一夜限り?



暫くそのまま廊下の角で話していた亀梨。
ふと気になった事を質問。

「それ洗濯するの?」
「あー・・うんまあ・・・」
「違った?」
「いやその、合ってるです」
「何そのエセ中国人みたいな」
「そうだ!今ついでに洗濯手伝ってくれる?」
「お、おう」

不自然だなーとは思った。
しかもうまーくはぐらかされて、手伝う流れに。
まあただでさえ面倒かけてるし手伝うくらいなら苦でもない。

勢いに呑まれつつ畳んだ洗濯物を受け取り
トイレの隣にある空間に案内された。
洗濯機は此処に配置されてるんだなーと間取りをチェック。

シルク製の服とかは型崩れしないようにネットに区分け。
幸いにも下着は入ってなかった(

分担は洗う物をが(同い年だから敬語もいいし呼び捨てていいよと言われたので)入れて
俺はその後にお風呂の残り湯をバケツで洗濯機に入れる係り。
何て言うか、俺が洗剤入れて蓋を閉めて、スイッチを入れるまでは少し離れてた。

「有り難う」
「別に、ホラ・・違う所でさんざ世話になってるしさ」
「って事は、他の五匹も・・・?」
「何かごめんな、むさいヤローが六人も転がり込んじゃってさ」
「気にしないでよ、ほら・・此処無駄に広いし話し相手が出来て嬉しかったから」

やっぱり洗濯機には近づかずには笑った。
機械が苦手なんだろうか?

浮かんだ疑問は、からの言葉で気が逸れてあやふやになってしまう。
迷惑に思ってもいいだろうに、は話し相手が出来て嬉しいと口にした。
まあ一人暮らしって会話とかないもんな・・・・

ふと気付けば時計は午前0時を回っていた。
やっべ、のんびり話してる場合じゃなかったな
亀梨は洗濯場から移動し、リビングへとと移動する。

人として会話が出来るうちに話しておかないとならない事があったんだった。

「俺達が猫になったのはまだ分かんないんだけど、コレ・・・も知ってるよね?」
「うん、確か小さい時におばあちゃんが言ってた気がする」
「どんな風に言ってた?」
「えっと・・私の耳飾りと同じ仕様の指輪と、後ネックレスがあってやっと意味を成す・・・とか」

が言うには、俺達の持ってる指輪とネックレスは
夕さんの家に先祖代々受け継がれてる物らしい。

今までは夕さんの娘、つまりの母親に赤西に預けた指輪を持たせていて
俺の受け取ったネックレスは、の父親が持ってた物らしいんだ。

理由は分かんないけど、が生まれたその日以降は夕さんの方に送り返されて来て
は施設に入れられ・・・夕さんは何故か俺と赤西にの両親が持っていた物を預けた。
その時に、俺達にも同じ台詞を言いながら。


”残りの耳飾りは私の大切な孫娘が持っているの、大切なのはそれらが意味を持つのは三つで一つと言う事よ?
開かれるべき扉は三つが一つにならないといけないの。
出来るならばこれらを大切にして守ってあげて?あの子は希望の星・・・最後の望みだから”


「・・・・希望の星・・か」
「え?」
「あ、その夕さんがコレを俺達に渡す時に言ってたんだ」
「おばあちゃんが・・・」
「俺達なら預けられるって、そう言ってた」
「でも、三つで意味を成すならどうして私に預けなかったんだろうね」
「うーん・・同じ人間が三つ持っても意味を成さない・・・とか?」

うーーーん
今度は二人して考え込んだ。

に聞かれるまで疑問に思ってなかったしなあ
言われてみれば気になるな・・・・・
どうして夕さんは他人の俺達に預けたんだろう。

調べようにも夕さんは亡くなってるし
何から調べればいいのかとかも分からねぇ〜
色の違う三つのアクセサリーのうち、二つを受け取った時点で俺達は関わる事を決定付けられた?

今更ながらにファミレスで頼んだ飲み物の代金払ってねぇわ←
朝になったら事務所に電話しとかないとだな。

「取り敢えず寝ようか、そろそろ1時になっちゃうし」
「そうだね、も夜更かしはよくないしな」
「今度の休みに服買いに行かない?うちには男物とかないから」
「けど代金」
「それは心配ないよ、私も立派に仕事してるし・・・おばあちゃんが・・お金・・・遺してくれたから」
「夕さんがの為に遺したお金だろ?俺らの為に使う事ねぇって」

の言葉で時計を見れば確かに1時を回っていた。
遺産まで使わせて服を買ってもらうのは流石に気が引けた。
俺の言葉に驚いてから、は有り難うと言ったけど人の為に使う方が喜ぶだろうから・・と

天然ぽいけど頑固な所もあるようです
新たな一面発見?

猫になってなければ手伝いとか出来たのに、と思う。
人に戻れたのが俺だけってのが気になるけど
このままだと猫にはならなさそうだよな?

にオヤスミを言ってから部屋に戻り
戻らないんであれば、色々調べ物が出来るかもと亀梨は思い
早いうちから開始しようと決めると、毛布を掛けて再び眠りに落ちた。


+++++++++++


チュンチュン

朝は来た、猫になってから二日目の朝。
早速起きてに調べ物をする許可を得るべく、亀梨は逸早く目を覚ました。

よーっしと話して色々と疑問も湧いたしその事も合わせて奴らとも話さないとだしな
と気合入れて起きた亀梨。
横で寝てる赤西を起こそうとして、くすぐってやりたくなり勿論やろうとした。

『えっ?マジかよーーーっ』

だがそれが出来なくなってた。
いや、そりゃ昨日猫になってたのは知ってるぜ?

でも確か夜中目が覚めた時、人間に戻れてただろ?
そのはずなのに今目が覚めたら猫に戻ってたんですけど・・・・・
何なんだコレ・・戻れたのって何だったんだ?

つーかぬか喜びとか切ない・・・・

「皆起きたー?・・・ってあれ?」
『あ、
「あれ?和也だよね?もしかして戻っちゃったの??」
『何か朝になったら戻っちゃってて』
「うーん・・猫語にも戻ってるねぇ」

しょもーんとしているとがやって来た。
案の定猫に戻ってた俺を見て驚いている。
まあ一番驚いてるのは俺ですけどね(

当然言葉も猫に戻ってるから会話にならない。
せめて筆談でも出来ればなあ;;
流石に猫が字を書いたらこえぇな・・・・

これでは買い物どころではない。
私もこの事態は予測出来なくて驚くしかなかった。

何か狼人間みたい・・
会話とかどうしよう?
そうだ、字は元々人だから読めるかもしれない。

思いついた事をサラサラッとデッサンノートに書いて
不思議そうに首を傾げてこっちを見てる和也へそれを見せた。
何その可愛い仕草っ←

「朝御飯、皆起きたらリビングに来てね」
『ああ・・ってこれ・・・そう言う事か』

が見せたのはYesとNoが書かれた物。
意図を理解した亀梨はペタッと前足をYesの方に当てる。
これなら有無も分かり易いって訳か、やるじゃん。

何かにツボったのかが俺を抱き上げると
最初聖にやっていたように頬ずりして行った。
やたらと照れるんですけど。

ボォーッとした顔でを見送った亀梨は、早速他のメンバーを起こす事にした。
一方では頬ずりしてからふと思う、昨夜人間に戻った姿の子に頬ずりしてしまったわ(