これも現実
いきなり小さいを目の当たりにして、抱きついたのはいいが
これからどうすりゃいいのかは、思い浮かばない。
一体何が原因なんだろう。
首を傾げてみても、生憎だが何も思い浮かばなかった。
「なあ、ホントに原因とか分かんないの?」
「分かんない」
・・・喋るだけなのに、何でこんなに可愛いの!?
腕の中に抱えて問いかけたタケ。
コクンと頷いて答えた小さい、それだけなのに
無性に可愛く思えて、また小さい体をギュッと抱き締めてしまう。
おっと!まったりしてる場合じゃねぇって。
取り敢えず、隼人と竜くらいには知らせよっと。
不思議と考えて隼人と竜だけに、メールを送信。
本能なのか、騒ぎ立てるつっちーと浩介には知らせる気にならなかった。
まあどうせ隠してもそのうちバレるしさ。
♪♪〜♪
送って数分もしないうちに、すぐケータイが鳴った。
片手でケータイを開き、受信BOXを見れば『隼人』の文字。
文面には こう書かれていた。
『マジ!?ホントにマジ!?とにかくすぐ行く!』
文だけ読むと、すっげぇ真面目に見える。
しかし、タケには笑顔でメールを打つ隼人の姿が浮かんだ。
絶対面白がってそう・・
♪〜♪♪♪
隼人のメールから間もなく、再びケータイが賑やかに鳴った。
タケはよいしょっとを抱え直し、ソファーへ移動。
リラックスしてケータイを開き、文面を見る。
『・・・マジ?在り得ねぇけど、とにかく行く。』
困惑してメール打ってる姿が浮かぶよ。
とにかく、二人が来る前にの格好を何とかしよう。
今の小さいは、ダボダボのパジャマ姿。
見ないように目を逸らしていたが、どうしても見てしまうと
意識してなくても照れてしまう。
だってさ!子供とは言え だよ?あのの肌が見えてんだよ?
嬉しいような・・・複雑、けど第一発見者が俺で良かった。
隼人とか浩介だったら、よからぬ事しそうだし
つっちーは動揺し過ぎてご近所に迷惑かけそうだし
竜は・・・きっと冷静だろうけど、あれで結構隼人ッポイから。
やっぱ俺が第一発見者で良かったよ。
とか考えながら、洋服箪笥を探し 小さめの服を取り出す。
そこまでの一部始終を、キョトンとした円らな瞳で
小さいが見上げている。
「可愛いなぁ、妹にしたいかも。」
「嬉しくないもん 早く元に戻りたいの!」
小さくなったせいか、口の利き方までも可愛い。
これこそ、本当の女の子って感じ。
本気だよ?、マジで今のを妹にしたいくらい。
「おい、タケ〜!!」
「来たから開けろよ」
とっても和やかな雰囲気だったのに、隼人と竜が来てしまった。
はぁーあ、もうちょっとこの姿のを独り占めしたかったなぁ
何て思いながら、を抱えて玄関を開ける。
気分は子持ちのお父さん〜♪
そんなタケとは違い、真相の真意を知りたくて
急いで来た隼人と竜の前に、自分達を呼んだタケが現れた。
その腕には、3歳児の女の子を抱えてる。
・・・・これはタケの子か?
・・・まっさか、相手誰だよ。
・・さあ・・・?
検討つかねぇなら、勝手な想像すんなって。
隼人と竜の目と目の会話(笑)
とにかく、例えそうだとしても 似とらん。
「二人共固まってないで入ってよ」
「おう・・って、オマエんちじゃねぇだろ」
「驚いてても突っ込みは入れるんだな」
全ての会話が漫才のような隼人と竜。
竜は竜で、驚いてるだろうけど 冷静なのは変わってない。
「はやと、りゅう!」
もうスッカリ3歳児そのものになってるは
タケの腕の中から飛び出すと、相向かいのソファーに座った二人に飛びつく。
だとは信じられなかった隼人も、自分達を知ってる様子に
なのかもしれない、という気持ちになった。
何だ・・この可愛い奴は!!
と抱きつかれた隼人の目が訴えている。
その隼人に、タケは得意そうに そうだろ〜?と頷く。
「何でが子供になってんの?」
「俺も分かんないんだ、来てみたらそうなっててさ。」
膝によじ登ろうと奮闘しているを抱え上げ
自分の膝にちゃっかり乗せた竜。
隣で隼人が睨むのもお構いなしに、タケに問いかけた。
タケも、幾ら聞かれても同じ事しか答えられない。
自分だって説明してもらいたいくらいなんだから。
原因が分かってるなら、二人を呼んだりしないよ。
タケの返事に、竜は膝に乗せたへ視線を向ける。
円らな瞳が、自分を見つめる竜を不思議そうに見上げてる。
時々無邪気に笑う姿は、どうしようもない位・・可愛い。
「やべぇ・・可愛すぎ」
流石の竜も、両目を手で押さえてそう漏らした。
きっと今のには誰も敵わないだろう。
18の姿も可愛かったけど、可愛いとゆうより
カッコよくて美人だった。
それが子供になると、どうも可愛さが増す。
存在その物が罪って感じ。
「俺も乗せたい!竜がギブなら交代〜♪」
「てめぇ、は玩具じゃねぇだろ」
「そうだよ隼人、今のは子供なんだから」
「揃いも揃って父親か!?オマエ等!」
「「変態(隼人)には注意しねぇとな」」
ハモるなよ・・・
抜群のハモリ具合に、切なくなる隼人。
そんなに警戒しなくたっていいじゃん・・・
それはともかく、竜の膝から自分の膝にを乗せた。
正面から真っ直ぐの目を見たら、さっきの竜みたいになる。
それにしても、子供の時から可愛かったんだなぁ・・
これが成長すると、今のになるのか。
隼人は自然な動きで、小さいの髪に触れ
それから前髪を手で上に上げると 顔を近づけキス。
「「なっ!?」」
オデコにキスしたのを見て、総立ちするタケと竜。
一方は、キョトンとしてから隼人が触れた額を触ると
不意打ちのような可愛らしい笑顔を見せた。
「くしゅぐったい」
「「「!!!!」」」
その笑顔と、舌ったらずな喋りに一気に心臓を掴まれた三人。
それぞれに悶絶状態に陥った。
何その笑顔!反則だぜ、それに喋り方可愛すぎ!by隼人。
・・・これはマジィ コイツ分かってないトコが危険!by竜。
妹にしたい!人攫いしてでも妹に欲しい!!byタケ。
何かを堪えている三人を、首を傾げて見る。
さあ これからどうなるのか。
それを知ってるのは、神のみぞ知る・・ってか?
反則気味のの可愛らしさ、三人の心を他所に
その可愛らしさはまだ炸裂するのであった。(笑)