蒼き日々 5 5/26作成
一方袖から見守る中にはSnow Manの姿も。
彼らもの衣装の違いに気付いていた。
💙「ヤバっ・・・身体能力エグ!」
💛「何その言い回し、翔太ん中で流行ってんの?(笑)」
💗「でもマジヤバくない?」
💛「まあな、あの速さで立て直すには体幹がしっかりしてるのと
バランス感覚良くないと難しい」
だよな、と岩本の返しに頷く5人。
直前で衣装が変わったのも驚いたが・・・ヤケに斬新なデザインだなとは思った。
後は反対側の舞台袖で見ていた2人組と
後から現れた目黒が厳しい眼差しで話していたのも気になったSnow Man。
舞台では繋ぎの為にバレエを踊る。
💚「・・・ねぇ照」
💛「ん?」
💚「さん、何か・・・顔顰めてない?」
💛「え?・・・」
ジッと見た時、僅かな違和感を阿部は感じ
自分の後ろに居た岩本を呼ぶ。
感じた違和感を岩本に話すと
怪訝そうにを眺めてみた岩本。
見た感じステップにも問題は無さそう
さっきは転倒していたが、支障は・・・
無さそう、と思う前に岩本も気づいた。
確かに阿部の言うように時折だが眉間に皺が
何かを我慢するみたいに表情が歪む。
その顔はお客さんから見えない位置に来た時だけ見せていた。
💚「・・・さっきの転倒かな」
💛「んー・・・取り敢えず救急箱用意しとこ」
気にはなるが、自分達は出番を控えている。
アンダーのJrか出番の無い誰かに頼むしかない。
それだけを阿部に返し、袖から見守った。
暗転の中、スポットライトを浴びて舞う
時折見せる辛そうな表情は、却って観客を惹き付けた。
憂いの中に見える微かな苦悶。
強かさと弱さを感じさせる繊細な表現力・・・
暫し皆、が生み出す世界観に浸った。
――パチパチパチパチ
単なる幕間を繋ぐバレエにも関わらず
客席からは割れんばかりの喝采が贈られた。
一回転して丁寧に一礼し、拍手に応える
姿勢正しく袖に戻る足取りはまだしっかりしている・・・が
一方裏に入った瞬間傾いた。
💛「――っぶね!」
💚「さんしっかり・・・!」
🐇「・・・あ、岩本さん阿部さん・・・」
💛「大丈夫か?」
💚「照、腹筋太鼓の前に滝沢くんが口上するからさん医務室連れてげる?」
🐇「そ、それは申し訳ないです・・・」
💛「4分か、よし行ってくる」
ふらついた体はしっかり岩本が受け止めた。
全身全霊を込めたバレエを踊りきった
疲れ果て目を開けたら、まさかの人が目の前に居て吃驚。
顔色も悪いが、体が強ばってるに
言われるが早く、阿部に頷いた岩本はを抱え上げて駆け足。
狭い通路はを抱え込むようにして人と擦れ違い1分ちょいで医務室に到着。
抱えたまま中に入る岩本を医師が出迎えた。
時間が迫る中ゆっくり診察台にを下ろす
💛「ごめんな、吃驚しただろ」
🐇「は、はい・・・」
💛「阿部がお前の様子が変だとか言ってたからさ
気を付けて見てたらぶっ倒れて俺が吃驚したわ(笑)」
苦笑しつつ、医師に診察を頼む岩本。
明るい場所で改めてを見たが顔色が悪い
しかも、トゥシューズに鮮血が滲んでいた。
瞬間岩本から笑みが消える。
血に気付いたも医師も驚き、履いていたトゥシューズを慎重に脱ぐと・・・
💛「・・・お前、この足で踊ってたの?」
🐇「そうみたいですね?」
え、ヤバっ!by岩本
トゥシューズを脱いだの足は血塗れ。
何かの破片がトゥシューズに入り
踊ってるうちに足の皮膚に刺さっていた。
舞台に穴を開けてなるかってそればかり考えてたから
痛みなんてあまり気にしてなかった
痛めた足で踊りきり、観客を魅了した。
つくづく末恐ろしいと岩本は感じた。
もし万全だったらあれ以上に客を食ってただろう。
💛「よく頑張ったよお前、マジヤバいわ」
🐇「岩本さんありがとうございました;」
💛「気にすんな、じゃあ俺行くけど安静にな?また後で寄る!」
🐇「あ、はいっ、阿部さんにもありがとうとお伝え下さい!」
感情に任せの頭をわしゃわしゃ撫で
踵を返すと、阿部への伝言を受けた合図に
前を見たまま片手を振り、駆けて行った。
この後の演目も大成功に終わり
1日全ての演目を滞りなく終わらせれた。
カーテンコール的な挨拶にはも参加。
足を負傷したを両サイドの岩本と深澤がサポートし挨拶する事が出来た。
代役なのにその代役が負傷とか笑えない・・・
悔しくて堪らなかったは控え室で1人泣いてしまった。
間違いなく代役から外されるだろう・・・
しかし、控え室に現れた滝沢からは
思わぬ言葉が掛けられた。
滝「事情は岩本や目黒から聞いたよ」
相談しなかった事は怒られたが
にはこのまま代役を務めてもらう
そう滝沢から告げられたのだ。
これ以降、ヒソヒソ話も好奇の目も無くなり
嫌がらせもピタリと止んだ。
数日間だけ負傷を治すべく見学だったが
わざわざ私が観てる席を目黒くんや
Snow Manさん、滝沢さんに三宅さんが通ったり
視線をくれたりと気にかけて下さった。
お丸さんやストーリーテラーの岩本さんに弄られたりもした。
滝沢歌舞伎の代役を引き受けなかったら
代役に選ばれてなければ
負傷した時外されてたら
今の私は居なかっただろう・・・
関わった全ての人に感謝だ。
2020年を迎えた今思うのは
蓮が出てた『いにしえ』観たかったな~
負傷した日は初舞台でそれ所じゃなかったし
怪我を治す為に数日間自宅療養だったから
歌舞伎そのものを観に行けなかったのよ・・・
後は、私に嫌がらせしたあの2人組のその後
彼らはね、千穐楽の日にちゃんと謝りに来てくれたんだよ。
私の頑張りとかも認めてくれたんだ。
だから、私は2人を赦した。
まだ幾らでも反省してやり直せるからさ
彼らも彼らで、ジャニーズの世界で生きると決めて来たんだろうし
今回の事は水に流してこれからは正々堂々頑張ろうって言っといた。
💚「ようじ屋とかさ」
💛「あ~あぶらとり紙とかの?」
それに、あの怪我があったから皆との縁が出来たようなものだし?
逆に負けてらんないって思うきっかけにもなった。
その点では2人組に感謝してるかも(笑)
私の心に火を付けてくれてありがとうってね
🖤「?移動すっぞ~」
🐇「はいよ!」
🖤「てか、思い出話今話すと笑えるよな」
🐇「笑える部分あったっけ?」
🖤「あったって!」
以外の4人が行き先を決めたらしく
わざわざ蓮が私に教えに来た。
あの千穐楽の日かな、名前で呼ぶようになったのは。
まさか2人組が嫌がらせの犯人だと見つけ出したのが蓮だったとはね・・・
2017年で1番吃驚した気がする(笑)
その目黒が笑える話があると言い出した。
だがはそれが何だったのかは覚えてない
私が忘れてる事に半ばムキになりながら
蓮はその笑える話を口にした。
🖤「マジ笑えるから聞けよ」
🐇「しょーがない歩きながら聞こうか」
🖤「千穐楽の日にがさ、言ったんだよ」
🐇「うん」
🖤「『いしにえ観たかった!』って」
🐇「・・・いしにえ何それww」
🖤「俺の演目だよ『いにしえ』(笑)」
( ゚∀゚)・∵ブハッ
🐇「笑える話ってか、言い間違えじゃん!w」
🖤「今話しても笑えっけど俺(笑)」
🐇「笑えたけどそれただ私の恥ずかしい話が広まるだけだからね?」
後阿部ちゃん、ようじ屋じゃないよ?
(*'▽')正しくは、よーじやって書くんだよ!
そのよーじやに向かいながら笑い話を聞く私。
てか笑える話って私の言い間違いかよ(笑)
何かそういう所も蓮らしいね。
2年前から全然変わらないや
そうやって変わらない蓮が居たから私も私らしく居れたのかな?
と思ったら急に言いたくなった。
🐇「ありがとね!」
🖤「どした急に(笑)」
🐇「2年前も今も、何かありがとう(笑)」
🖤「も相変わらず変なやつ」
🐇「ねぇ蓮・・・私、あの頃から変わってないよね?」
なにが?と首を傾げる184cmのFINEBOY
聞くのは恥ずかしいが、もう1回だけ・・・
蓮の口から言って欲しくなったんだ。
あの日私を支えてくれた言葉を。
🐇「好きな事を好きって言えてるかな・・・」
前を歩く照達の背を見ながら呟いた言葉。
スッと地面に吸い込まれる前にあの日と同じように拾い上げられた。
🖤「・・だから今もこの世界に居るんだろ?」
🐇「うん、そうだったわ」
🖤「心配しなくてもは2年前から変わってねーよ(笑)」
🐇「ホント?蓮が言うなら間違いないね!」
🖤「てか、わざわざ俺に言って欲しかったとか・・・お前変わってるな?」
相変わらず蓮も2年前のままだよ。
シティーボーイでモテモテなのに鈍い。
私の心をいとも簡単に救い上げた目黒蓮。
なのに鈍感だ、悔しいから言ってやらない。
蓮がくれた言葉そのものが、指針になり
ブレそうになる度に支えてくれてる事。
これ内緒ね内緒、言ったら絶対マウント取って来るから(笑)
2年経ってるけどまだ言ってやらないもんね
照達にもまだ言わない、皆の存在や言葉に2年前から助けられてるって事。
皆とまだまだ一緒に居たい。
私の蒼き日々はまだ始まったばかりだから
『蒼き日々』Fin
5月27日作成