パステルカラー2
障子を開いたと同時に正面から投げられた声
主を探さずともふっかだと分かった。
何だか一気に緊張して来た!
「遅れてごめん」
「ちゃんと来れて良かったよ」(阿部
「悪い、待たせた?」(岩本
「いや実はそんな待ってない(笑)」(ふっか
「主役おーい(笑)」(さっくん
謝ってしまったの背を照が優しく押し
室内に入るよう促すと、照達も続く。
集まったメンバーはめめラウ以外。
彼ら2人は少し遅れるそうだ。
と言っても17時半までは少し早い。
Snow Man結成8周年と深澤の誕生日
それをダブルで祝う為、実は今夜は泊まりだ
今居るお店の2階からが旅館になっている。
なので未成年のラウが多少遅れても大丈夫
上座には主役の深澤がセンターに座り
両脇右に佐久間、左に舘様。
舘様の隣に照が座り、佐久間の隣には渡辺が座る。
下座右から阿部ちゃん、康二。
更に目黒、ラウール、最後にが座る。
取り敢えずめめラウを待ちながら寛ぐ8人
それから数十分後に全員が集結した。
予定より10分遅れて食事会がスタート。
「先ずは、ふっか誕生日おめでとう!」(岩本
「おめでとうオメデトウ!!」(全員
「皆ありがとな〜!すげぇ嬉しいわ表情ほっ」(ふっか
全員のコップに飲み物が注がれ、照の言葉に合わせて乾杯をする。
Snow Manも8歳おめでとう!と合わせて祝杯を上げるメンバー達。
新旧関係なく『Snow Man』結成を祝った。
オリジナルも追加も関係ない。
『今』を共に過ごす以上は家族の一員。
10人でSnow Manなんだから、と。
何だか胸が熱くなった追加メンバー。
それぞれが人生の重要な決断をし
本来居た場所から、全てを賭けて加入してくれたのだ。
対するオリジナルメンバーも追加メンバーを迎える事を決断した。
その結果、離れるファンも居たし悩んだ。
1人ではグループは守れない。
それぞれが人生を賭けたSnow Manを1人1人が守って行く
その為に俺達は10人でやって行くと決めた。
形は変われどSnow ManはSnow Manだ。
そんな決意が、深澤の言葉から伝わった。
「祝いの席でしんみりさせんなよ〜」(阿部
「あれ(笑)」(ふっか
「目黒男泣きか!康二も(笑)」(岩本
「ふっかさん最高っす!」(康二
追加メンバー2人は男泣き。
苦笑はしたが嬉しそうに照が2人を見つめる
ラウールは健気に涙を我慢していた。
はそんなラウールを左側から抱き締める
3人の辛さも決意も全員が理解してるからこそ、彼らの結束は強くなった。
男だけの世界に飛び込んだとて同じだ
凄く怖かったし辛い事も沢山あった。
でも私が泣くのは違うような気がして、ラウールを抱き締めるだけに留めた。
「ほら皆、涙はここまでだよ」
「そうだぞお前ら、しんみりさせてごめんな(笑)」(ふっか
でもこの場で言いたかったんだ、と
皆に声をかけながら深澤は言葉を結んだ。
それからプレゼントを渡す流れになる。
1人1人がプレゼントを選び、用意していた。
9人中5人は洋服や小物を贈り
目黒とラウール、康二らは3人で1つの物を。
神社で買った、誕生日の石が付いた数珠。
5日の誕生日石はターコイズとの事。
5月はエメラルドだが、365日別に誕生日石がある。
深澤の場合は誕生月の石がエメラルド
誕生日の石はターコイズとなる。
そしていよいよがプレゼントを渡す番に
一応プレゼント被りは無く、被る心配は無くなった。
ただ喜んでくれるのかが分からなくてね・・・
「最後はからか、楽しみだな」
「・・・あう、あ・・・えと」
「うん?どした、え、緊張してる?」
「なんか緊張ヤバい」
「慌てなくていいぞ?大丈夫だから」
「はぁ、ふう・・・よし」
なんか無駄に緊張してしまい上手く話せない
訝しんだふっかが心配そうに問うてくれる
その声の優しさに泣きそうになった。
今他の皆は若干心配そうに私を見ている。
ステージでもこんな緊張した事ないのにな?
早く落ち着かなきゃと焦るに気付き
センターから立ち上がった深澤
スタスタとの横に行き、傍に膝を折る。
そのまま隣での背中をさすり
大丈夫だぞ、と声を掛けてくれた。
そのお陰で呼吸が落ち着き、漸く私は言えた
「ふっか、28歳おめでとう。これからもSnow Manの家族として宜しくお願いします!」
祝いの言葉と一緒に、プレゼントを差し出す
つい1時間前に照やさっくんと買いに行った、パステルカラーのスニーカー。
私は似合うと思って選んだけど、本人が気に入ってくれなきゃ意味が無い。
どんな反応をくれるのか、また緊張してきた
固唾を呑んで見守ると興味津々な7人。
照と佐久間は中身を知ってる為、深澤の反応を見守っていた。
「何かな、箱が入ってる!」(ふっか
「見りゃ分かるわ(笑)」(翔太
「相変わらずのワードチョイス(笑)」(目黒
「靴かな、箱の感じからして」(阿部
「阿部ちゃん鋭い!」(さっくん
ふっかは私の隣でプレゼントを開封。
近くのラウールと舘様が身を乗り出し
他の皆も身を乗り出して中身に注目している
全員の視線が注がれる中、深澤は箱を開けた
現れるパステルカラーのスニーカー。
それを目にした7人が一斉に沸く。
「かわいい!!」(全員
一斉に出た皆の感想にも笑顔になる。
深澤も明らかに表情がふわりと和らぎ
スニーカーを取り出すと、間近でふにゃっと笑った。
「やべぇありがとう!これすっごく可愛い!!ちゃんとメンカラだわ」(ふっか
「ふっか良いなぁ〜!」(さっくん
「僕もパステルカラーのスニーカー欲しい!」(ラウール
「俺も欲しいな、からのプレゼント」(目黒
「ラウは来月で蓮は来年だね」
間近で柔らかく笑むのは狡いわ〜・・・
照れてしまいそうになり、声を発した蓮とラウールの方を見て話す。
そのを眺めた照と佐久間。
ふむ、これは・・・一肌脱ぐべきか?
と照は佐久間と目配せし合った。
食事会はプレゼント渡しも終え、終盤になり
ある程度食べ終えればお開きになる。
その前にと康二が写真を撮ろうと提案した。
「皆ふっかさんを囲む感じで!」(康二
「ハイハイ」(翔太
「舘は左側で照兄がその隣!」(康二
「おっけー」(舘さま
「張り切ってんなぁ康二(笑)」(岩本
康二カメラマンの指示で10人がわちゃわちゃ
主役のふっかを真ん中に、その周りを9人で囲む。
はいチーズ、と康二が合図。
写真は2枚か3枚くらいを撮った。
は皆を気にしつつ、タイミングを伺う。
実はまだ渡すものがあるのだ。
ショッピングモールを出る際最後に買った物
これは1つしかないからふっかだけに渡したい
写真を撮った後は食休みをするメンバーや
まだ食べてるメンバーとに分かれる。
雑談に花を咲かせるメンバーもいた。
それも次第に減り、気づくと寝息が・・・
ラウールはスヤスヤ寝込み、私に凭れている
目黒や康二も少し眠そうだ。
宮舘と渡辺、阿部は先に風呂に立ち、不在。
深澤もセンター席に戻り、テレビを見ている
「ちょっとラウールと目黒連れてくわ」(岩本
「あ、うん・・・私も手伝おうか?」
「俺が手伝うからは此処に居な〜」(さっくん
「もしかしたら風呂組が寄るかもしんないから頼む」(岩本
「そういう事なら任された手」
「ふっかもちょっと宜しく」(岩本
「はいはい」(ふっか
立ち上がった照がラウールに肩を貸し
目黒の肩を叩きながらへ言う。
さすがに照1人じゃ大変だと感じ立ち上がろうとしたが
右側から現れた佐久間に肩を押されて制される。
佐久間だと目黒は運べないような?
と心配になるも、辛うじて起きた目黒。
ぼんやりした顔の目黒と佐久間で
寝入りそうだった康二を立たせて両側から支えた。
それを合図に照が深澤へ席を外すと伝える
テレビから視線を照達に向け、応える深澤。
任せた、と言い残し照達は座敷を去って行く
・・・・・・いきなり2人きりですか?
ハードル高ぇな(さん?)
いや、でもこれは渡すチャンスでは!?
ピンチもチャンスに変えよう!
という訳で、は自分の鞄を手に取り
入れたままにしといた物を手に掴む。
まあその、デザート?いや、甘味ね!
最早誰に説明してるのか分からなくなったが
テレビなうの深澤を見つつ、手にした物を出して横顔に声を掛ける。
「あの、ふっか」
「うん?」
声を掛けたら意外とすぐこっちを向いた。
横顔からの振り向きの破壊力たるや・・・
意識たもすのが大変ですね?
先ず風呂組が戻る前にと勇気を出す
自分の席から深澤の横へ移動し、手にしていた物を差し出す。
「実はこれも渡したくて買っといたの」
「これ柏餅?」
「うん、ほら今日ってこどもの日だし」
「あ〜そういやそうだね、ありがとう!」
意図を理解するまでは不思議そうだったが
理由を説明した途端、ふにゃっと笑う。
「食事会の前に渡したかったけど今になっちゃった(笑)」
「全然良いよ、大丈夫」
「28歳のふっかにこどもの日の柏餅渡すのも変かな思ったけど似合うかなって」
「え〜それ俺が子供っぽいって事?(笑)」
貰った瞬間その場で柏餅の蓋を開ける深澤
どうやら食べてくれるっぽい。
嬉しいな、てか、胃袋大丈夫かな?
「そうじゃなくて、何か子供と一緒に食べてるふっかが容易に想像出来ちゃうなって」
違和感なく想像出来たよ、と口にしてた。
何言ってんだ私(笑)
思わず自主ツッコミしてしまった。
が、ふっかには笑い飛ばされず
意外にもこの話にノッてきた。
「あ〜、今日も何かそれっぽいよな」
「うん・・・?」
「アイツらが俺の子供で、騒ぐだけ騒いで寝ちゃうのよ(笑)」
「確かにぽいね!いわふか夫妻の子供達」
だからも話を合わせてみる。
ファンの間では1番支持されてる呼び方だ。
いわふか夫妻の息子が私達でラウが末っ子
ふっかもそういう意味合いで言ったのだと
だがふっかから何故か視線を送られる。