初めまして
目の前には美青年、何か色気が漂ってる。
彼は赤西仁君、彼も生前のおばあちゃんと仕事をした事がある人。
和也も美青年だけど、仁君も負けてないわ・・・・
何故か私がキスしたら戻ったみたい。
言っちゃアレだけど・・・ベタよね・・・・
仁君もそう感じたのか、半笑いだ。
でもいつまでその姿でいれるのか分からないのよね。
和也も朝になったら戻ってた。
うーん・・・・
「取り敢えず・・・・・・シャワーとか浴びる?」
「でもいいんっすか?」
「構わないよ、サッパリしたいだろうし・・また猫に戻っちゃったら浴びれないでしょ?」
「それもそうっすね、じゃあ借ります」
「お風呂はこっち、案内するわ。」
とその前に出来た分だけあげておこう。
シャワーを勧めてからミニオムレツをチンチラ君へ差し出す。
猫舌になってるだろうと思い、温め温度は控えめにしておいた。
ミニオムレツを出された上田は、あまり熱くなさそうな感じを見て嬉しげに鳴く。
その様を微笑ましく眺め、残りの皆に少し待っててと言うと
赤西を伴い、キッチンからバスルームへ向かった。
案内された赤西は、猫のままの五人に勝ち誇ったような笑みを向けてからキッチンを去った。
その後には悔しげに唸る猫達が残される。
白い壁で統一された廊下の壁、上の方にはアンティーク仕様のランプが。
数枚の絵画も飾られていて、物凄く落ち着いた雰囲気だ。
廊下と表現していいのか分からないくらいに広さのある廊下。
其処を抜けると、急に空間が開けた。
なんつーの、よくテレビで見る金持ちの家にあるあのガラス張りの風呂場?
それがまさに目の前にありましたとさ。
透明な仕切りで隣には、亀梨も案内された洗濯室がある。
ついでにトイレも。
これに田口は入ったって訳か・・・・・
風呂場は俺がトップバッターだけど、これ改めて人として入るの恥ずかしくねぇ?
「ああ、トイレを使う時にお風呂に人がいる時は仕切りを使えるから安心してね」
「あ、そうなんだ」
そんな心情を読んだのか、少し笑みを含んだ口調でそう説明。
説明しながら示したのは気持ち程度に用意された仕切り。
よくファミレスにある陽光を遮る為に下げるアレね。
まあないよりはマシか。
意識をトイレからに戻すと、丁度使い方の説明を始めた所だった。
「温度調整はこのパネルで出来るから後は此処を捻るだけ」
「へぇー簡単な操作なんっすね」
「今時は皆これだと思うわよ?」
「確かに」
「ふふふ、じゃあタオルと着替えを用意するから私は行くね」
「あ、有り難うございます」
熱心に聞いてくれてる仁君に説明を終えて(だって操作は簡単)
着替えは兄さんに用意でもしてもらおうと思いついた私は浴室を出る
すると背中に何とも丁寧な感謝の言葉がかけられた。
何か意外な気がして仁君を眺める。
そう言えば歳は幾つなんだろう?
取り敢えず連絡しに行こう
危うく脱ぎ始めてしまいそうになったので急いでその場を出た。
流石に美青年の裸とか見たらいけない気がする・・・・
慣れてないし←
キッチンに戻るとチキンライスの代わりにお弁当サイズのサケを温め開始。
その間ケータイを取り出して兄さんの番号を呼び出す。
今日は水曜だからお店は休みで家にいるはずだ。
電話を掛け始めたに気付いた面々、興味津々な様子で傍に行く。
備え付けの椅子に座って電話をかけているの膝に前足を乗せた亀梨。
誰にかけてんの?と視線で問いかけるがには分からない。
が、可愛らしい仕草に口許を綻ばせた。
[もしもし?か?]
「兄さん、うん私よ」
[どうした?予約の電話か?]
「ううん、そうじゃなくてその・・・・服を六着貸して欲しいんだけど」
[え?俺の?またどうして男物なんか]
「事情は私の所に来てくれれば分かるから、ね、駄目?」
[あ〜・・・駄目じゃないよ、分かった少し待ってて]
有り難う、と言って電話を切る。
多少強引だったけど兄さんには”駄目?”が利く←
さて、兄さんが来る前に朝御飯食べてしまおう。
兄さんならきっと力になってくれるだろうし
そう信じる事で少しに余裕が出来る。
温まっていたサケを取り出し、次にミートボールに取り掛かる・・・が止めて
先に鯖の味噌煮をレンジへ入れた。
兄さんが来たら頼むつもりで。
サケを頼んだのはチャトラ君、程よく温まったサケを小皿に乗せて床に置いた。
気付いた中丸、電話の相手を気にしつつ空腹に負けて小皿へ向かう事に。
ミニオムレツを食べ終えた上田も兄さんとやらが気になっていた。
と言うかその場にいる猫五匹全員が気にしていたりする。
そうとは知らない、チキンライスとカニクリームコロッケを一緒に温める事にして小皿を探している。
兄さん・・と呼ぶくらいだから身内か?
今気になっても聞けねぇ〜
何故か悶々となる亀梨、同じく悶々としている風の四匹を見つめた。
あれ、四匹?
一匹足りないと感じた亀梨は周囲を見渡す。
亀梨が上田を探している頃、上田は風呂場に赤西を探しに行っていた。
男の影を知らせようかなと・・・・・あ、今の俺じゃ伝わらないや(今更
風呂場を探り当てた所で当たり前の事に気付いた。
「なーにしてんの」
『わっ』
「お前上田か、何、お前も風呂?」
『ちげーし』
戻るか、と思った瞬間。ふわっと体が浮き上がる。
同時に頭上から聞こえた気だるげな色気たっぷりの声、チラッと見たら赤西だった。
猫になってるとは言え、軽々と抱えられていい気はしない。
からかうような口調で洗ってやろうか?と聞いてくる赤西の胸を猫パンチで叩いて抵抗。
叩かれた赤西はちっともダメージを受けてはおらず
その様が可愛らしくて逆に頭を撫で回してやった。
お前にされても嬉しくないし的な動きで掻い潜ろうと試みたけど逃れらんね(
赤西に構われに来た訳じゃないんだけど・・・・・
取り敢えず第三者が来る事だけほのめかしてみた。
玄関の方を見てから一言、ニャーとだけ。
勿論それだけで分かるはずもない。
伝わってない様子で赤西はキッチンへ戻る。するとそれを見つけたに声を掛けられた。
「あ、仁君。悪いんだけどこのミートボール鍋で温めてくれないかな」
「別にいいっすよ?」
「そのシャツ小さくない?ごめんねシャツとトレーナーしかなくて」
「平気平気、コレの方が動きやすいし助かります」
「それなら良かった、もう少ししたら兄さんも来るし服も変えられると思う」
「・・・・兄さん?」
ベシッ。
示されたミートボールを鍋に移し、水を入れようとして気付いた。
これ使えなくないか?
戸惑う赤西に気付かないままは会話を続けている。
問い掛けも向けられた為答えを返し、初めて聞く名を聞いた。
問い返した赤西の脹脛を上田が前足で叩く。
気付いて見下ろせば、さっき知らせただろと言わんばかりのすました目をしていた。
って目線向けられても猫の言葉とか分かりませんからぁあ
兎に角このガムテープ剥がしていいっすか←
そうしない事にはミートボール温めらんねぇし。
赤西がそれをに確認しようとした時、玄関のインターフォンが鳴った。
思わず身構えた赤西を余所に、パッと顔を輝かせたは
いそいそと玄関へと向かった。
ちょ、隠れた方がよくねぇか?と焦る赤西。
その向こうでは、玄関のドアが開く音がした。
「来たけど、事情教えるんだろうな?」
「教えるわよ、取り敢えず見た方が早いから入って」
約束通り現れた兄さん。
私が言うのも何だけど、兄さんは結構モテる。
背も高いし、優しいし頼りになるし・・顔の造りも整ってるから。
血は繋がってないけど私にとっては兄さんは兄さんだ。
兄さんが持って来た紙袋を覗くと、結構な種類の服が詰め込まれている。
センスも抜群だから頼んで正解だったかも。
兄さんを連れて、皆のいるキッチン&リビングへ。
最初に鉢合わせたのは偶々人間に戻っていた赤西。
「あ」
「えぇっ!?君、もしかして・・KAT-TUNの?」
「あー・・えっと、そうみたい、です」
「そうみたいじゃなくてそうでしょ」
「さんが突っ込むんだ?」
「取り敢えず自己紹介、俺は 。コイツの兄みたいなモン」
「俺はもう知ってると思いますけど、KAT-TUNの赤西仁っす」
宜しく、と微笑んだその人。
姓は違うみたいだけど兄貴みたいに親しいって事か?
二度目の初めましてを済ませ、少し探るように赤西はを見やった。