猫の皆さんについて
兄さんは私を信用して彼等を任せた。
任されたからには協力出来る事は何でもしてあげよう。
そんな気持ちでは亀梨達を眺めた。
今仁君が服を選んでそれに着替えに行っている。
他の彼等はまだ猫のままだからそれが出来ない。
沸騰したあの鍋、危うくチンチラ君に当たりそうだったんだけど
素晴らしい反射神経で仁君がチンチラ君に当たる前に鍋を蹴っ飛ばした←
軌道を変えた鍋は床の上に着地した。
勿論仁君は足に軽く火傷を負ってしまった。
なのでまた風呂場に行ってその痕を冷やしてもらってる。
本来なら私が率先してキッチンの水で冷やすべきなんだろうな・・・・
あー・・情けない・・・
せめて湿布くらいは用意して貼ってあげよう。
間一髪熱湯を免れたチンチラ君の頭を撫でてあげた。
気にしてるのではないかと思ったから。
自分が其処にいたせいで仁君が火傷を負ってしまった、と。
「君のせいじゃないんだから気落ちしないでね」
「・・・・ニャーン・・」(うん、有り難う)
を見上げて小さく鳴いたチンチラ君をもう一度撫でる。
指に擦りつく様がとても可愛くてキュンとした←
救急箱を引っ張り出して湿布と包帯を用意。
其処へ着替えの済んだ仁君が戻って来た。
七分丈の白いシャツ、U字に開いた仕様になっており
その上に黒い襟付き袖なしのジャケット。
ズボンはカーキ色でクシュッとした物で、片足だけ膝まで裾が折り上げてある。
うわー・・・・・いいセンスしてるなぁ・・・と感心。
私のデザインした服とか着せてモデルしてもらいたいくらいだわ〜・・・
と見ていると、その視線に気付いた仁君がを見ながら問うた。
「ん?ひょっとして変?」
「いやいや、変どころかすっごく似合っててカッコイイよ。仁君はセンスいいのね」
「ホント?デザイナーのさんにそう言って貰えるとすげー嬉しいわ」
「大袈裟だよ、そう言えば仁君は何歳なの?」
「あれ知らないんだっけ?俺は26、今年の7月で27っすよ」
と、年上ではありませんかぁああああ( ゚Д゚)
三つも上の人にタメ口だった!
「ごっごめんなさい、タメ口・・・・・」
「え、今更?別に気にしてないから」
「本当?」
「疑り深いな、今更赤西さんとか呼んだらデコピンするよ?」
ちょっとムッとしたような顔をして指でオデコを弾くフリをする。
その動作が面白くて笑ってしまった。
少し笑い合った後、仁君をソファーに座らせて火傷を見せてもらった。
鍋を蹴った足の足首から下が真っ赤で、水脹れが出来ている。
物凄く痛そうだ・・・・・
水脹れの上に絆創膏を貼って、その上から湿布と包帯を。
大きい足だなあ・・と思いながらクルクルと包帯を巻いて行く。
「痛む?」
「まあちょっとだけな」
「まさか足で蹴っ飛ばすとは思わなかったよ」
「手はとどかねぇし、そんなら足しかねぇかな・・と」
「仁君面白いね、中々ないよその発想」
「そっかな」
一度言葉を交わしてしまえば後はとてもスムーズにやり取りできた。
話しかけ難そうに感じたけど、意外と話し易い人だなあ。
とかが感想を述べている頃五匹の猫は面白くなさそうだった。
赤西ばっかズリィ、との意味合いも込めて亀梨は赤西の足を蹴っ飛ばしてやった。
火傷をしてない方の足をゲシゲシと蹴る。
気付いた赤西はそんな亀梨猫の額をデコピン。
ビシィと響く衝撃に頭に来たので、前足の爪をチラつかせて睨み返す。
それを見た上田と聖も参戦、三人(匹)で爪を光らせた。
「お前らまさか引っ掻くつもりじゃねぇだろうな」
「仁君がデコピンしたからだよきっと」
「はははは(何となく違うっぽいけどな)」
「遅くなったけど朝御飯にしようか」
「かなり遅い朝飯だけどな」
爪を光らせている三匹を、頬を引き攣らせて見た赤西。
それをあのデコピンのせいなのでは?と聞いた。
苦笑いだけ返しといたが、赤西は何となくそれだけではないような気がしていた。
時計は午前9時を過ぎていて、遅めの朝食となった。
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遅い昼食が済み、亀梨達はソファーで寛ぎ
赤西は片付けを手伝っている。
亀梨達も手伝いたい気持ちはあったが、姿が猫な為それが出来ず見ているしか出来ない。
あれから数時間経過しているが・・赤西が猫に戻る気配もない。
どうしてなのか理由も分からねぇしなあ・・・・・
六時間したら俺は元の猫になっちまってた。
じゃあ赤西も六時間後には猫に戻るのか?
赤西が人間に戻ったのは朝の7時30。その六時間後は・・13時30分・・・
今は9時10分・・・・残り3時間20分が残り時間か?
けど憶測でしかねぇし・・・目安くらいにしかなんないな。
「手伝ってくれて有り難う」
「お安い御用、そういやあは(年下だし、まあそれ関係なく呼び捨てのが呼び易いので)仕事いかねぇの?」
「あーうん。皆もいるし、私あそこの代表だから家でも仕事出来るしね。」
「んー・・・・」
「別に仁君達のせいとかじゃないよ?迷惑でもないし、寧ろ・・・一人じゃなくなってホッとしたの」
「ならいいけどさ、あ、俺が猫に戻る前に手伝える事ある?」
が小さく漏らした呟きは赤西にも、亀梨達にも聞こえる事はなかった。
赤西はが気にしてないと言った言葉に対しての返答だけ返す。
それから戻る前に出来る事があるかを聞いた。
その申し出を嬉しく思い、だが食器も食器洗い機で済むし
洗濯物も後は干すだけだ。特に頼む用がない・・・・あ、そうだ。
「今の所平気、だから皆の事を教えてくれる?」
「そんな事でいいの?」
「うん。頼みたい事があったらちゃんと頼むから」
「じゃあ何から聞きたい?」
「先ずは・・・他の皆の本名かな」
「そっか、まだ俺だけだっけ?」
「ううん。仁君達が来た日の夜に和也が戻ったのよ、その時名前は聞いたから」
「えっ!?カメ戻ってたの?」
「ニャー」
あれ、和也皆に言ってなかったんだ?
驚いて猫の和也を見た仁君に、してやったりな顔を(猫だから無表情だけど)して鳴く和也。
その亀梨にムカッとした赤西だったが、の問いに答える事にした。
ミケ(三毛猫)は田口淳之介
ルイ(ロシアンブルー)は田中 聖
スカイ(チンチラ)は上田竜也
ヤマト(チャトラ)は中丸雄一
六人の頭文字が自分達のグループ名だと説明。
そう言えば兄さん、どうして彼らのグループ名とか知ってたんだろう?
実は私が知らないだけだったりするのかな。
だとすると・・・・買い物とか頼んだり、一緒に行くのは出来なさそうね・・・
ちょっと残念だなあと思った。
説明が終えると共に考え込んだを、赤西や亀梨達は不思議そうに眺める。
全員の名前を言っても普通のリアクション。
本当に自分達を知らなかったらしい・・・寧ろ其処に驚いた。
テレビにも雑誌にも出てるし、ラジオもやってたから
結構知れてると思ってたんだよな〜・・と思う赤西。
まあそれはそれで新鮮だけどな。
この流れだと、ジャニーズその物も知らなさそう。
赤西の予想は間違っていなかった。