爆弾発言
「・・重い」
と静かな室内に響いた声。
読んでいた雑誌を横に置いて呟いたのは私。
何が重いのかと言うと、それは私の膝の上にいた。
勝手に人の膝を使って昼寝を堪能している。
茶色のふわふわした髪が膝にあり
スヤスヤと寝ております、はい。
それは誰かと言いますと・・・・・私の大切な人であります。
赤銅の頭である彼、緒方大和。
付き合う事になった経緯は後回しにしておいて欲しいかも。
寝顔は無防備だなぁ・・・黙ってればカッコイイのに。
いや、喋っててもカッコイイですけど。
頭なんてしてるから怖そうだと思うでしょうが、実は仲間思いの優しい人。
結構無茶してるとか。
それと、結構抱え込んでる物が多いとか。
全部廉君から聞きましたbb
彼は大和と並ぶもう一人の頭の人。
けど今は和解して、頭の座は大和が引き継いでる。
まあそれは兎も角。
テレビ見たいーーー!!あたしはスケートが見たいんだっ!
休みの日だから、まったりと大和の家で過ごしてたのはいいんだけど
大和はK1見てて私は雑誌読んでたのよ。
数分くらいした時かな、いきなり膝枕しろとか言ってきて拒否権もなくこの通り。
悔しいからじっくり見てやろう。
寝てるだろうし、髪の毛触っても平気だよね?
自分に確認してから、ふわふわした髪の毛を撫でてみる。
男の子のくせに何ですかこの触り心地のいい髪。
ヤバイ、ドキドキして髪の毛しか触れないわっ!(
後は何処を触ろうとしたんだ
諦めて寝顔を眺める。
長い睫毛・・柔らかそうな唇。
意志の強い目は、今は閉じられてた。
結構モテてる大和、私のいる桃女からの人気も高い。
そんな大和が、私だけの物になった。
こんな近くで見れる寝顔、凄く綺麗。
ずる過ぎる
私の心を捉えて離してくれない。
ふと寝ていた大和は眼を開けた。
実は少し前から起きてたりする。
躊躇いがちに俺の髪を撫でた手。
見られてるのも分かってた。
敢えて起きなかったのは、ちょっとした悪戯心。
けど起きてしまったのは・・・・
アイツの雰囲気が変わったからだ。
スッと手を伸ばしてその頬に触れる。
目を開けてみた顔は、少し泣きそうだった。
だから安心させたくて微笑みを浮かべる。
「何泣きそうな顔してんだよ」
「そんな事ないもん」
「強がりめ」
「チャンネル変えさせてよっ」
「はいはい」
寝てると思ってたのに、いきなり大和の目が開いたから内心凄く恥ずかしかった。
意志の強い目が私を捉える。
図星を突かれたから思わず話を変えたけど
頬に触れる手が大きくて、嬉しくて、愛しかった。
頭を起こした大和から、リモコンを受け取ってスケートの番組に変える。
変えた時は、丁度ペアの演技だった。
氷上で華麗な演技が披露される。
私の横で見てた大和が、ふと凄い事を口にした。
「ペアスケートってエロイよな」
「!?な、何でっ!って言うか廉君みたいな事言わないでよ」
「だってさ、何か氷の上でSEXしてるみてぇじゃん」
「んなっ!!!!!!!!!!大和のエッチーーーーーーーーーー!!!!!」
もうその後は散々だった。
けど私の心臓は、飛び出す寸前。
悔しいけどドキドキさせられっぱなしでした。