甘えん坊



季節は春、桜が咲き誇る。
そんな季節でも今年は寒い日が続き
寒暖の差も激しかった。

昼寝から目が覚め、布団から抜け出る
布団の中に居たから我ながらホカホカだ。
今日も晴れてるが気温は14℃くらい。

中々に肌寒い日。
寒いから温かい飲み物欲しいな

と思ったので、厚手のパーカーを着て階下へ
つい数分前、玄関が開いたから誰か居そう
予想を立てながらキッチン&リビングに到着

🌕「・・・あれ、照兄だおかえりなさい」

中に入ったらキッチンに立つ5番目の兄が。
脇を締め、肩を竦めている姿は可愛い。

の声に振り向いた照は元気が無いような
気になったので傍まで行ってみる。

🌕「元気無いですね、大丈夫ですか?」

傍に行って聞いてみると"おお"と口が動いた

💛「外マジ寒みい・・・」
🌕「今日寒いですもんね、何か温かい飲み物用意しますよ?」
💛「ホントに?」
🌕「はい、カフェオレでも良いですか?」
💛「ん、頼むわ」

さり気なく照の腕に触ってみたら服は冷たく
外気の低さを察した

照は体脂肪率が1桁台なので寒がりなのだ。
それを知っているは自分が用意すると言い
照を暖かなリビングへ行くよう勧めた

僅かに頷いて見えた照から視線を外し
戸棚からカフェオレスティックを2袋出す。
食器棚に在る照用のマグカップと自分用のをそれぞれ取り出し

中身をカップに入れた所で気づいた。
何だか肩が重い?ついでに言うなら・・・何かに包まれてる?
顔を僅かに横へ向けて何なのか分かった。

身長差があるせいで覆い被さるみたいな感じに
後ろから照兄にバックハグされていたのだ。

丁度うなじの辺りに顔を埋めるスタイル。
私の両肩から照兄の長い腕が掛けられ
首の前でホールドされたハグ。

🌕「照兄重い」
💛「まあそう言うなって」

苦情を言ってみたが離す気は無さそう。
カフェオレ作りづらいなぁ('ω')
歩くにも照兄が重くて歩き難いし躓きそうだ

🌕「お湯入れますから危ないですよ~」

何とか離してくれないかなと
遠回しに言ってみたら、首のホールドが緩む

その隙に2人分のマグカップにお湯を入れた
照兄のマグカップを本人に渡す。

🌕「はいどうぞ」
💛「さんきゅ、飲みながら寛がない?」
🌕「良いですよ?ピノでも食べますか!」
💛「ピノあんの?!ナイス!」

ふふふ、寒い日はコタツでアイスですよね~
まだまだ寒い日が多いからシェアハウスのリビングにはまだコタツが出したままに。

甘い物が大好きな照の顔が輝き
素直にマグカップを受け取るとリビングへ
その後を冷凍庫から出したピノを手に追った

💛「こっち」

リビングに行くや照に招かれる。
因みにシェアハウスのコタツは
ソファーに高さを合わせて(無理矢理)置かれている。

招かれて行ってみると、照は脚の間を指さした。
まさか、その間に座れと?

恥ずかしいな?

とは思ったがニコニコしてるのを無視出来ず
仕方ないなぁと思いながら近くへ行き
ソファーに座る照の脚の間へ腰掛けた。

🌕「今日は妙に甘えたさんですね?」

敢えてそう言いながら座り、
テーブルにマグカップと持って来たピノを置く。

そのタイミングで重さ再来。
背後から二人羽織みたいな感じで照が寄り掛かってきた。
照兄の両腕が私の腹部に回され、軽く抱き締められる。

🌕「照兄?」
💛「だってあったけぇんだもん」

何だろう大きな大型犬かな?

後ろからピタリと抱き着き、
顎を私の肩に乗せている様からは普段の頼れるリーダーっぽさを感じない。
でもこれが素のままの照兄だからね。

🌕「どうせまだ子供ですよ、ピノ食べます?」
💛「なに、拗ねたの?可愛い」
🌕「からかうとあげませんよ?」
💛「ごめんごめん、あーんしてよ」

全くもう・・・!でもまあ楽しいからいいや(笑)
可愛いとか言う言葉は聞き流し
開けた箱に入ったピノを1つ刺して出す。

今日は甘えさせてやろう、と決め
ねだられたピノを、私の肩から口を開けて待つ照兄の口へと運んだ。

餌付けしてるみたいな気持ちになる(笑)

💛「んーー!んまぁ」
🌕「少し溶けて来てますから美味しいですよね」
💛「それな、ほらもあーん・・・」

甘えたさんモードの照には誰も勝てない。
一瞬躊躇ったが大人しく口を開けた。

体の横から伸びた腕がピノへ向かい
1つ刺してから口へと運ばれた。
冷たいアイスが口内へ入ると甘さが広がる

🌕「おいひい~」
💛「おいひいってお前美味そうに食うなぁ」

互いに食べさせ合いながらピノを完食。
温かいカフェオレを飲み終わる頃には
大分体も温まっていた。

ふと気付いたら、照はにくっついたまま
スヤスヤと寝息を立てている。

🌕「照兄寝ちゃったの?」
💛「すぅー・・・」

どうしたものか、寝てるよ照兄。
疲れてるみたいだから起こすのは偲びない
だがこのままの体勢は疲れる('ω')

自然に目が覚めるのを待つしかないな。
抱き付いたまま寝てるって事は
それだけ安心してくれてるんだろうしね。

ただちょっと恥ずかしい。

照兄温かくなって良かったな・・・
さっきは本当に冷え切ってたから心配でさ

顔は見えないけど寝顔が可愛いんだよね
初日の出と卒業旅行で2回寝顔見た時思った
ちょっとでも疲れが取れると良いなあ

の肩に顎を乗せたまま眠る照。
ポカポカと温かな体温を背中に感じながら
私も気付けば瞼が重くなり、目を閉じた。

互いの頭をコツンと合わせる感じでスヤスヤ
数時間後、帰宅したふっかに発見され
優しく起こされるまで、照と仲良く昼寝で過ごした日となった。


後日談

💜「見て見てこの2人」
❤「これは可愛いね」
💗「も照も寝顔可愛いなぁ!」
💚「断然のが可愛いよ」
🌕「ふっかさんその写真消して下さいよ!」
💜「え~の寝顔可愛いから消すの勿体ないな~」
💙「俺にも見せて!」
🌕「消さないと嫌いになりますよ?」
💛「ふっか、いいから消して」
💜「ちぇっ~」

ってなやり取りがあったとか無かったとか

おわり。