお疲れ様でした〜」(スタッフ
「お疲れ様でした!」(全員
中々に怖い話が多かったなぁと内心思いながらも皆と一緒にスタッフ達に挨拶。
この後は各部屋に戻り、夕食までを過ごす。
「じゃお前らまたな〜」(翔太
「またね」(阿部
「照ともまた後で」(舘さま
「おうまた夕食にな」(岩本
3人部屋から出るあべさくと照らに宮舘や翔太が声をかけ、またなと見送られた。
阿部達と再び客室へと戻る。
道中は佐久間を中心に怪談話を振り返り
あれは怖かったとか面白かった等を話した。
「じゃあまたな2人とも!」(佐久間
「ん、またな」(岩本
誰よりも元気な佐久間を笑顔で眺める照。
その2人が先に扉を開け、中に入ったのを見た後 続こうとした私は腕を引かれた。
「亮兄?」
腕を引いたのはまだ廊下に居た阿部。
唯一が女の子だと知る相手だ。
怪談話を撮影する直前まで、阿部とは同室じゃなくて良かったかも
と考えてただけに腕を引かれて緊張が全身を包む。
「分かってるとは思うけど気を付けるんだよ?」
「ふえ?」
「まあ同室は照だから大丈夫だとは思うけどね・・・警戒心は忘れずにね?」
「あ〜大丈夫だとは思うけど了解」
だが阿部が口にしたのは私の身の安全?についてだ
まだ未成年のうちから成人男性と寝床を共にするのだから気を付けるようにって
寝床を共にするって言い方の方が誤解を招く
ような気もするが、阿部が真剣なので
ツッコミは内心でやっておいた
だってありえなさ過ぎて笑えるんだもん。
照にぃだよ?無い無い
私幼児体型だし頑張って男装してないもの・・・
胸だってまな板みたいだしさ
これを女の子として見ろと言う方が難しい
だから間違いなど起きようがないのだ。
通常なら、と阿部は言いたいのだろう。
前、兄達に自分が過去伯父にされた虐待や
暴力、それから・・・性的や虐待の経路を話した際
男装してるから同性同士のソレになってる
だからまあ兄達は違えど、世界には様々な人間が居る。
故に同性でも手を出される可能性があるのだと言いたいんだろな
心配してくれるのは有難いが、私は女だ。
男性スタッフから、ってのは1番有り得ない
「心配してくれてありがとう亮兄」
「ホントに分かってる?」
「うん、でも本当に大丈夫だから」
まだ兄達には言ってないが
截拳道をは身に付け 習得している帯持ちだ。
力で敵わずとも、いなして避ければ勝てる。
急所(首とか)攻撃は出来ないが
距離さえ取れれば間合いに走り込める。
まだ納得してなさそうな阿部だが
の目は澄んでおり、嘘をついてるようには見えなかったので了承した。
「分かったよ、でも何かあったら隣の客室に居るから呼ぶようにね」
「うん、そうする」
「それじゃまた」
「またね」
結局最後まで心配性な阿部と分かれ
漸くも客室へと戻れた。
先に戻ってた照に不思議がられたが仕方ない
その後夕食の時間になると皆と広い和室で料理を囲んだ。
何気ない話で笑い合っては盛り上がる。
兎に角食事中も笑いが絶えなかった。
食事の後は一番風呂をさせて貰い
周囲を警戒しながら女湯へ。
幸い今夜は貸切状態なので気を張り続けずに済む。
思わぬ事態になったのは、就寝してからだ。
軽く寝る前のトレーニングを済ました照が布団に入った僅か数十分後。
私は夢を見た。
室内プールに遊びに行った自分と
一緒に来たであろう照と佐久間の姿もある。
プールサイドで2人と話していたら
切羽詰まった声が"逃げろ!"と響いた。
何故?と疑問に感じ、夢の中の私が振り向く
すると見た先から、此方に走って来る人影。
性別は女性・・・?判断しようとして見ていたら
女性の手に物騒な輝きを見つけた私。