想い想われ 2
💜「違う違う、俺が頼まれたのは玄関開ける事だけだよ」
🦋「えっ?」
💜「荷物を運んだのは俺がそうしたかったからしただけ」
ふあ~・・・無意識とか何それ
爆モテ不可避じゃないですか!
🦋「ほお~・・・これはまたイケメン発言」
💜「えっホントに?俺イケメン?」
🦋「私がされたみたいな事されたら女子は間違いなくふっかさんに惚れますね~」
でも心臓に悪そうです、とは言わずにおく
こっちは意識する予定じゃなかったのに気付いたら意識させられてるとか悔しい。
本当に優しい声で言うから危うく勘違いしそうになるじゃないか。
こっそり胸を抑えて内心呟く。
誰にも言ってないが、高校1年くらいに深澤を意識。
ずっと片想いして来てはや7年。
だからまあ、ドキドキしてしまったんだろな
まさか兄が頼んだのがふっかさんだとはね・・・
人生何があるか分からないわ、と階段へ。
暫く疎遠になり、深澤への気持ちも落ち着き
漸く諦めがつきそうだったのに再会するとは・・
取り敢えず気持ちを切り替えて兄を待とう
そう決めたタイミングで、私を追い抜いた影
その影は深澤で、階段を降りようとしたの前に腕を出し
出した手で手すりを握り、通せんぼ。
ゆっくり此方を向きながら深澤は口を開いた
💜「ちゃんは?」
🦋「――へ?」
💜「今日ので俺に惚れてくれた?」
🦋「えぇっ!!ふっかさんに、ですか?!」
いきなり何を聞くんだこの人は!
こちとら7年前から惚れてるわ!って言いそうになる。
だがまだ言うのは段階をすっ飛ばしてる気がして言えないし悔しいわで
なんかもう頭がパニックパニック@ω@
🦋「わ、分からないなぁ~・・・」
💜「えー、俺ちゃんが来るって聞いたからこれでもアピールしてんのよ?」
🦋「ふっかさんからかってます?」
💜「からかってないし俺好きな子にしかやらないよ?」
中々近い位置に深澤が居るせいで落ち着かない。
表情がよく見える間近で話さないで欲しいな
後退も前進も出来ない中、数秒だけ視線が絡む。
意味深な事まで言われたら想いを告げたくなる・・・7年前から好きだよ、と。
しかし相手は芸能人で兄の友人・・・
もし彼とそういう仲になったら?
一般人の私はふっかさんを守れるだろうか。
守られっぱなしは嫌だ。
足枷にもなりたくない・・・
これはどう答えるのが正解?
💜「ちゃん赤くなってる可愛いなあ」
🦋「ふっかさんがからかうからですよっ」
思考回路がパンクしかけた時、深澤が呟いた
その言葉でハッと我に返る。
切り抜けるには今しかないと深澤の腕をを潜り抜け
パタパタと駆け足でリビングへ駆け込んだ。
その背を見送った深澤の顔に自嘲の笑みが力なく浮かぶ。
💜「んー・・・からかってなかったんだけどなあ・・・」
と呟きながら頭を掻き、ゆっくり階段を降りる。
どうやら気持ちを届けるには長期戦になりそうだな、と苦笑。
女の子扱いして大事に大事にしたいのは
7年前から変わらず、だけ。
💜「照の大事な妹ちゃん、難攻不落すぎ・・・でもまあ、諦めるつもりはないけど」
呟きは空に漂い、深澤もリビングへ向かった
シェアハウスに全員が揃う頃
は大好きな兄、照の横で楽しそうに笑い
集まった他のメンバーとも会話し
新メンバーとも打ち解けていた。
💛「折角俺が機会を作ってやったのになぁ」
💜「もう言うな!」
💛「俺は応援してるから頑張れよふっか」
💜「当たり前よ」
おわり