蒼き日々 5/25作成




2019年某日、今日はスノTube撮影日。
滝沢歌舞伎の時期で9人は京都に来ていた。

新たにラウールが滝沢歌舞伎に参加する為
彼を歓迎する意味も込め
兄組は末っ子ラウールの欲しい物を買いに市中に出ている。

とまあ、老舗天ぷら屋さんを出た9人。
目黒ウェルカム動画と市中を撮り終えた照達は
ラストのお土産バトルを撮る運びだ。

💜「僕達はまだまだ京都に居ます」
💗「ラウール見てる~?」
💜「ラウールだけね、東京に居てね」
🧡「なるほどね」
💜「会えてないんですよ」

オープニングをも翔太の横で聞いている
時刻は16時過ぎ、京都ロケは朝からで
メンバーと会えるのか、ではAチームで参加
団子と金粉ソフトクリームを堪能した。

因みにその次のウェルカム動画では京都牛とラストウニを当てた。
なのでお腹の方は満たされています。

幸い天気も曇天だからも元気いっぱいだ
太陽の日差しを気にせず撮影を楽しめる。

💜「この人数で居るのもアレなんで、やっぱ2チームに」
💛「あ、もしかしてグッとパッすか?」
💜「それしかないです」
🧡「あ~ら~」
💛💚「あははは」
🐇「あらら~(笑)」

皆も何やら楽しそうだ(笑)
そして組み合わせが決定。

Aチーム:照、阿部、深澤、目黒、
Bチーム:宮舘、渡辺、康二、佐久間。

漸く2チームに別れてのお土産探し開始だ。
2月の日没は早く、曇天も手伝って既に京都の町は薄暗い。

横断歩道を挟んで別れたAチームとBチーム
阿部と一緒になりBチームへ手を振った。
撮影ライトに照らされた宮舘らは遠い。
ちょっとだけ黄昏気分になる

誰かと別れる光景というのは
何となくだが物悲しい。

💚「さーむっ」
🐇「・・・・阿部ちゃん可愛いね?」
💚「いや俺男だからね?」
🐇「分かってるけど疑わしい(笑)」

萌え袖で耳を押さえる阿部をチラ見。
女子より女子な阿部ちゃんは無自覚に可愛い
しかしその可愛らしさが何人もの女子を

偶に女子を辞めたくなる

と言わしめているか本人は知らないだろうな
なんて話しながらBチームを見たら
誰かがこっちに手を振り返していた。

残念ながら視力がめっちゃ弱い
どう頑張っても人物を特定出来ず
横に居る阿部に確認を頼もうとしたら阿部ではなく、違う声が教えてくれた。

🖤「、舘さん手ェ振ってるよ」
🐇「本当?舘さん気付いてくれたんだ」

教えてくれたのはiPhone自撮り棒担当の目黒
彼の声に助けられ、便乗した阿部と手を振り返す事が出来た。

表情が見れないのは残念だけど
気付いてくれたんだのが嬉しいし
それを教えてくれた蓮にも感謝しかないね。

蓮とは久しぶりの撮影だから嬉しい。
2017年の滝沢歌舞伎以来かな・・・?

今では同じグループの一員に選ばれ
こうして共に動画の撮影をしてるなんてさ
懐かしいし嬉しいし、めっちゃエモい。

過去を振り返し懐かしく思う
目黒もそう考えていたのか、隣に来て言った

🖤「良かったね、振り返してくれたじゃん」
🐇「蓮が教えてくれたからだよ、ありがとう!」
🖤「別に大した事じゃないよてか久しぶり」
🐇「だね、もしかして同じ事考えてた?」
🖤「まあ(笑)」

やっぱり思い返してたと曖昧ながら認めた。
お互い代役で参加した滝沢歌舞伎2017

目黒は谷村龍一くんの代役。
私は女子ダンサーの代役だった。

あの頃はまだSnow Manではなかったし
蓮に至っては宇宙Sixの目黒蓮だったね。
私もまだまだ力を付けてる段階だったから
中々に辛い時期だった。

それでもバックに付かせてもらう機会が増え
1番の頑張りどころな年だったと思う。

💚「どうしようか」
💛「でもなんか楽屋~」
💜「そうなんだよ」
💛「こういう感じだよっていうのは」
💜「なんだろ」

取り敢えず買う物を話し合うAチーム。
テーマは『潤いと乾燥』

・・・15歳ながら気にするのはそこなのか( 'ㅂ')

やっぱ年齢関係なく永遠なるテーマなのね。
も女性メンバーとして永遠に考えるテーマだ
いや全ての女性のテーマよね。

話し合いであがったのは『手ぬぐい』
これは南座近くに店を構えているとの事。
早速皆で向かう事にした。

🐇「こうしてよく2年前は散策したなぁ」
🖤「・・・日差しは大丈夫だったん?」
🐇「ふふ、蓮は知ってくれてたんだね」
🖤「そりゃあメンバーだし仲間だからね」
🐇「ありがとう😊」

道中目黒と2人、当時の話に花を咲かせた。
2年前の目黒は知らなかった事だが
今の目黒はの肌が弱い事を把握してる。

私を知ろうとしてくれた事が何より嬉しい。
初めて顔合わせした日が不意に思い浮かんだ
確か、朝の打ち合わせで紹介されたんだよね

私や蓮にとっては、全員が憧れの先輩達。
そして蓮も私も密かに憧れてた舞台だった。


2017年 4月某日。

新橋演舞場には来ていた。
本来なら来る事の無い場所・・・
でも憧れの場所でもある新橋演舞場だ。

今日は此処で顔合わせと、稽古を受ける。
事の発端は昨夜の電話だ。
この頃KAT-TUNのバックに付いていた
昨夜もその関係のレッスンに打ち込んでいた

そんな中、19時過ぎにかかって来た電話。
相手はなんと、事務所の幹部。
急遽欠員が出た舞台の代役を打診されたのだ

👨‍💼『君しかいないと上層部から推薦もあってね、滝沢もならばと言ってる』

どうだ、やれそうか?

そう聞かれた、頭が追い付かなかった。
先ず主語がない、推薦されてるのは嬉しいが、何に?である。

だが気になる単語も聞こえた。
滝沢・・・って言ったよね

ジャニーズ事務所で『滝沢』と言う名字はあの人しか浮かばない。

しかもこの時期に代役が必要で
且つ滝沢とくれば・・・

🐇「あの、その代役を務める舞台って」
👨‍💼『君も憧れる滝沢歌舞伎2017だよ』
🐇「本当ですか!?」
👨‍💼『勿論、是非にと言ってる。どうだ?』

やっぱり滝沢歌舞伎からの話だった。
憧れてはいたがいざ話が来ると驚きのが大きい

だが、こんなチャンスは二度とないかも。
私に巡って来たチャンスだ、活かさなきゃね

🐇「是非やらせて下さい!」
👨‍💼『よしなら早速明日から新橋に来てくれ』
🐇「はい!宜しくお願いします」
👨‍💼『我々も楽しみにしている、それでは』

夜分に失礼したね、という言葉で通話終了。
まあそんな訳では急遽代役を務める事に
通話後にダンスとバレエの動画が封筒で届き

明日からの稽古に備え、予習を開始した。
の出番は、変面前の繋ぎでバレリーナを
後は腹筋太鼓前の場面転換でも踊る。
それから『蒼き日々』のバックダンサーだ。

ダンスは何とかなるが、バレエは未経験。
それは稽古が始まったら覚えるしかない
取り敢えず今夜はダンスパートを覚えよう!

届いた動画を流し、寝る間も惜しんで練習。
朝方近くまで練習した、睡眠は4時間のみ。

目覚ましで飛び起き、送られて来た資料と
その他荷物を抱えては新橋へ向かった。
そして今、控え室にて顔合わせを待っている

今日から約1ヶ月続く公演に身を投じるのだ。
まだ控え室だが、早くも緊張がヤバい。
ただでさえジャニーズ初の女子で
周りからの目も厳しく、色眼鏡で見られがち

漸く立ち位置を見定められそうな時に
舞い込んだ思わぬビックな話・・・頑張ろう、それしかない。
不平を言われたくないなら実力を示す外ない

👨‍💼「くん良いかな?そろそろ来てくれ」
🐇「――はいぃ!」

悶々と待つ事数十分、ついに呼ばれた。
緊張で少し声が上ずった
素早く立ち上がり、控え室を出て

廊下で待っていたスタッフに連れられ
皆が待つ稽古場へと向かった。
近付くにつれ、人の気配もたくさん感じ始める。

やがて1つの扉の前に到着。
中からはキャスト達の話す声とかも聞こえる

👨‍💼「静かに入ったらすぐ横の椅子に座って」
🐇「わ、分かりました」
👨‍💼「君ともう1人代役の子が来るからね」
🐇「私だけじゃないんですね?!」
👨‍💼「谷村くんの代役の子が来るんだよ」

ほ~・・・('ω')

新顔ボッチとかじゃなくてホッとしたわ・・・
そしては静かに扉を開け
目立たないように壁際に沿って移動。

室内では選び抜かれた精鋭達が自由時間中。
静かに入った為気づく者は居なかった。

鏡張りの稽古場なので、実は気付かれてたりする。
前を向いているが鏡にが映り
前を見ていた数人が目で追っていた。

そうとは知らない
同じ代役の人物を待ちながら稽古場を観察。
何となくだが視線を感じ始めた。
視力が低いので直接は見れないが・・・

却って見えなくて良かったとすら感じた。
明らかにヒソヒソ話が聞こえるね・・・
目は悪いが耳は聞こえるし。

👥「あれってもしかして?」
👤「間違いないよあの髪色・・・間違えようが無いじゃん」
👥「てか何で此処に居るんだろ?」
👤「さあ・・・?」

やっぱ目立つもんな・・・アルビノ。
でも気にしてられないもんね、楽しもう!

無理矢理でも前向きな考え方にシフトする。
アルビノに生まれたからには覚悟していた・・・
死ぬまで好奇の目に晒され続けるのだと。

ここまで来る間だって常にそういう目に晒されて来たんだ、慣れたものよ。
自分を励ましたその時、静かに扉が開いた。
パッと振り向くとスラリと高い背の人物が?

入った後座る場所を探してる様子に気付き
思い切ってその青年に声を掛けてみる。

🐇「あの、代役に選ばれた・・・?」
🖤「おおっ?吃驚した、うん選ばれたよ」
🐇「私も選ばれたんだ宜しくね」
🖤「そうなんだ、代役とはいえ気は抜けねぇな頑張ろうぜ」
🐇「・・・・・・うん、宜しくお願いします」

吃驚した・・・。
初めましてで私の外見に驚かない人も居たんだね
何だか新鮮すぎて凝視しちゃった

凝視したら思い出した、彼の名前。
宇宙Six在籍の目黒蓮くんだわ!
整った外見と長い手足、かなり目を惹く人。

確かもう1人宇宙Sixから出てる子いたような
後で書類また見返してみよう。
他からの視線は感じたが、さっきより気にならなくなった。

そしてついにあの2人と彼らが現れる。
先に現れたのは職人集団と称される6人組。
先輩方からはバックに付けたいJr NO.1と呼ばれ、
後輩からは厳しくも優しい先輩と慕われるSnow Man。

彼らが現れただけで一気に稽古場が締まる。
私や目黒くんも身が引き締まる感覚がした。
真横を通るSnow Manは皆背が高くオーラが凄い

思わず歩いて行く背中を見送ってしまった。
Snow Manに続いて入って来たのが彼らだ

滝「皆さんおはようございます」
⛄「おはようございます!」
👥「おはようございます!」

前に立って声を発したのは座長の滝沢。
並び立つ三宅も声を上げる。

私と目黒くんも席を立ち一礼。
瞬間妙にまた緊張してきた。

挨拶後は滝沢と三宅から今日の予定が告げられ
Jr達を鼓舞する言葉も贈られた。
話の流れからして紹介されるのは近い。

予期した直後、滝沢の視線が達へ向いた
此方を見ながら変更点を話し始める。

滝「皆も知っての通り2名の負傷者が出た」
三「そこで今日から急遽代役を任せる2人を紹介するよ、前に来れるかな」
🖤「はい!」
🐇「――はいっ」

ついに呼ばれたと目黒。
一気にJrとSnow Manの視線が注いだ。
めっちゃ緊張する・・・!

30人ちょいは居る全員の視線を浴び
目黒と2人、三宅側に並んだ。
ああ~・・・刺すような視線を感じるよ

なるべく壁を見つめるようにする
目黒は堂々と立ち、視線を漂わせた。

滝「じゃあ挨拶して貰って」
🖤「はい、宇宙Sixから参加します目黒蓮です。
  皆さんの足を引っ張らないよう
  食らいついて行きたいと思うんで宜しくお願いします!」

滝沢に促され、迷わず先に挨拶した目黒。
正面に整列した人達から拍手が送られる
続いての番になり、挨拶した。

🐇「ジャニーズJrのです、代役とはいえ
  憧れの滝沢歌舞伎に参加出来る事に感謝し
  役が何であれ参加するからには
  全力で務め上げたいので宜しくお願いします!」

勢いよく頭を下げ私は一礼した。
一瞬だけ間が空いたがSnow Manが先陣を切り拍手をした事で
他のJr達も拍手をした。

滝「はダンサーの代役、目黒は谷村の代役を任せる。」

谷村龍一くんはダンスパートが難しいが
芝居に支障は無いらしく
ダンスパート全てを目黒は担う事に。

私は昨夜言われた通り、バレリーナの部分
つまり場繋ぎのバレエパート全てと『蒼き日々』のダンスを任された。
この曲ではSnow Manと共に踊る

滝「目黒とはこの後詳しく説明するよ」
🖤🐇「分かりました!」
三「それじゃあ今日も怪我なく頑張りましょう!」
⛄「はい!」
👥「はい!」

顔合わせは数分で終わり、一旦解散。
Snow ManやJrはそれぞれの休憩スペースへ
私と目黒くんはすぐ滝沢くんに呼ばれる。

滝「先ずは引き受けてくれてありがとう」

そう言って優しく笑いかけてくれた。
空気が瞬時に和らぎ、緊張も和らぐ。

三「2人とも急遽だったから大変かもしれないけど、ダンスは予習して来れたり?」
滝「はバレエの経験はどうかな」
🖤「朝方まで寝ずに叩き込みました」
🐇「バレエ以外は私も朝方まで・・・」