スキンシップ苦手 Sの場合



関東出身側でスキンシップ好きそうなのと聞かれたらさっくんとラウールしか思い浮かばん。
まあ、関東は結構他人との距離あるからねー・・・そんな私も関東生まれ。

いや別にわちゃわちゃが営業用って言ってる訳ではないよ？

基本皆、人間が好きなんだろうなとは思ってる。
後はあれかな、Snow Manが大好きなんだろうなーって思う。
ただ照とふっかに関しては過去スキンシップは苦手だと言ってたね。

皆を眺めてるうちに車は撮影現場のスタジオに到着。
今回の撮影は2人ずつに分かれて撮る事になっている。

組み合わせは、照×ラウール、ふっか×康二、目黒×阿部ちゃん
舘さま×翔太　それから、さっくん×私。

テーマは『仲良し』てなるとスキンシップを要求されそうだなあ・・

メイクと衣装を着て準備万端のペアが、それぞれの撮影スペースに分かれて開始していく。
ふかこじは張り切る康二に文句言いつつも付き合ってるリアコのふっか。
めめあべは何だコレ、カレカノかな？てくらいに雰囲気が完成されてて見てるのが恥ずかしい（

いわラウコンビも兄と弟みたいで見ててほっこり。
ゆり組の撮影を見学しつつ私はさっくんの到着を待っている。
撮影が一段落したペアは、先に控室に戻って行く感じ。

🖤「お前これからだっけ」
🐇「蓮と阿部ちゃん撮影お疲れ！私とさっくんはラストなの」

声をかけて来たのは目黒と阿部の2人。
騒がしい組み合わせだからラストにしたのかな。
と答えればクスッと阿部に笑われる、目黒はわざとらしく納得してみせた。

💚「あんまり緊張せずにらしく撮って貰うといいよ」

なんて、現役モデルを務める君に言うのは失礼かな？とはにかむ阿部（あざとい
でも不仲説を乗り越えた阿部にそう言って貰えるのは心強いし嬉しい。

🐇「そんな、凄い安心したし緊張も解けました！」
💚「ホント？それなら良かった、ああ見えて佐久間は真面目だし頼れるから安心して」
🖤「たくまくんは結構オンとオフが切り替えられる人ですよね」
🐇「蓮、それ人が違ってるから(笑)」
🖤「あれ、そうだっけ。兎に角楽しく撮ってくればいいと思うよ」
🐇「珍しく励ましてくれた・・明日は雨ね」

と言ったら目黒の腕が伸び、脇をくすぐられる。
一応これから撮影だから髪の毛をわしゃわしゃするのは避けてくれたんだろう（多分
2人なりの励ましに背中を押してもらい、阿部からは肩を組んで頭をポンポンされた。

控室に戻るめめあべを見送っているところに颯爽と現る佐久間が到着。
身長差は+2.5㎝、Snow Manの中で唯一私より背が低い。
可愛いなあとか言ったら怒られるかな？

スタジオでムードたっぷりに撮影しているゆり組を視界に収め
そっちを見たままだが、何となく気になったので佐久間へ聞いてみる事にした。

🐇「そう言えばさっくんはスキンシップって苦手？」

直球で聞いたら不思議そうな目を向けて来た。
くりんくりんの大きな目がこっちに向けられる。
うん、可愛いですね？チワワみたい（

でもまあ聞くまでもなかったかなー・・見た感じ好きそう。
それに常に誰かとくっついてる印象のが強い。

でもまあ一応女子とのスキンシップとか大丈夫？という意味合いだと説明。
しかも今回の撮影テーマが『仲良し』
となれば間違いなくスキンシップは必須になりそうだし・・

これを受けた佐久間、チラッとゆり組を見た後
掠めるように戻した視線で私を捉え、そうだなぁと口にすると答えてくれた。

💗「スキンシップめっちゃ好きだよ！」

とまあ予想通りの答えが返って来る。
照さんとは常に肩組んだりハイタッチしたりしてるしなー

後は6人時代からシンメを組んでた阿部ちゃんとも仲が良い。
肩組んだりは勿論、おんぶしたり何だかんだしてる。
翔太さんとはスキンシップ・・はないけど、愛ある突っ込みをされてるね。

それが出来るのも信頼関係があるからこそだ。
ふっかさんともお互いがボケとツッコミを交互にしてて面白い。
めめこじとも一緒に話したり遊んだりしてるみたいだし
ラウールとは完全に兄と弟みたいで微笑ましくなる。

え、やっぱ私とはスキンシップしてるの少ないな・・？
まあそれは私が人見知りしてるってのもあるかー・・・

仮に今回撮る事になったら・・・えーと
次はどう聞こうか考えあぐねていたら
スタッフとカメラマンさんからスタンバイするよう言われる。

はーいと答え、2人してゆり組とハイタッチしながら入れ替わった。
宜しくお願いします、とカメラマンさんに挨拶。
セットに造られているのはキッチン、小道具として完成したお菓子やら置かれている。

何となくシェアハウスにあるアイルランドキッチンと似てた。
対面式で料理中の人とリビングに居る人とが会話出来る対面式。

📷「今回のテーマは『仲良し』先ずは自分達なりの仲良しを表現してみて」

とセットに入るなりカメラマンさんからの注文が飛んで来た。
キッチンでスキンシップって危なくないか？（真顔
まあ兎に角指示は指示だ、取り敢えずポーズを取ってみるしかない。

🐇「うーん、何か作ってる風にしてみますかね」
💗「良いね！俺この綿棒持ってポーズ取るわ」
🐇「・・さっくんそれは綿棒じゃなくて麺棒かなあ」
💗「うぇっ違うの？？ちょっと恥ずかしいじゃん俺(笑)」
🐇「あははっ」

写真に会話は残らないので佐久間に聞いたり確認しながらポーズをキメていく。
オーブンを開けてカメラを見ながら撮って貰ったりと比較的楽しく進む。

後はセットの小道具を使い、実際にお菓子作りをしてる風にもしてみる。
2人でボウルを抱えて中身を混ぜ、メレンゲを作ってみたり。

何て言うか、完成した小道具はマカロンなんだけども
セットにはマカロン制作過程毎に、工程の小道具が置かれてまして
すんごい美味しそうな匂いがセット中に充満してる。

ある程度撮影が進んだ頃、カメラマンさんが¨もうちょっと小道具使ってみて¨と指示
お菓子作り風には小道具を結構使えてたと思ったが、まだまだ出来てないらしい。

どうしようかなと考え込んでしまうと、横にいた佐久間に肩を叩かれた。
何か名案かな？と振り向いた瞬間、さっくんの指が私の鼻の頭に触れる。

🐇「うん！？」
💗「お菓子作りあるある！」
🐇「まさかメレンゲ付けた？？」
💗「ファイナルアンサー？」
🐇「・・・・ふぁ、ファイナルアンサー」
💗「大正解！」
🐇「やったああ・・って！そうじゃない(笑)」

ナイスツッコミ、とご機嫌な佐久間に笑われる。
佐久間は悩んだの鼻の頭にふわふわのメレンゲを付けたのだ。
自身はボウルを抱え、泡立て器を片手に悪戯っ子みたいな笑みを浮かべている。

緊張は自然とする事なく佐久間のお陰でサクサクと撮影も進んだ。
寄り添って料理の本を覗き込んだり、向かい合って笑い合ったりした頃

📷「2人ともいいね！ラスト1枚もっとくっついてみようか」
🐇「くっつくんですか・・！？」
💗「マジ？もっとくっついちゃっていいの？(*'▽')」

ある程度良い写真が撮れたのか、ラストの注文が入った。
ノッて来たカメラマンさんからとんでも注文をぶっ込まれる。

ここまでは和気藹々と撮れたが、もっとくっつくとなると・・どんな！？て思う。
私は女性初のジャニーズ、謂わば¨ファンに最も近いメンバー¨の代表でもある。
ファンに代わり、スノ担が1番望んでそうな距離感で撮るのも役目・・・！

これはモデルとしてのキャリアを見せる時・・
ファン達がどんな近さで彼らと写真を撮りたいかを体現せねば！

🐇「さっくん凄いノリノリだね？」
💗「だって楽しいんだもんとの撮影！」
🐇「さっくん・・・可愛い・・！」
💗「わあ嬉しい～・・ってのが可愛いよ？」
🐇「いやあ私より小さなさっくんのが断然可愛いから」
💗「何かそれ嬉しくないな！？」

小動物みたいに終始極起動型の佐久間に思わず出た言葉。
心で感じた事をストレートに言ったら
面白くない、と唇を尖らせて拗ねる佐久間。

結構メンバー同士で"お前のが可愛いよ"
とか言い合ってるのに嬉しくないのかな？

🐇「そうなの？蓮に言われて嬉しそうだったよね？」
💗「あれは男同士のじゃれ合いじゃん！」
🐇「('ω')私とはじゃれ合いにならないの？」
💗「ならない訳じゃないけどｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞ」

何か分からないがパニックなさっくん。
伝えたいけど上手く言葉が見つからない様子は分かった。

佐久間的に言うならば、異性
つまりからは可愛い対象じゃなく
きちんと異性として見られたい訳で

可愛いと言われるのは嬉しいが
それをに言われるのは複雑だという話
悩ましい佐久間の男心を知る由もない

んーー伝わってな～～い！by佐久間

まあまあ、と佐久間を宥める。
小動物みたいでホントに可愛いなあ・・

とか何回も思いつつ私もリラックスして来てたから
カメラマンさんからの注文にも応える事が出来た。

🐇「さっくん此処に座って」
💗「ほいほい」

膨れる佐久間を促し、キッチンに在るテーブルセットの椅子に座らせ
は完成してるマカロンの皿を手に佐久間の背後に回る。

なになに？とそわそわして待つ佐久間。

私は左手をさっくんの左肩に置き、
上体を少し前に倒しながら接近

我ながら接近したと思うのよ！
それに他のメンバーにはドキドキさせられっぱなしだったのが
さっくんとなら逆に私がドキドキさせる側に回れそうだなって(・∀・)

ぶっちゃけ撮る側からすると微笑ましい光景でしかない（辛口

が、佐久間としてはドキッとさせられた様子。
俺女の子からこんな風にされた事なぁーい！と言って頬を赤らめている。
そこを偶々見ていた翔太が¨女子か！¨と突っ込んでいたとか居ないとか？

この体勢を数枚カメラマンが納めた頃。
佐久間の逆襲が幕を開けたのですよ。

カメラマンの要望、もっとくっついてみようかに応えるべく
前に伸ばされていたの右腕を握り

💗「もっとくっつこ？」

と囁くように言ったと思ったら
左側に強く引き寄せ、ひょいっとを己の膝に乗せたのである。
あれ？？さっくんってこんなに力強かった？

一瞬何が起きたのか理解が追いつかず
目をぱちくりさせてしまった。

途中くるりと向きを変えさせられた為
は背中から佐久間の膝に座っている感じ。
引き寄せられる前にマカロンの皿はテーブルに置いていたから毀れてはいない。

🐇「さっ、さっくん」
💗「なぁーに？大丈夫だよ、変な事はしないから！」

それは当たり前だ( 'ㅂ')

🐇「じゃなくて、これは――」
💗「はモデルさんでしょ？ほら、マカロン持って？」
🐇「あうう・・ハイ」

内心でセルフツッコミしたのは一瞬だけ。
後は何やらさっくんのペースに乗せられてしまい言い負かされた。

これを私以外のカメラマンさんとスタッフ、マネージャーもﾄﾞｷﾄﾞｷしながら見守り
取り敢えず持たされたマカロンを手に佐久間を見上げる。

すると佐久間もマカロンを1つ指で持ち
伏し目がちな眼で此方を見ると、私をジッと見て・・
何だこれ、さっくんじゃないみたいに色気が凄いぞ？←失礼

佐久間も何気に横顔が綺麗とファンから定評があり
女装もドハマりの整った容姿を持っている。

💗「いい子だね、それじゃあーんしてみよっか」

えええええ←パニック
佐久間の目はの口許を見ており
間近であーんしてよと言ったのである。

落ち着こう私、ジャニーズあるあるな構成でしょ！
過去誌じゃあSnow Manの皆も中々近い写真撮ってたし！

🐇「あ、あーん・・・」
💗「ふふ、いいね、俺にも食べさせて？」
🐇「た、食べさせ合いっ子ね？！」
💗「そうそうそれ」

予想外過ぎるさっくんの行動にﾄﾞｷがﾑﾈﾑﾈな私やスタッフさん達。
それでも何とか照れるのを我慢しつつ
自分の持ったマカロンを間近に居るさっくんの口許へ運ぶ。

🐇「あーん」

少しだけ目を閉じ、運ばれて来たマカロンをあむっと食べた佐久間。
それを見てたは正直見惚れてしまった。

普段元気いっぱいで賑やかな印象しかなかった佐久間。
こんな風に色気を感じさせる表情と仕草が出来るなんて
完全なダークホース・・・！！

と見つめていたら、気づいた佐久間が視線を合わせて来た。
くりんとした大きな目が私を見つめて来る。
瞬間的に顔に熱が集まるが、表面上は動揺を隠したポーカーフェイス。

だがそんな私にさっくんは特大の爆弾発言を投下するのだった。

💗「可愛い～・・・このままキスしたくなっちゃうなあ」
🐇「――・・えっ！？」

言うや少しだけ顔を寄せて来た佐久間に対し
驚きで目を見開いてしまった私をクスッと笑うさっくん。
意味深な言葉がぐるぐると脳内を駆け巡る。

軽く恥ずかしさのピークに達した私は、咄嗟に残りのマカロンを手に取ると
目の前でニコニコしているさっくんの口に突っ込んだ瞬間をカメラマンさんは収めた。
もごっ！？と押し込まれたマカロンをさっくんはモグモグ。

耐えかねた私はそれを見る事なく膝から下りて
脱兎の如く控室へと戻るのだった。

現場のスタッフさんら曰く、最高に良い写真が撮れたよ！
との事だったが、その日1日私はずっと騒がしい心臓の音に悩まされる事となった。