パステルカラー
5月5日、今日は1年で1番大事な日だ。
Snow Manを支え、見守り続ける最年長・・・
深澤辰哉の生まれた日。
今日の仕事が終わった後、メンバーで祝う予定だ。
阿部ちゃんが主催で、先ずは食事に行く。
元々Snow Manは月イチで食事に行く仲だ。
前回から間は空いたし、久しぶりの食事会を
ふっかの誕生日にやるってのは中々粋な計らいだよね。
因みに私は皆より早く仕事が終わる。
なので同じく仕事が早く終わるメンバーを誘い
ふっかに贈るプレゼントを買いに行く
「お待たせ照、さっくん」
控え室を退出し、ふっかにバレないよう
自然な振る舞いで先に出ていたメンバーと合流。
声を掛けた先で照と佐久間が手を上げる。
2人も取材が早く終わったメンバーだ。
「ふっかには気付かれてないな?」
「もち!」
「よっしゃ、行くでやんす!」
2人の傍に行くと慎重な照に念を押される。
まあ本人も今日が誕生日ってのは知ってるだろうし
コソコソする必要も無いんだけどね。
やっぱサプライズで渡したいじゃない?
取り敢えず事務所を出た達。
照の運転で向かうのは都内のショッピングモール。
の中で買いたいもののイメージがあり
それを照と佐久間に話したらついてきてくれる事になったという訳だ。
場所を教えてくれるだけで良かったんだが
バスとかで行くと話したら照が乗せて行くと
「本当に場所教えてくれるだけで良かったのになぁ」
何回目になるか分からない台詞を口にする私
複数で行ったら間違いなく目立つ。
だから場所教えてくれるだけで事足りたのに
「お前だけだと迷子になるだろ」(岩本
「それに雪うさぎみたいだから目立つし?」(さっくん
ふむ、確かに?
目は悪いし・・・この外見は目を惹く。
白銀の髪は一応ハンチング帽子の中にしまい込み
赤紫の目にはサングラス。
仕事中はコンタクトだが、普段は眼鏡だ。
私に合わせて取り寄せるとコンタクトは高額
だからなるべく眼鏡で過ごすようにしてる。
まあ、2人はそんな私に気を遣ってくれたんだろう。
「雪うさぎとか初めて言われたよ(笑)」
気遣いが嬉しくて自然と笑みが浮かぶ。
この外見を今まで好意的に見てくれたのは自分の両親以来だったからさ。
「プレゼント決まってんだっけ?」(岩本
「あ、うん3Fにあるから行こう」
笑みを浮かべたの頭を照は無言で撫で
話を変えるように店内の案内板を眺める。
が言った階にあるのは靴と小物。
「じゃあ向かおうぜ」(さっくん
「だな」(岩本
場所を確認するや、佐久間と照は移動開始。
何だか急いでるような感じを2人から受ける
食事会は夜だし、まだ時間も余裕がある。
他に予定でもあるのだろうか?
もし予定があるなら2人に申し訳ない。
○○も2人を追いながら店内を眺める。
変装なしでこういう場に来てみたかったなとは思うけど叶わぬ夢だ。
「?どした」
ぼんやりしていたら照に呼ばれる。
優しい声で呼ばれたから凝視してしまった。
3Fに到着し、エスカレーターを降りて
私を呼んだ照と佐久間の方へ歩み寄りながら
「ううん、行こうか」
「疲れたとかならすぐ言えよ?」(岩本
「そうだぞ、無理は禁物だからね!」(さっくん
「ありがとう、2人とも」
長身の照と少し目線が近い佐久間を交互に見やり、行こうよと腕を引く。
変に目立たないよう一所に留まらず、すぐ目的のコーナーへ急いだ。
私が買おうとしてるのはスニーカーです
パステルカラーの明るい紫色を買うつもりだ
本人は白か黒が良いとか言いそうだけど。
私的にふっかはパステルカラーも似合うと思う。
てな事を考えながらシューズコーナーに向かう、店内はそれなりに人が行き交っていた。
でも幸いまだ気付かれてはいない。
「あ!あったあった」
目立たないようにしていたが目当てのスニーカーが売れずに在ったのを見てつい声を張ってしまった。
良かったぁ、と感極まって駆け出そうとしたのを半笑いの照に口を塞がれる。
「ちょっと落ち着け」(岩本
「ほへん(ごめん)」
「は可愛いなぁ(笑)」(さっくん
「ぷは〜」
そんな○○をケタケタ笑い、からかう佐久間
照の大きな手も離れ、遮断されてた空気を吸い込む。
少しだけ行き交う人らから視線を向けられたが、バレずに済んだ。
危ない危ない・・・目的を果たす前に騒ぎになるとこだった。
改めて目的のスニーカーを手に取る。
足のサイズは照や佐久間に確認済みだ。
気に入ってくれるかなぁ・・・?
生地?部分と靴裏が紫で、紐とつま先?
輪郭部分は白、くるぶし部分には雪だるま柄
靴紐にも紫の糸で雪だるまが縫われている。
「ちょっとガーリーかなぁ」
「えー俺は可愛くて良いと思うけどな」(さっくん
「佐久間が履きたそうじゃん(笑)」(岩本
「ピンクがあったら履きたいかも?」(さっくん
「え、それじゃあふっかとお揃い?」(岩本
「待て(笑)そしたら特別感が無くなるでしょ!」
あ('ω')
しぃん・・・と一瞬2人が時を止めた。
つい口から出てしまった私の思惑!
「ちが、別に変な意味はないよ!?」
「ふーん?特別感ねえ」(岩本
「そうでやんすかぁなるほど」(さっくん
途端にニヤニヤ顔に変わる2人。
くっそぅ・・・!こんなはずでは・・・!
それにメンバー同士の恋愛はご法度だ。
仮にそういう意味を込めたとしても叶わない
「兎に角買って来る!」
一瞬だけ目を伏せ、それから気持ちを切り替えてニヤニヤ顔の2人に短く告げ
シューズコーナーのレジへ急いだ。
「、知らないみたいだな」(岩本
「だなぁ・・・教えちゃう?」(さっくん
「どうせならふっかに教えとくか」(岩本
「さすが照、ナイスアイデアでやんすね」(さっくん
「だろぉ」(岩本
が居ない間、画策される企み。
素早くiPhoneを取り出し、照はLINEトークへ打ち込んだ。
そうとは知らない、プレゼント用に梱包して貰いながら会計を済ましている。
特別感って言葉は、深い意味なんて無い。
確かに深い意味なんて無いさ・・・
・・・私が贈ったスニーカーは1足だけで良い
これはふっかにだけ使って欲しい、とかは思ったけどね?
そう思う時点で意識してしまってるのかな?
いや、ダメダメ!メンバー内の恋愛はご法度
ただでさえやっかみを浴びやすいんだから浮ついちゃダメね。
と、会計を終えながら気を引き締める。
もし、伝える時が来るなら
それは私がSnow Manを抜ける時だろう・・・
「買って来たよ!そろそろお店向かう?」
「(腕時計を確認)だな、そうするか」
「了解でやんす!」
今は16時35分、食事会の店の予約は17時半
これから向かえば丁度いいだろう。
てな訳でショッピングモール内を出口へ向かう3人。
来た時と同じようにエスカレーターに乗り駐車場がある1Fへ下る。
顔バレする事なく1Fに到達、そこは食品売り場があり 良い匂いがそこかしらから漂う。
「あ〜美味そう」
「これから食事会だろ(笑)」
「・・・・・・あ、ちょっと待ってて」
「〜?」
人を縫うように前へ歩いていた3人だが、空腹になった佐久間は何度か立ち止まりそう
その度に照が佐久間をせっつき急がせる
だが佐久間に気を取られていた照は、最後尾に居たが引き返した事に反応が遅れる。
辛うじて佐久間が引き返したを見た。
手に何か持ってたような?しかし手元は良く見えなかった。
1人にはさせられず、すぐ追いかけると無事会計を済ましたが戻って来た。
「どした急に、1人で彷徨くのはダメだろ?」(岩本
「ごめん照、追加で買いたいものがあったからつい」
「ほーん?」(さっくん
「ちゃんと買えたんだな?」(岩本
何だかんだ迎えに来てくれた2人に感謝し
漸く達は予約した店へ車で向かった。
45分後。
何とかアクシデントもなく到着出来た。
いや、ホント照は運転が上手いわ〜
「運転ホントにありがとう照」
「おう、まあ無事買えて良かったな」
「俺には何か無いの!?」
「佐久間はただ付いてきただけじゃん(笑)」
「さっくん色んな話をありがとう!」
「どういたしまして〜」
駐車場に車を停めた照へお礼を伝えると
何故か佐久間も何か無いの!?と食いつく。
その佐久間にもは感謝を伝える。
実際車中ではたえず佐久間が話題を提供し
そのお陰であっという間に店に到着したのだ
に感謝された佐久間は照れ臭そうに笑い
足取り軽く先に店の中へ入って行く。
「予約は誰の名前でしてあるのかな」
「んー・・・多分俺かふっかの名前かも」
となると、今入ってった佐久間は予約名を知らずに行った訳だ?
取り敢えずiPhoneを出し、予約を任された相手に電話をかけてみた。
「阿部ちゃん今どこ?」
『ああちゃん、もう中に居るよ』
「そうなのね?予約名は阿部ちゃん?」
『そう、俺だよ』
「分かったありがとう!」
が確認する横で会話の流れから、予約名が阿部だと察した照が先に歩き出す
恐らく戸惑ってるだろう佐久間に教えに行ったのだろう。
通話を終えたも遅れて店へ入った。
受付に居た2人に追い付き、結局が予約名を伝え皆が待つ座敷へ案内された。
案内してくれた店員さんにお礼を言い、履物を揃え障子で仕切られた座敷に入る
「お前らやっと来たな?」