苛立ちの次は違う感覚がやってきた。
アイツを見てると心臓に悪い・・・・・
何をしでかすか分かんねーし、目が離せねぇ〜
別に変な意味じゃねぇよ。
見張ってる為、だけどそれは口実に過ぎなかったかもしんない。
虹色の旋律 十八章
『そ、めぐむも気になってるんだろ?この時代にあった地震』
本を手渡しながら言ったカメの言葉に、一瞬ビクッとしたアイツ。
僅かな間しか表に出なかった色。
その色がやたらと気になった、地震って言葉も頭に引っ掛かる。
記憶の断片として、フラッシュバックしたのはいつぞやの記憶だ。
軽い揺れの地震があり、カメにメールしてたら
前触れもなく現れたハイカラさん・・・・
うわー・・思い出しちゃった。
穢れてしまったら継信とか言う男に会わす顔がねぇーとか騒いで自殺しようとした子。
思わずムカついて、初対面なのに怒鳴っちゃったんだよなー・・・・・
あれからどうしたんだろ・・まあ俺がどっか俺らの知らない所でやれよとか言っちゃったんだけどさ。
カメの奴、あの子の事送ってったみたいだし・・何か知らねぇのかな。
最後尾の座席シートから前に座っている亀梨の後頭部を眺めた。
そのまま手を伸ばして指でつむじを爪弾く。
「いてっ」
ビシッと鈍い音が響く。
すぐさま右手で後頭部を押さえたカメが俺を振り返る。
「何だよ今かなりいい音したぞ」
「それよりカメ、お前昨日の事覚えてるよな」
「昨日?って・・あの地震?」
「あん時にさ、ハイカラさんが降って来たじゃん」
「!!???」
「ああ、綺麗な子だったよね。」
「きっ」
「あの子がどうかしたん?あの子はマネさんに市内のホテルに連れてってあげてって頼んだけど」
「そっか・・・ならいいっか・・」
痛さを笑いで受け流したカメに声を落として質問してみる。
するとカメよりもその隣に座ってたが肩を震わせた。
それを怪訝そうに見る俺に、カメが思い出しながらその子の容姿の感想を言う。
そしたら更にがアタフタし始めた。
いや、其処でお前が慌てる理由がわかんねぇんだけど←
ま、いいや。
きっ?何か言いかけたが気になったんだけどカメの返事が気になったからスルー。
カメはあの子をマネージャーに任せたらしい。
ってかちょっと待て。
あの子確実に現代人に見えなかったぞ?
財布とか持ってなさそうだったし、持ってたとしても使えねぇだろうな・・・
宿泊代どうすんだ?
てか、何でカメはあの子をホテルに?
信じらんねぇけどあの子は間違いなく過去の人間。
そんな子をホテルに預けたって此処の金持ってねぇのは予想がつくだろ。
あの夜だけ泊まれるようにしたとしても、誰がその金払うんだ?
一人思案する赤西と達を乗せた車は近所のスーパーへ。
此処は0時までやってるからこういった仕事をしてる人間や、夜勤とかしている人間に向いた店だ。
「此処は・・?」
「スーパー、此処で夕飯の買い出し」(亀
「俺達大体此処で買い物してるんだよ」(上
「そうなんですか」
「此処はいつも遅くまでやってっから面が割れねぇんだよ」(赤
「あ・・・成る程」
「君、此処のスーパーは広いから皆から逸れない様にね」
「はいっ」
車のドアを閉め、駐車場に降りた面々。
初めて見る大きくて幅広い建物を目の当たりにした。
漏れた問い掛けに亀梨が逸早く答えた。
上田が買い物をしてる所だと説明し、その理由を無愛想な顔で赤西が言う。
明るい光に照らし出されたその建物をずっと眺めているに
後ろから四月一日が逸れないようにと注意を促した。
確かにこの広さでは、初めて見た上に来た事のないはすぐ迷子になるだろう。
自分自身も自覚していたも素直に返事した。
微笑ましそうに眺めたメンバー(赤西はツンデレなので微笑ましく眺めてねぇよと否定)
店舗に向かうの手を、後ろから自然な流れで捕まえる手が現れる。
「ひゃっ」
「逸れないように俺が手 握っといてあげる」
「えっ、それは平気ですよっ」
「いいじゃん、それとも俺と手繋ぐの嫌?」
「○△□×※!!!!」
「「(あれ・・?)」」
「が嫌なら止めるけど、俺は仲良くなりたいから手繋ぎたいんだけどなー」
「嫌じゃないですよっ!はいっ」
手を繋いできたのは上田だった。
平気だから繋がなくてもいいと訴えるが、上田は少し悲しそうな目で嫌なの?と聞いてきた。
これは確信犯だな・・・と誰しも思ったが少し眺める事に徹する。
その一方では上田の言葉に焦っているの姿が。
上田さんは嫌いじゃないですし、私が迷わないようにとの気配りだと分かってますよ?
でもですね、許婚がいて・・でも今は未婚でしかも未婚の殿方と
女の私が同等に歩いてるだけでもとんでもない事なのに、手を!!!??
どっどうしましょう!?
これはあちらにいたら自害してお詫びしなければならない事態ですっ
躊躇ってるを眺めて、亀梨と赤西は同時にデジャヴ(既視感)を感じた。
あのパニック具合・・・・前にもどっかで見たような?
片手で胸元をギュッと握り締める仕草。
それは図書館を出た所でしていたのと同じ仕草だ。
やっぱはと似てるなあ〜
慌てっぷりとか・・
あの仕草の時はやたら困惑したような顔?すんだよな・・・・
それと、ちょっと寂しげな顔って奴を。
はあー・・何気にしてんだろ俺。
亀梨は慌て方が似てるなー・・・と笑い
赤西は仕草を気にした。あの仕草をすると大体は何かを耐えるような・・
上手く言えねぇけど何か気に入らねぇ顔しやがる。
結局断り切れずに上田と手を繋いで店内へ入っていくを伺うように眺めた。
だってあんな顔をされたら断れませんっ;;
それに私と仲良くなりたいと言って下さった殿方からの好意ですし・・
緊張で固まった体をぎくしゃくと動かし、上田に連れられるようにして入った店内。
其処はこの世の物とは思えないくらいの広さでした。
こ・・こんなに沢山の新鮮な野菜や魚、そして肉・・・豆腐に材料・・調味料なんて見た事ないです!
「、あんまはしゃぐと転ぶよ?」(上
「ごめんなさい;;」
「深夜のスーパーだし人もいねぇからはしゃぎたくのは分かるけどなー」(聖
「それは聖だけだろ(笑)」(中
「俺も分かる分かる〜広いしさ、何かワクワクするよね」(淳
「ワクワクはしねぇだろ」(中
「ホラ中丸はお爺さんだからワクワクしないんだよ」(上
「お前俺と同い年だろーがっ」(中
「中丸煩い、お前が広告塔になってどうすんだよ(笑)」(亀
「オラ早く済ますぞヅラ」(赤
「ヅラじゃねぇーし!!!(笑)」(中
目をキラキラさせて店内ばかりを見て歩き出した。
注意を知らせる為に繋いでいた手を軽く上田が後ろへ引いて牽制した。
謝ったに微笑む上田、その後ろからの気持ちは分かると同意したのが田中。
すかさず突っ込む中丸に対し、田口も田中に同意しながら店内を眺めた。
そんな田口にも突っ込みを入れると、その中丸に今度は上田が突っ込みを入れた。
突っ込みと言うより茶化した感じである。
こういった掛け合いこそが彼らの絆なんだろう。
賑やかな店内になった様を、近くでは見て感じた。
未来は、継信さん達が守った未来は・・・とても平等な世の中になったのですね。
「?」(上
「あ、はい!えーと何を買うのですか?」
「当番はカメだからな〜」(中
「メニューは決まってるから後はそれを買うだけ」(和
彼の死の先に今(現在)があるのなら・・
少しは誇れるのでしょうか・・・彼ら兵士が命を賭した事を。
彼らの犠牲の上に、今の平和がある事を
この国の未来の為に、何百人もの若い命が捧げられた事も―――