光と光のオンパレード
こんなに眩しい光の中に立った事などありません。
これが記者会見と言う物なのですね。
でもこのスーツ・・と言う物はどうも着慣れません・・・
特にこのネクタイは・・・結べない←
虹色の旋律 二十章
4月6日の朝。
ふかふかのベッドで熟睡する事が出来た。
恐らく慣れないこの時代での大きすぎた出来事に思いの外疲れていたのだろう。
赤西から貰った寝巻きに身を包み、スヤスヤと眠る。
時刻は朝の6時、記者会見は10時から。
だがその前に会場入りをしてメイクやら衣装やらを済ませなくてはならない。
そんな事は知らないは勿論熟睡していて起きる気配すらない。
しかし熟睡しているのとは裏腹に、夢見だけはよくなかった。
来る直前に体験した大きな地震。
許婚の死、大戦。累々たる死者・・・
本を読んでも地震の事は詳しく載っていなかった。
調査は始めたばかりだから進展が遅いのは当然だが
は心の何処かで焦っていた。
それと、ふと感じた懐かしさがあった。
上田さんに継信さんの面影がある事。
初対面では気付かなかったくらい動揺していたから・・
でも気付きたくなかったかもしれません。
面影を見つけてしまったら、重ねてしまいます。
失礼な態度を取ってしまうかもしれない・・・
「あー・・・目が覚めてしまいました」
浅い眠りに入っていたのか、いつの間にか自然と目が覚めていた。
今日は記者会見があると四月一日さんが言っていましたね・・
会見と言う物は初めてでどう振舞ったらいいのでしょう・・・・
ぼんやりと体を起こし、時計を眺める。
朝の6時過ぎ。
このくらいの時間に起きる事はあちらでの生活で慣れている。
朝餉やら炊事の仕事は女性の仕事。
あの時代でも起床したら母の手伝いを私もしていた。
早くあの地震の事が知りたい・・・・
安否が確認出来ればいいのに。
あの幸せだった時間を取り戻せたらどれ程いいか。
ない物ねだりは駄目だわ・・時間なんて戻る事はないのだから。
時間が戻れば・・・継信さんにもまた会えるのにね・・・・
そうしたら戦地になど行かせなかったかもしれません。
ずっとずっと傍で貴方と過ごせたかもしれない・・
貴方と死に別れたばかりでなく、生まれ故郷から弾かれ
ずっと先の未来でたった一人で生きる事になってしまった。
貴方との思い出だけで生きて行けるのかが不安です。
だって・・・此処で過ごしていると、貴方の事を想う時間すらないのですから。
コンコン――
今日もになる瞬間が訪れました。
さあ・・心に蓋をして仮面をつけましょう。
寝巻きのままノックに応えた。
「はい」
「起きてっかー」
「起きてますよ」
ガチャ、と開いたドアから現れたのは田中さん。
現れた田中の服装は、既に寝巻きではない。
案の定の格好を見た田中は驚いた物になり
ズカズカと室内に入ると、そのままの前まで来た。
「まだ着替えてなかったのかよ」
「え?会場入りは10時ですよね?」
「時間はあるけど、メイクとか着替えとかするし打ち合わせも入るから7時には出るぞ?」
「そうなんですか?!大変です!すぐに着替えますね!!」
「おう・・・ってタンマ!俺が出たら脱げよ」
「え?男同士ですし・・・・」
「いいからいいから、メシの準備しとくからよっ」
「は、はあ」
の着ているパジャマを摘みながら指摘した田中。
暢気な様子に、はまだ業界に入りたてで分からないんだった・・と理解した。
すぐ説明すると其処で目が覚めたのか、の目が見開かれすぐさまボタンを外し始めた。
それを目の当たりにした田中、何故かテレが生じてしまい
慌ててボタンを外すにストップをかけ、キョトンしているを残し先に部屋を出て行った。
昨夜ああいった説明をしたから気を遣ったのだろうか?
別にサラシを巻いてるんだし胸は見えないのだから平気だと思った。
脱ぐのを躊躇ったら却って怪しまれる、だからこそサラシは見られてるから潔く脱いで見せようと思ったのだが・・・
逆に気を遣わせてしまったらしい。
今度からは気をつけましょう・・・・
階段を駆け下りながら田中は、何故ああも焦ったのか自問していた。
あれじゃ変に思われただろマジで・・・
いやあさ、本人も傷を隠す為に巻いてるって言ってたから
人前で服は脱ぎたくないんじゃないかと思った訳よ。
なのに普通に脱ぎ始めたから俺が逆に焦ったわ。
意外と思い切りがいいらしい←
顔は可愛い顔してんのに男らしい所もあるんだなアイツ(笑)
寧ろ変に隠そうとするより堂々と振舞ってくれる方が嬉しいかもしんない。
こっちも変な気を遣わなくて済むし
お互いに気を遣う必要もなくなるしさ、もっと仲良くなれそうじゃん?
「朝からうっきうきですか聖さん」(?
「う、わ!?何お前、いきなり現れんなよ!」(聖
「いきなりってお前なあ、此処もうリビングなんですけど」(中
「は?あ、あーね。そういや朝飯担当って誰?」(聖
「オレオレ詐欺でーす」(淳
「ああそれじゃあ110番しとかないとですね」(聖
「てか警察の方も尋問したくないタイプですねぇ」(中
「酷いなあ二人とも」(淳
「いや、お前が鬱陶しいせいだから」(聖
「そういやお前何で朝からうっきうきだったんだよ」(中
知らず知らずに笑みが浮かんでたらしい俺にいきなり突っ込みが入った。
しかもまん前から。
飛び退きつつ見ると中丸の呆れた顔がある。
普通にリビングに着いてたみたいですね。
それから担当を聞くと、応えるように聞こえてきた寒すぎるダジャレ。
これを聞けばすぐに誰なのかが判明するんですよ〜
軽く中丸と田口を弄ってから席に着く。
田口が作り終えたフレンチトーストを乗せた皿を、対面式キッチンの目線上にある台に置いた。
それを手際よく中丸が運んで来ると、忘れてなかったのか最初した質問をしてきた。
あんま説明するのはこっぱずかしいんですけど中丸さん。
俺普段からあんまそう言う恥ずかしい系の台詞とか言わないじゃん。
仲間っていいね!とか言う青春系の台詞・・・・
田口辺りなら言っても違和感ねぇかもしんないけど実際言ったらウゼェな←
取り敢えず聞いてきた中丸には本人は傷とか気にしてなくて自然に振舞ってたのが親しみ沸いたと言っておいた。
+++++++++++
その後着替えたも部屋を出てリビングへ。
顔を出した先には以外の全員が揃っていた。
時間は6時半、食べ終えてるのはと上田以外の全員。
上田は少し寝坊をしたらしい。
若干眠そうな顔でフレンチトーストを頬張っている。
ボォーッとした顔が可愛らしい・・・・
・・・本当に上田さんは可愛らしいのですよ。
継信さんと違う所は・・その・・・柔らかい?(何が!?
堅苦しさがないと言うか、いや・・その別に誠実さがないとかではなくてですね!
そう!雰囲気が柔らかいんですよ!
何でこんなに必死で言い訳してるんでしょうね私は・・・・
兎に角食事を済ませましょう。
「食べたらもうマネさん迎えに来てるからすぐ移動ね」(和
「ふぁい」
「食いながら喋んなよアホ」(赤
「う・・ふいまふぇん」
「気にしなくていいよ、ちゃんと噛んで食べてね」(上
「ふぁい」
「んー可愛いなあは〜」(上
「!!?」(全員
「もぐもぐ」
亀梨がこの先の予定を食べてる二人に説明。
頬にパンが入ったまま答えると早速赤西に指摘されたが謝りつつ食べる。
必死で食べるを気遣った上田が隣から優しく話し掛けた。
パンを頬張りながら了解したが何やら可愛らしくて
上田は微笑ましく眺めると、自然な動作での頭をパフパフした。
それを見て一番いいリアクションをしたのはではなく他メンツでした。