時には強引に
「今の話、どう言う事?ちゃんと説明して」
「ぅえ!??いつ来た!?」
冒頭からカメと赤西がさんに問い詰められてます。
理由は前回のを読んでたら分かるよね?
只今解説は上田竜也がお送りしております(カメの膝の上から
特に背後に立たれた赤西、いいリアクションしてる←
カメは大声を出しそうなさんを落ち着かせる為に
俺を赤西にパスしてから立ち上がった。
カメと赤西の出した予測だけど、いい線行ってると思う。
八神って奴の目的?みたいなのが分からないうちから答えは出ない。
けど、八神って奴は確実に俺らに的を絞ってると思うんだよね・・・・・
じゃなきゃジャニーズ事務所になんて来れないよ。
奴は何処かで何かしら、俺らの事を掴んだんだと思う。
迎え撃つのかやり過ごすのか、結論を出すにしても情報が少なすぎ。
それに猫のままは厳しいわ〜・・・・
当事者同士で考えて策を練るってのは結構しんどい。
玉森が情報はくれるみたいだけど、限りがあるだろうし先読み先回りはこっちで練らなきゃならないし。
まあ・・・それでも情報のあるなしじゃ大分違うけどね。
この際だから利用しない手はない。
ぶっちゃけるならさんにも動いて貰えれば助かると思うんだけどどう?(誰に聞いてんだ)
思った意見を言いたいなー、と上田が思っている頃
問い詰められた亀梨は、此処で話せる範囲の事を説明していた。
と、その前に
「どっから聞いてた?」
と確認するのを忘れずに。
「だから八神とか言う人が和也達の事務所に来て、長期ロケしに言ってるって説明したって所から」
「(殆ど全部じゃねぇーか)」
「その話はマンションでしねぇ?アイツ等にも関係ある話じゃん?」
「だな、取り敢えず帰ろうぜ。あんま此処にいると俺らもバレるから」
「あ・・・そうよね。分かったわ」
今間違いなくホッとしたな、カメと赤西。
何とか赤西が気を逸らせて一旦マンションに戻る事で意見が一致。
そのまま赤西に抱えられ、上田も皆と共にマンションへ戻った。
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台車と一緒に広めのエレベーターを最上階まで昇り
あの指紋承認のドアに近づき、が指紋とパスワードを入力。
一応用心深く気配を探ろうと上田は目を閉じる。
だが今度はあの嫌な気配はしなかった。
気配を探る動きはカメ達もしてたみたいで、さんに開けても平気だとカメが伝えてる。
そうしてからやっとドアを開くと、留守番をしてた中丸達が一気に玄関へ。
駆けつけて来た中丸達を見たカメと赤西。
接し方はすっかり猫に対する物になってて、カメなんて柔らかく笑って田口を撫でてる。
赤西が聖と中丸を抱き上げたから俺は赤西の肩に移動。
カメはそのまま田口を肩へ担ぐと、赤西の代わりに台車を押して玄関へ入れた。
「じゃあ早速説明してくれる?」
「ちょっとその前に試して貰っていい?」
「何を?」
「上田にキスしてみて」
「ニャッ?」
「どうして?」
「前赤西がそれで戻ったから、もしかしたら戻るのかなーって」
「成る程ね、分かったわ」
荷物をそのままに、リビングへ行くとは亀梨達を振り向く。
急いた言葉に頷くも、先ず亀梨は赤西の肩にいる上田を示して提案した。
思わぬ提案にドキッとしてしまった上田猫。
不服そうな聖達は無視して肩の上から上田を抱えてに近寄る亀梨。
第三者的な意見が欲しくてに試させようとした。
キスで戻るとか童話ちっくな展開だけど、これで戻るならそれに越した事はない。
抱えた上田の首には、預けたままのネックレス。
さっき駆けつけた時に光ったのは見た。それを外してに抱かせる。
今は光ってないけど淡い感じで輪郭がぼやけてるまま。
それを先に外し、再び自分の首に下げた。
「じゃあやってみるわよ?」
亀梨の腕に抱えられたチンチラ君を受け取って両脇を抱える。
表情は伺えないが、受け取ったチンチラ君が若干緊張してるように見えた。
前に二人が必死に猫の彼らも、元々は人間の男だからーと力説してたのを思い出す。
でもどんなに力説されても元々の姿を知らないから、全く警戒のしようがない。
と言う訳で(どんな訳だ)は警戒心なく自然な動きで上田に顔を近づけ・・・・・
猫である身でそれを受ける側の上田。
躊躇いなく顔を寄せるの警戒心のなさに、ちょっと心配になりつつ猫なのに目を閉じてキスを受けた。
ちゅ、とかいう可愛らしい音がしそうなキスが終わり
が上田から顔を離す・・・・六人(二人と四匹)が固唾を飲んで見守る中
静かにその時を待つ面々が上田の様子を見つめる。
数秒が経過し、まだ起きぬ変化。
やっぱ安易過ぎたか、と亀梨が思った瞬間。その時は来た。
呼応するかのように亀梨と赤西、そしての持つ石が輝きを放つ。
水気から赤西とを亀梨が庇った時の光と似たその光が現れた。
と、言う事は―――――――?
「わっ」
「!?」
空色の煙が上田を包み、自分達の時と同じポン!とか言う音がすると
目の前には何日かぶりに見る人間の姿をした上田が立っていた。
ちょっとだけ変身とか言う事態に驚いた顔をしてる。
にしてもまさかホントにキスで戻るとわね・・・・・
ある意味感心してしまう亀梨と赤西達。
「やってみるモンだね」
「・・・・美青年・・・」
「さん初めまして、上田竜也です宜しくお願いしまーす」
「お、久し振り上田」
「ん。」
「取り敢えずシャワー浴びたら?」
「いや、此処お前んちじゃないから」
「あはははは、仁君も言ってるし入ってくる?」
「その前に俺の見解聞いて」
試してみるものだと感心している上田。
やたら落ち着いている上田を初めて見たは、亀梨や赤西と違った華やかさのある人だなと感じた。
ちょっと日本人離れしたような顔の造りで、可愛らしさもある。
けど美青年だ、と内心で言い切った。
シャワーを勧める仁君に素早く突っ込みを入れると
自ら皆をリビングの椅子に座るよう指示、有無を言わせぬ感じに皆大人しくソファーへ。
数日振りに会ったような感覚で、嬉しそうに和也と言葉を交わしてる。
その様は仲のいい友人同士みたいな感じだ。
「ぐすぐすしてる場合じゃないかもしれないよ」
「え?」
「俺達が姿消したの知ってるのは居合わせた玉森だけ、なのに事務所に来たって事は何処かで俺らの事を探ってたんじゃないかな」
「そんな人がいたの?」
「うん・・さっき後輩から連絡来てさ、どうも怪しい奴だなーって思って」
「それに八神って奴は赤西達に、夕さんがアクセを預けたの知ってて事務所に来てる。」
「・・・・・それってつまり・・?」
「その男の目的、恐らく赤西達のアクセだと思う。」
「まだ推測でしかないけど、俺も上田と同じ意見。は八神って名前に聞き覚えないの?」
上田君の話を聞きながら、何故か不安に襲われた・・・
分からないけど例えるならば・・・恐怖。
こっちの知らない所で、調べられてるのって怖い。
でもそれは和也達も同じだ。
見えない恐怖・・
和也に聞かれた八神って名前・・には覚えがないなあ・・・・
戻ったばかりなのにやたら的確な意見を口にした上田君。
それは和也も同意見なのか、同意してるようだ。
浮かんだ考えを上田のお陰でまとめられてスッキリした亀梨。
客観的に上田は眺めて纏めるので、早めに戻したかったのである。
しかし、今は見えない事の全体像だが・・・
八神と言う男の存在が、後に深く関わってくるなんてのは誰も予想していなかった。
上田ですら予見するのはまだ先になる。