これはまたキラキラした殿方が増えました・・
このように沢山の殿方に囲まれるなど人生初です。
私は無事に過ごせるのでしょうか・・・・
早くも不安になってきましたが
心配事はこれだけではなかったのです。
虹色の旋律 八章
赤西さん達が先に向かったであろう部屋へと向かう。
これから話し合いと言う物が催されるとか・・・
最後尾を歩くの前には四人の背中。
はあ・・・・大変な事になってしまいましたね・・て、今更か・・・
でももう決めたのよ、だから認めて貰えるまで辞めるつもりはありません。
赤西さんは嫌がると思うけども、絶対辞めないわ。
「決意が沸いた?」
「え?・・・はい、私・・じゃなくて・・・俺も簡単に辞めるつもりはないですから」
「お前その敬語みたいなの癖?」
「はい、そうみたいです。」
「新鮮でいいじゃん、俺はいいと思うけど」
「あ、有り難うございます・・上田さん」
「慣れたら名前で呼んで欲しいな」
「な!お名前を呼ぶなんて恐れ多い!!!」
「ぶっ!!」←四人
思ってる事が顔に出ていたのか、前にいたはずの上田さんが隣に居た。
決意が沸いた?と聞かれ、一人称が怪しいながらも答えると
更に亀梨さんが現れて敬語を指摘される。
昔から殿方には敬語を使うように指導されていたからそれが抜けず
癖と言っておけば後々指摘はされないだろうと睨んで頷く。
敬語についてはそれ以上聞かれなかったが、名前で呼んで欲しいなと上田さんは笑った。
しかし、それは最も大正時代では有り得ない事でありまして・・・・
思わず驚きのレベルが高くなりすぎて力説してしまった。
瞬間キョトンとされた四人の殿方+四月一日さん。
その直後、一斉に四人の殿方が吹き出したのであります。
何やらカラカラと笑われておりますね・・・
おかしな事を言ったのでしょうか?
逆にキョトンとしてしまったに、目の淵の涙を拭った上田が答えた。
「恐れ多いとか時代劇みたい(笑)」
「赤西と聖は反対みたいだけど、俺と上田は賛成派だから」
「・・・・有り難う、ございます・・」
「俺と中丸君は中立〜」
「よ、宜しくです・・・・?」
「まあ中立ってもカメ達と似たような受け入れ態勢だから(笑)」
・・・いい人・・・・・・!
大らかな中丸と田口の言葉に感激した様子の。
上田には慣れる時が来たら、と言うのが精一杯。
必ず、とは言えなかった。
そして近づいて来る打ち合わせの部屋。
徐々に心臓の鼓動が早くなる。
さっきハッキリと賛成出来ないと言われたばかりだから余計。
でも此方の殿方は受け入れてくれようとしている。
私の声を認めて下さった社長さん達の為にも頑張らねば。
最上階にあると言うその部屋には間もなく着いた。
先頭に居たマネージャーの四月一日さんがドアをノック。
中からは不機嫌そうな声と、別の声が応えた。
それを不思議に思う人はいなく、普通に躊躇いなくドアは開かれる。
開かれた先には・・・・これまた初めて見るキラキラした殿方が二人居られました。
「おーーカメ〜」
「あれ。Pちゃん来てたんだ」
「小山っちもいるね」
「????」
「紹介するよ、この二人は今度のイベントで共演するグループの山下智久君と、小山慶一郎君ね」
わわわわわ・・・キラキラ・・っ
ウッ、と両手でつい顔を庇ってしまうと
隣から肩を叩かれたので其方を見ると、あまり近寄らないように亀梨さんが小声で呟いた。
「、二人に挨拶」
「あっそうでした!今日からKAT-TUNの新メンバーになりました、です!」
「まだ認めてねぇけどな(」
「うっ・・・」
「へーーちっちゃくて可愛いね〜」
「ホント小さいねぇ、まあ大変かもしれないけど宜しくね」
「はい!」
「はん、いつまでもつかどうか見物だな」
「負けませんからね・・・・・」
くうううっ、悔しいです。
山下さんも小山さんもお優しいのに、赤西さんは変らず怖い・・・
そんな様子に亀梨と上田は苦笑。
まあいつまでもこうしてたらいつまで経っても打ち合わせが始まらないので
全員を席に着かせると、四月一日はスケジュールが書かれた紙を全員に配った。
これには決定済みの構成や使う曲と演出が書かれている。
だけは其処に書かれた曲名を理解していないが
曲名の中には彼らの先輩達が歌った曲などが書かれているのだ。
近藤真彦、少年隊、田原俊彦、シブがき隊、郷ひろみ、と初代ジャニーズから始まり
SMAP、TOKIO、Kinki、嵐、V6、タキつばなどなどまで。
イベント名は『SUMMARY〜of Johnnys world』
先輩方の曲と自分達の曲を組み込ませるコンセプトらしい。
と説明されてもには分からない。
配られた紙からして見た事のない材質で、そっちの珍しさばかりに意識が向く。
書かれた文字もどう読めばいいのやら?
昭和初期辺りまで大体文字は右から左へ書いていた為
どうもおかしな文面にしか読めない(そこから!?)
例えば『打ち合わせプロット』が『トッロプせわ合ち打』と読めます。
理解が出来なくてぐらんぐらんしますね・・・何方かに解読を頼みたいくらいですよ。
必死にどうにかして読もうとしているの様を
何か知らないが殆どのメンバーが眺めていた。
物凄く真剣な顔で、何をそんなに熟読してるのかが気になって面白いby亀梨
皆がを面白そうに眺める中、一通り説明し終えた四月一日が確認するように問う。
本当は読み方の違いで全く理解出来なかった上、話も聞き漏らしていた。
思い切って読み方を聞こうと思い、顔を上げたタイミングで赤西が煽るような口調で言葉を割り込ませた。
「取り敢えずはKAT-TUNが歌う物だけ覚えてくれればいいから、此処まで分かった?」
「あー・・えっと」
「お前特別なんだろ?確認しなくても分かるよな」
「そうなの?凄いじゃん」
「いや、その」
『やるって決めたんならそれ相応にやる気を見せてもらわないとね、それであの二人を認めさせればいい。』
「・・・・はい、大丈夫です」
「そう?もし気になったら聞いてくれればいいから」
「はい」
よせばいいのに頑固な部分があるは、売り言葉に買い言葉宜しく言い返してしまった。
そしてこの日の打ち合わせは終わりの時間を迎える。
他メンバーは別のスケジュールで、だけは一連のダンスを覚える為にダンススタジオへ。
ダンスのダの字も知らない時代から来た為、基礎の基礎から指導を受けなくてはならない。
しかも、夏にあるそのイベントの日まで数ヶ月しかないのだ。
それまでにダンスのスキルを同じ所、或いは近くまで上げなくてはならない。
これはもうまさに死に物狂いで覚えて吸収しなければ、ステージになど立てないだろう。
ましてやあの赤西が赦すはずもない。
何としても覚えなきゃ、そうしなければ私の居場所はなくなってしまう。
必死にそう言い聞かせは己にプレッシャーを掛け
知らず知らずに自分自身の心を追い詰めていた。
KAT-TUNメンバーや山下達と別れ、レッスンの為に打ち合わせ部屋を出た。
廊下で四月一日を待っていると、部屋から出て来た赤西が擦れ違い際に小声で囁いた。
「精々努力しろよ?特別だなんて言われといて無様な出来だったら辞めて貰うだけだし」
「・・・・・・」
「頑張るのは程々にな?本番までに体調を万全にしとくのも俺らの仕事だぜ?」
「・・・はい!」
「・・・・ふん・・」
高い位置から見下ろされ、冷たい目で嘲られる。
これは認めて貰えない限りきっと繰り返されるのだろう。
私は昨日以来、赤西さんのこんな表情しか見ていない・・・
に圧力を掛ける赤西を見かねて亀梨も其方へ近づくと
頑張り過ぎないように釘を刺した。
だってなんかさ、って素直に相手の言葉を受け入れすぎるから
すっげー無理しそうなんだよね・・・・
仁もやたらを煽ってるしさ、まあ・・・それくらいに真剣に仕事と向き合ってるって事なんだろうけど
どっちも簡単に譲らなさそうじゃない?
俺の言葉にもは素直に頷いた。
凄く素直で、何でも信じちゃいそうな真っ白さがある奴で・・何かほっとけないタイプだなーと思った俺でした。