蒼き日々 2 5/26作成
早速飛び交う座長と三宅からの質問。
というか目黒くんも朝方まで寝ずに練習したんだ・・・
同じくらいこの話に賭けてるんだね
そしてそれを聞いた2人から早速提案が来た
滝「ちょっと通してみよう」
三「2人も一緒に入ってみて」
滝「入れる部分だけでも良いから」
こんな感じ、っていう流れを掴んで欲しい。
そう2人は私達に課題を出した。
断るまでもなく、はいと答えたら
滝沢の号令でSnow ManとJr達が集まった。
集まった全員にオープニングから通すと説明
皆真剣な眼差しで頷き、各々の立ち位置へ。
私は参加しないオープニングだが彼らに混ざり端の方に立たせて貰った。
全員が立ち位置につくと、通し稽古を開始。
オープニングにはバレリーナも居るが
が代役になる女性は元々出番が無かったのでそこのカバーは必要が無い。
春の踊りの後の『いにしえ』から目黒が参加
朝方まで寝ずに叩き込みましたと言った言葉通り、
参加前夜にオファーが来たとは思わせない見事なダンスを彼は見せた。
これにはSnow ManやJrも吃驚。
勿論滝沢や三宅も感嘆の眼差しを目黒に注いだ。
代役に選んだ事を後悔させない仕上がりだった。
目黒くんの本気を垣間見る仕上がりだ。
私も負けてらんないな。
2度目のオープニングで三宅が登場し
Maybeを披露、この次にSnow Manとも加わった新曲『蒼き日々』が続く。
勿論初合わせだが、私だって朝方まで寝ずに練習し体に叩き込んだ。
いざ合わす際は呼吸を感じ取り、委ね
彼らのリズムに私が乗る事で動きを合わした
これもまたが身に付けた技術である。
ダンス歴は3年と短く、Jr歴も1年。
だが、生まれ付き音感が良く音を掴むのが早かった。
まるで視力の低さをカバーするかのように。
振付けを覚える時は目からではなく
耳から音を捉えてリズムを把握して覚える。
健常者より集中しなければならず疲れやすくもあるのだ。
だがその甲斐あって振付けは完璧。
Snow Manと共に息の合ったダンスを披露。
それぞれに与えられたソロダンスも成功した
は岩本、深澤の次にソロダンスをする。
女性らしい曲線を活かしたダンスは繊細で不思議と見る側を魅力する。
衣装を着てないのに見える錯覚すら与えた。
その後も稽古は続き、3つの演目と
三宅のソロが終わり再びが代役の変面中はバレリーナパートが入る。
バレエの部分はこれからなので、振りはない
が、立ちっぱで待つのも退屈だなと
は得意のカポエイラ持込みの技を披露。
後ろ蹴りの足を勢い付けて戻しながら前に振り上げ
もう一度後ろに蹴るようにして回転
その動きと回転はZZL間奏の宮舘をダブらせた。
儚い外見からは想像に難い動きで
の振り幅の広さに何らかの可能性を見た。
滝沢は、密かに思案していた。
そして変面の次が腹筋太鼓。
太鼓を導入と題され太鼓の準備が整うまではバレリーナとして繋ぐのだ。
目黒は太鼓に参加するので入念に場当たり中
谷村くんが叩く配置もこの後に確認する筈。
太鼓の後はそのまま『浮世艷姿桜』へ繋ぎ
代役として目黒もダンスパートを披露だ。
やはりこのパートも完璧に仕上げて来ていた
目黒くんヤバいな(感嘆してます)
私の出番は太鼓前で終わりになるが
目黒は鼠小僧とwithLOVEとLOVEまで有る。
鼠小僧は第2部となっている。
一通り第1部の通し稽古は無事終わった。
早くも汗が滲み、稽古場にも熱気が満ちる
滝「2人とも二言は無かったな」
🖤🐇「ありがとうございます!」
三「後は細かな調整と情熱の持続くらい?」
滝「はバレエの稽古に注力してくれ」
🐇「頑張ります!」
滝「よし、一旦休憩~!」
それぞれが滝沢から言葉を貰い
第2部の通し稽古まで休憩時間になった。
すると直ぐにヒソヒソ話が聞こえ始めた・・・
話題は間違いなく私だろう。
耳を澄ますまでもなく聞こえてしまった。
何だあのバレエパートのアクロバット・・・と
👥「Snow Manさんの前でよくやれたよな」
👤「それな、度胸あるっつーか空気読めよ」
🐇「・・・・・・・・・」
確かに、とは感じたがあれくらいで揺らぐような方達じゃないと思う
🐇「あれくらいでSnow Manさんが迷惑と感じると思うの?」
👤「――は?」
モヤッとした後には声に出ていた。
🐇「貴方達が憧れるSnow Manさんは、後輩の武器を摘もうとするの?
違うよね?私の見て来た先輩方は
寧ろ後輩の武器を認めて伸ばそうとする人達だと思う。」
そんなちっちゃな事で私の揚げ足取るより
1日も早く座長や先輩方に認められようと努力した方が絶対マシだよ。
稽古場が静まり返ろうと構わず
私は思った事全てをヒソヒソ話してたJrへぶつけていた。
稽古場にはまだ多数のJrとスタッフ
そして渦中?のSnow Manや目黒も居た。
💛「ほ~・・・?」
💚「中々言うね」
💙「外見と中身の違いがエグいな?」
💜「でも俺らの考え方に近いよ」
♥「言えてる」
💗「なんかカッコイイでやんすな彼女」
様子を俯瞰していた6人から感嘆の声が漏れ出た
翔太も言っていたが外見と中身のギャップがえげつない。
寧ろこのくらいの強さが無くては生き残れないのが
ジャニーズという世界の厳しさだ。
ましてや彼女はジャニーズ初の女性。
たくさんの偏見や差別と戦って来た筈。
名前だけなら自分達も耳にしていたので
代役に決まった際は納得の理由だった。
数少ないスカウト組で、カポエイラの帯持ち
しかも全国大会の覇者でもある。
ヘジョナウ流派を極めし者としてあだ名を与えられた数少ない日本人。
これだけで相当な経歴を持つ人物である。
更に目立たせたのは彼女の外見。
銀に近い白髪は絹のようで、綺麗だ。
1番の注目点は双眸に尽きる。
まるで雪うさぎのような赤紫の瞳をしているのだ・・・これは目を引かざるを得ない
見るからに儚く華奢な姿から飛び出した技
正直目が釘付けにされたSnow Man達。
純粋に彼女の人と成りが気になった
しなやかなダンスと格闘の技を持つが。
外見に見合わず『自分』をしっかり持った人
これがSnow Manから見たの印象だった
がこの日言い返したのを境にJr達はヒソヒソしなくなる。
少しかもしれないが言わんとした事を
汲み取ってくれたのかなと私は思っていた。
🖤「お前見かけに合わない奴だな」
🐇「目黒くんか、ははっよく言われる」
🖤「ふーん?」
🐇「でも彼らの気持ちも分かるからさ」
ジャニーズは男だけの世界。
ずっとそうだった世界に女が入って来た。
しかもスカウトという稀な事象で。
そりゃ面白くはないよ。
と、声を掛けに来てくれた目黒へは話す
🐇「異例だからこそ実力見せなきゃね
ジャニーズの世界は性別関係なく開かれてるし多分まだ
『スカウトされたならそれに見合う実力見せて俺らを納得させてみなよ』
って思われてるよそれは事務所の人間も外の人間も同じ
まだまだ疑いの目で見てる人は多いと思う」
だからこそ私は負けたくない。
私は常に戦いに来てるから、簡単には折れてやらないんだ。
そう話すを見た目黒は驚かされた。
てっきり落ち込んでると思っていたが
ジャニーズの世界について話すの目は輝き
寧ろ闘志に燃えてるように見えたから。
🖤「ふーん?言うねぇお前、俺そういう暑苦しさ好きだわ」
こういう負けん気が女性初を誕生させたのだろうと目黒なりに感じ
自分の気持ちも高まるのを感じてワクワクして来た。
色んな奴らが居る、だからこそ面白い。
もっとと仕事をしたいと密かに目黒は思い始めていた。
きっかけは顔合わせのこの日からだった。
意気投合した私と目黒くんは稽古場で会う度互いの信念や考えを話し合い
自分達なりに目指す目標を語り合う。
周りの目は変わらず厳しいし
チラチラ送られる目線も相変わらずだった。
それでもは楽しんだ。
もう2度と無いかもしれないから
一瞬一瞬を刻むみたいに稽古に励んだ。
滝「ちょっと良い?」
🐇「はい」
そんなある日、稽古場に現れた滝沢から呼ばれたが傍まで行くと
少し鋭い質問を投げかけて来た。
滝「聞いたよ、顔合わせの時の話」
ああ~・・・ついに耳に入りましたか。
あの日の口論?は大勢に見られてたからまあ伝わっても当然だ。
🐇「任せて頂いたからには私は結果を示したいんです・・・
生意気かもしれませんが、性別が違うからって軽んじられないように
これまでもこれからも私は戦っていくつもりです」
ただこの姿勢を貫く事で
稽古場に争いを生む事態は避けたいし本意ではない。
私の存在が輪を乱し、波紋を来すなら
その時は遠慮なく切り捨てて構わない。
相手が滝沢であろうとは意思を曲げなかった。
滝「寧ろその気勢がこれからのJrに必要だと思ってる
の存在はここに居るJr達に良い刺激になるんじゃないかな」
少なくとも俺は刺激を受けたし、
目黒や批判的な事を言ったJr達も何らかの物を感じた筈
そのまま突っ走ってみ、見てる奴らは見てる
いつしかその姿勢に惹かれた奴らが集いの助けや支えになるだろう。
そう意味深な事を滝沢はに言った。
今思えばこの時の言葉に将来どうするかの
滝沢のヴィジョンが描かれ始めてたのかも?
それから気付いた滝沢が話を戻した。
滝「の衣装について話し合いたいから、衣装部屋に行ってみて」
🐇「分かりました!」
滝「ちょっと待つかもしれないけど行くだけ行っててくれ」
そう話す滝沢に一礼し、は衣装部屋へ。
確かに話し声はする、人数も多そうだ。