Hesitate



いつからか、俺の目には1人の姿しか映らなくなった。
いつの間にか、俺はその1人の姿を目で追っていた。
一秒毎に、あにひゃーが好きになって行った。

今まで普通に話せてたのに。
今まで普通に接してられたのに。

あにひゃーを意識するようになってから、その今までが全て駄目になっていた。
戸惑ったけど、もう後戻り出来ないくらいに気持ちが向いていて
あにひゃーの存在を無視出来なくなっていた。

俺だけが好きで、いなぐにしたいば思ってるだけなんかな。
確かめたい・・・出来るならばわんだけの物にしたい。
そんな気持ちは日々大きくなっていって、抑えは難しくなっている。

わんから告白して、付き合うようになって思ったんだけど・・・・
やっけー可愛すぎさー!!

変に強気で負けず嫌いなのに、わんの前だけでは素直さよ。
女の子って・・・華奢で柔らかくて、あんしイイ匂いばするさー・・・・・

「裕次郎?1人でニヤニヤして怖いよ?」

「わん、あんし幸せだな思ってたんさよ」

ふとそんな事を、キラキラした笑顔で言われてドキッとしてしまう。
裕次郎は時々恥ずかしい台詞を真面目に言うから困るのよ。
いやでも・・・・そんな所が好きなんだけどね?

あんまり真っ直ぐで汚れてないから、戸惑った。
彼の隣に立つのが、本当に私でいいのかなって。
でもそんな不安さえも、知らないうちに裕次郎が癒してくれる。

これからも、裕次郎にずっと好きでいてもらいたい。

「何度も聞くけど、どうして私を?というか・・・私でいいの?」
「当たり前さに、やー以外に誰がいるんさー」

言葉と一緒に向けられる笑顔。
この笑顔を守る為なら、私は頑張れる。

最近勉強してるうちなーぐぅち(沖縄弁)でちばるよと返す。
頑張るって意味、穏やかなイントネーションが好きで
裕次郎と同じ言葉を話したくて、学び始めたうちなーぐぅち。

ぎこちないうちなーぐぅちに、裕次郎もちばれよと言って髪を撫でてくれた。
大きな手に撫でられるのが気持ちよくて、目を瞑っていると
何やら翳りが出来た、不思議に思って目を開ければ裕次郎のドアップが。

「なっ何!?」

吃驚して仰け反りながら聞いた私に、やけに爽やかな顔でアッサリと言ってくれた。
伏せ目がちな、色気漂うその顔は反則ですよ。

「キス、したいんだけど」

それから、していい?なんて小首を傾げて言ってくる様は 可愛すぎ!!
どうせ断れないし、断ったとしてもされるだろうから・・・・・
裕次郎を見上げ、別にいいよ?と呟く。

呟くや否、すぐに裕次郎の顔が近づいて唇を塞がれた。
苦しくて唇を放すと、待ってましたとばかりに裕次郎の舌が入ってくる。

その舌は口内を巡り、歯列をなぞったり
巧みな動きで私の舌を絡め取って、軽く吸い上げた。

「ふ・・・んんっ、はぁ・・裕・・・次郎」
「そんな声出すなよ・・・やー、しんけん色っぽいぜ?」
「からかわないでよっ裕次郎のスケベ。」
「酷いさー、そんなちらしてわんを誘ってるのはやーだろ」
「誘ってなんかいないもん!大体裕次郎がしたいとか言うから・・・・んっ!?」

ポカポカと裕次郎の胸を叩いていたら
軽快に笑っていた裕次郎が、私の手を掴んで引き寄せて
騒ぐ口を塞ぐように、再び深くくちづけた。

中学生とは思えない巧みさに、目がチカチカする。
でも同時にドキドキして、心臓が破裂しそうだった。
私はこのドキドキが嫌いじゃない、寧ろ望んでる。

嬉しい戸惑い。
これからもどうか、一緒にいられますように。




終わり方が気にくいませんが、甲斐君夢もどき第3弾。
無性にキスさせたくて(変態)書いちまった。
凛ちゃんと甲斐君の書き分けが出来るようになりたい。
というか、皆さま拍手有り難うございます!!それが励みです!
比嘉中と甲斐君・凛ちゃんフィーバー中でして、他の夢が更新遅れてます;;
そのうち連載を始めてしまいそうな勢いですよ。
いつになるか分かりませんが、フィーバーしてるうちに書き始めなければ。
いなぐ「彼女」やっけー「やべぇ」あんし「凄く」しんけん「じゅんにと同じ意味でマジ」