ずっとずっと、大切にしていたんです。
だからこそ悲しくて
赤西さん・・それほどまでに私が嫌いですか?

分かって欲しいんです。
私がどうしても此処にいたい理由を・・・



虹色の旋律 十三章



次の仕事は番組企画の打ち合わせだった。
打ち合わせは午後の20時からだから、間に合うだろうと判断。
今の時刻は16時半だ、すぐに行けば間に合うはず。

着替え終わるとケータイと財布、サングラスにと軽く変装。
リーダーの上田に20時までには現場行くとだけ伝えた。

「カメだけで平気?」
「寧ろ大人数で行ったらバレ易いだろ」
「それもそうだね」
「気をつけて行けよ?カメ」
「おう、後でな」
「・・・・」
「・・・何?仁もどっか行くの?」
「・・・・・・監督しに行くだけだから」

二人だけで行く事を気にかけた上田に明るく答え
中丸に手を上げて答えるとドアへ向かった亀梨。
だがそれを遮るように人影が現れた。

視線を向けると自分とは目を合わさないで立つ赤西がいる。
まあ心配だから付いて来るって感じじゃなさそう。
・・・監督って事は、見張る為なんだろうな。

取り敢えずを待たせる訳にも行かないし時間も勿体無い。
なので他メンバーに挨拶すると、すぐにドアを開けて廊下へ。

ドアを閉めてから前を向く。
其処には何かを眺めながら待っているの姿。

何かの写真・・・・?
不思議に思いつつ歩を進める。
が何かを持って眺めてるのは赤西も気付いていた。

、待った?」
「いえ、大丈夫です・・」
「何だよ・・・俺が教えたんだし、お前がヘマしねぇように行くだけだから」
「あ・・そうです、ね」

傍に近づく前にハッと気付いたは、眺めていた物を服のポケットへ。
亀梨の問いに答えて顔を上げたが赤西に気付き、笑顔が少し強張った。

一瞬だけ視線を合わすと不機嫌そうに答える赤西。
その態度にの笑顔もなりを潜める。

少ししか見えなかったがアレは写真?ぽかった。
まあ此処でそれを確かめるつもりはない亀梨は二人を促して図書館へ向かう事に。
歩き出しながら亀梨はに数点確認する為に質問をする。

はケータイ持ってる?」
「あ、はい。四月一日さんから頂きました。」
「じゃあ番号とアドレス交換しとこうぜ〜」
「番号・・・と、あどれす・・・・」
「ん?もしかして出し方分かんない?」
「ちょっと慣れてなくてすみませ――」
「今時?バカじゃね?ちょっと貸せよ」
「「あ」」

亀梨の中ではもうはKAT-TUNのメンバーになっている為
普通にケータイの番号とアドレスを交換しようと申し出た。

も預かったケータイを思い出し、取り出して見せた。
でも大正にあるはずのない文明の利器。
勿論扱い方なんて知るはずもない。

出してみたものの扱い方が分からず固まる。
自分の番号の出し方も分からないですね・・・はい。

と言うか、亀梨が言っている言葉も分からない。
交換のやり方も知らないし、何処をどう押したら何が起きるのかすら分からずにいると
亀梨がケータイを預かって番号を出してやろうとしたのだが

仰々しく溜息を吐いた赤西が横からのケータイを取り
手馴れた動きでのケータイ番号を呼び出す。

それからケータイを少し弄り、自分のケータイと近づけ亀梨に手渡した。
赤西の動作に気付いた亀梨はそれを見て驚く。

「仕事放棄して逃げても捕まえられるようにだよ勘違いすんな」
「・・・・はいっ」
「ふーん・・・じゃ、俺とも交換ね。」
「はいっ」
「(何だその違い・・そんなにカメと番号交換出来て嬉しいのかよ)」

放棄なんてしません、とか言ってしまったらまた口論に発展しそうなので頷いておく。
その後亀梨も赤外線で番号を交換した。

驚いた、まさか赤西まで交換するなんてさ。
口実を言ってるようだけど、何だかんだ言って気にかけてんのかもな。

改めて目立たないように裏口から出ると呼んでいた四月一日が現れ
途中までは車で行く事となった。
亀梨と赤西は徒歩で行く気満々だったが、上田にダメ出しされたので仕方なく車に変更。

まあ時間も余裕ないし、車に変更は正解だったかな。
車に乗り込みながら実感する亀梨。

ワンボックスカーにも乗り込み、赤西がドアを閉めて車は出発した。
二列あるシートの前に亀梨と、後方に赤西が一人で乗り込んだ。
理由をつけての番号を登録した赤西だったが、自身でも驚いていたりする。

認めてなんかいねぇし認めるつもりもない。
だから番号を登録したのは見張る為。
混乱する自身を落ち着かせるかのように自分の心に言い聞かせた。

一方では初めて見る都内の風景に口をあんぐりと開けていた。
自分がいた頃の風景と全く違っていて、あの時で言うと此処は何処なのかと記憶の中の風景と照らし合わす事すら出来ない。

もし迷子になってしまったらどうしよう・・・・
これが亀梨さん達と繋がる道具だと言うのは分かるけども操作方法が分からなければ宝の持ち腐れだ。
此処は恥を偲んで聞くしかないわっ!

「亀梨さんっ」
「ん?」
「えーと、これはどうやって使ったらいいんですか?」
「・・・・え、まさか使った事ない?」
「はい・・・お恥ずかしながら・・・・・・」
「お前どんだけ田舎から出て来たんだよ」
「す・・すみません・・・・」
「えーと何処から教えたらいい?」
「ど・・・・何処からでしょう・・・」
「三人ともそろそろ着くよー」
「おら行くぞバカ」

あーーーーーーそんな後生ですから教えてからにして下さいぃいい
まさに聞いた瞬間、無情にも到着を知らせる声。

黒いフィルムの貼られた窓から外はよく見えないが、確かに車は到着していた。
駐車場に停めて四月一日が待つのでもいいのだがそれでは退屈になる。
そして達と図書館に入るのも目立つ為却下。

結果 四月一日は一旦上田達の方へ戻り、先に打ち合わせ場へ向かい
それから再び達を迎えに来る手筈となった。

暗くなりつつある都会の人混みに紛れ、図書館へと急ぐ。
とは言っても、東京の夜は明るい。
都心から外れた所にある図書館も、田舎より閉館時間は長い為まだ開いていた。

四月一日が傍の歩道に寄せて下ろした為、少しだけ歩道を歩くだけで図書館の入り口に着ける。
ふと空を見上げ見るの目には明るい夜空。
この空は・・・遙か昔、私のいた時代からずっと同じで・・変わっていく日本を見守ってきたのね・・・・

図書館と言う建物はとても荘厳で、立派な造りになっている。
の前を亀梨が案内するように歩き、少し後ろには俯きがちの赤西が続いた。

「閉館時間はまだ先だけど、調べる事は決まってるの?」
「はい、でも何から調べたらいいのかが分からないんです」
「んー・・・・調べたい言葉とかは?」
「それは『地震』についてで・・その・・・・大正時代の大きな地震についてちょっと・・」
「「大正時代の地震?」」
「は、はい」

無事図書館に入ると、人の少ない方向に進みつつ亀梨はの目的を聞いてみた。
ついてきたからには一応聞いてみるかと赤西も追いついて足を止める。
聞かれたは先ず此処の広さに驚いており、何やら緊張して焦っていた。

何とか自分の言いたい事を伝えようと記憶を辿りながら説明してみた。
その言葉の中に亀梨と赤西は気付く事があって声をハモらせてしまう。
昨夜あった地震の時に現れた女の子が自分達に聞いた中にも同じ言葉があったのを思い出したから。

死を覚悟するような地震。
そして亀梨は、その日の自分が女の子の言った地震について独自で調べようとしていた事を思い出した。


カメちゃんの「ん?」とか好きで堪らない管理人←
寧ろ「ん?」とか聞き返すカツンメンが好き)`ν°)・;'.、
仁君はやっぱ「どした?」がいい)`Д)、;'.・
もうごくせんで「竜?どした?」とか優しく聞いてた奴吐血モンでしt