横浜アリーナで開催されるジャニーズJr祭り2018。
そのライブに参加すべく、東京から横浜まで来たSnow Man。
無事滞在先のホテルに荷物を置き、リハに出るべく会場に向かった。
💜「それじゃ俺らは先に向かうけど」
💛「全体リハ終わった辺りにLINEするわ」
🌕「らじゃです!」
💙「連絡来るまではちゃんと客室に居ろよ?」
💚「リハにはマネージャーも行ってしまうからこれ渡しておくね」
出発間際、マネージャーが借りて来たレンタルカー(ボックスワゴン
に乗る前に留守番の私へ兄達が交代で声を掛けて来る。
ふっかさんを筆頭に、かけてくる言葉はどれも心配してくれてるものだ。
照兄に至ってはもう癖なんだろな・・頭をポンポンされた。
そこへ次に現れた翔兄と亮兄。
翔兄はポンポンではなく撫でて行くからちょっと照れる。
次に足を止めた亮兄からは1つの封筒を手渡された。
🌕「これは?」
💚「ここから横浜アリーナまでのタクシー代」
えええ!!
封筒の中身がまさかのタクシー代と分かると思わず目を見開いた。
目の前の亮兄はそんな私の顔を見て¨くんの顔凄い事になってる¨と笑っている。
一応必要になるかもしれないから財布は持って来てた。
それを使うまでもなく封筒で手渡されてしまい
申し訳ないから、とは流石に断れず預かるだけで使わないでおこうと内心決めた。
きちんと受け取った姿に阿部が微笑み、行って来るねと車へ乗り込む。
その後封筒を見つめる私の視界に影が差し、誰かの足が見えると同時に声が囁いた。
❤「それ、俺らの気持ちでもあるから使ってくれた方が嬉しいけど任せるよ」
🌕「おおう・・その言い方狡いですね涼太兄さん」
❤「ふふふ、それじゃあ連絡来るまで良い子で居るんだよ」
🌕「はいっ」
視線を向けた先に見えたのは宮舘。
相変わらず上品に微笑んで佇む姿が何やら高貴だ。
冗談のようなからかいも含ませて封筒の事に触れる宮舘。
使っても良いし使わなくても良いよ、と言ってるようにも受け取れる言い回し。
でも押しつけがましい感じは全くしなかった。
去り際に片手を伸ばし、後頭部に手を添えるような撫で方をして
宮舘はレンタカーへと乗り込んで行く。
('ω')何だ今の撫で方・・
まあそれは兎も角中型のマイクロバスに乗った兄達をそれぞれ眺め
中から手を振る6人に私も外から手を振った。
地下駐車場から走り去るマイクロバス。
そこから客室に戻り、リモートで講義を受けたりした。
兄の1人、照からそろそろ会場に来れるかと連絡を受けるのは15時過ぎだった。
💛¨全体リハ終わって今俺ら控室、他グループは多分帰る準備してると思う¨
そういう文面が照より届き、このLINEから20分したらホテルを出るよう言われた。
一応出発がいつになっても出来るよう手荷物を纏めておく。
取り敢えず1人で向かう事にはなるが、不安は抱いていなかった。
手持ちは一応あるし、足りなくても阿部から貰った封筒のものを足せば良い。
それに知らない所に行くとは言え、行く先に兄達が居るのであれば全く怖くなかった。
横浜アリーナというものがどんな場所なのかを想像するのも楽しいしね。
兄達が立つステージというものを、この目で見られる喜びも大きかった。
そして約20分後。
しっかりと客室の鍵をかけ、ショルダータイプのバックに財布と封筒に鍵を入れ
肩掛けにして身に着けると私はホテルのエレベーターに乗り込む。
最初確かに心配の種でもあったエレベーターだったが、このホテルのエレベーターは外が見れる。
おかけで密室という感じもしないし、圧迫感も感じなく、エレベーターを利用出来た。
9階からフロントのある1階に降り、其処に居る係の人にタクシーを手配して貰った。
ホテルに来て貰うまでに時間がかかる可能性にそこで気づいた。
失敗したかも、照兄からLINE来た時点でタクシー呼んどいてもらえばよかった!
そう思って肝を冷やしたが、フロント係の人から正面の入り口脇に1台タクシーが待機してると教えて貰った。
どうやら常時2台くらいホテルの専用タクシー駐車場に待機しているとの事。
これなら兄達を待たせずにアリーナへ行く事が出来る、とはフロントのお姉さんにお礼を言った。
兄達はまだ心配している1人での移動も中々慣れて来た。
ロビーを出た所に待機している1台のタクシーに近づき、ドアが開いて中に乗り込む。
行き先もきちんと横浜アリーナ、と伝え走り出すタクシーに揺られ
車窓を流れる景色を眺めているうちに横浜アリーナへ到着。
タクシー代として阿部から貰ったお金ではなく自分の財布から支払いを済ませ
表から行くべきか裏口からのが良いのかを悩む。
Snow Manの兄達から呼ばれて来ました、とか言ったら不審者とか思われそうで言えない。
悩んだら先ず兄達にLINEで聞こうそうしよう。
迷わずiPhoneを取り出し、グループLINEを開いてメッセージを打ち込んだ。
🌕¨到着したよ!でも何処から行けばいいかな¨
打ち込んだ文が画面に表示され、数分後既読になった。
そうなった事で兄達が見てくれたんだと分かる。
💜¨ちゃんと1人で来れたみたいだな偉い偉い¨
💚¨今からマネージャーが迎えに行くから非常階段の扉の前に居て¨
🌕¨了解です!¨
既読になって数秒後、先ず表示されたのは深澤のメッセージ。
偉い偉いと褒めてくれる顔が目に浮かんだ。
次いで表示されたのは阿部からの丁寧な説明。
具体的な待機場所を書いてくれる辺りが流石というべきか。
待つ間はアリーナというものを眺めて過ごした。
医大と大学院以来久々に見る大きな建物。
こんな広くて大きな場所を使ってパフォーマンスする兄達は本当に凄い。
改めて兄達は芸能人なんだな、というのをこういう場所に来る度に実感させられる。
一度きりの人生、本当に何があるか分からないね・・芸能人の兄妹になるなんてさ
まあ2年間限定の同居生活ではあるけど楽しもうとすら今思ってる。
それくらい今のこの暮らしに私自身が溶け込んでるって事なのかな?
これもまた、人を知るって意味では良い傾向なのだろうか。
養父に確認した訳じゃないから分からないけども、少しは変わって来てると良いな。
👨💼「くんお待たせ~」
🌕「あ、わざわざすみませんマネージャーさん」
待つ事数分した頃、ガチャッと非常階段の扉が開き兄達のマネージャーが現れた。
パリッとしたスーツに身を包んだ姿は大人の男性そのもの。
そりゃ最初はビクッとしてしまったけど、その私の反応を見たマネージャーさんのショボンとした姿に私は毒気を抜かれた。
こんな風な反応されるのが新鮮で、この人なら怖くないって素直に感じたのだ。
寧ろ逆に怯えてしまったのが申し訳ないくらいだったからさ・・・(笑)
👨💼「それじゃあお兄さん達の控室に案内するよ」
にこっと爽やかに微笑むマネージャーさんに頷き返し
開かれた扉の先に続く階段を下りて行く。
非常階段の反対側、つまり扉を前にした背中側にも階段があるのだがそれを上ると客席に行けるらしい。
当たり前だがステージが見えるように客席の方が高く造られている為である。
今回はそのステージに立つ兄達が待つ控室に行く為
一般の人は入れない舞台裏の世界に足を踏み入れた。
階段をすべて下りた先には長い通路がある。
一応エレベーターもあるが、の事を考慮し、敢えて非常階段から案内した。
しかし全体的に壁が白いなあ・・・と言うのがの感想。
中の案内版は白い壁に埋め込まれたパネルみたいなやつのみ。
しかもお洒落なのよそのパネルもさ。
四角形のパネルには日本語と英語で案内が書かれている。
幸い英語も嗜むにはどちらも読んで理解する事が可能だ。
👨💼「控室までちょっと歩くからはぐれないようにね」
🌕「はいっ」
👨💼「ああその前にこれ、首から下げといて」
歩き出そうとしたマネージャーがそう言って手渡したのは通行許可書。
表面に『関係者』という文字が青い面に白字で書かれている。
これが無いとただの不審者になってしまうからね、うん。
無事控室に着いて、兄達と再会するまで気が抜けないな。
思った通り廊下で関係者っぽい人達と擦れ違ったりしても怪しまれず逆に会釈を受けた。
後男装してたのも良かったのかもしれない・・・
女子のままで来てたら少し見られ方も違ったかもしれないからね(コワイコワイ
などと考えながら歩く事数分、不意にマネージャーが足を止めた。
廊下の真ん中で止まるのは邪魔になるので、中州に寄ると胸ポケットからケータイを取り出す。
もしや?と見上げたの前でマネージャーは予想通り通話を開始した。
今回のLIVEで関わる相手とのやり取りなのだろうか、眼差しは真剣である。
👨💼「ごめんくん、仕事の電話が来ちゃった・・1人で行けるかな」
🌕「分かりました、行ってみます」
👨💼「お兄さん達の控室はもう少し行った先の十字路を過ぎた先にあるT字路を左に曲がるとあるから」
電話の合間に私へ謝りながらマネージャーさんが行き方を説明してくれた。
ふんふんと真剣に聞き留め、脳内にメモをする。
メモしながら長く続く廊下を眺めると、確かに2つ程十字路が確認出来た。
少し行った先の十字路・・・・となると2つあるやつの手前のやつか?
行ってみますと答えてから取り敢えず歩き出す私。
まあ近づいてみれば分かるかもしれないから行ってみよう。
という感じで歩いて行くと見えて来る十字路。
十字路を過ぎるとT字路があるらしい・・うーん??
十字路に近づけばすぐT字路があると思っていたが
今差し掛かった十字路の先にはT字路もあるが十字路も見えている。
これは・・・・どっちだ??
いっそ突き当りになるまで行ってみるしかない?
もうこれさ、兄達に電話した方が早くないか?
マネージャーによる口頭の説明で行くよりも確かだと決断。
取り敢えず邪魔にならないよう最初のT字路に折れてiPhoneを取り出した。
するとLINEから通知が届いていた事に気づく。
💚¨そろそろ着くかな?¨
察しが良い阿部からの通知。
これに対し近くまでは来てますがマネージャーさんが電話で案内が無理に
とタップしながら入力しているところに近づく気配。
通行の邪魔かな?ともう少し避けようと顔を向けたのと同時に
明るい声音でフランクに声を掛けられた。
💎「あれ?もしかして皆とはぐれたのかな、全体リハに来てたJrの子だよね」
🌕「あ、いやその・・俺は」
💎「うん?」
🌕「す・・Snow Manの皆さんの所に用事がありまして・・・・」
💎「マンズ兄さん達に?どうして?」
🌕「それはその・・・アクロバットを教えて貰う約束をしました・・」
めっちゃ気さくに話しかけて来る様子から悪意は感じない。
何よりジャニーズJrという単語を口にした事からして関係者だろう。
というか完全に芸能人の人だというのは雰囲気と、この人の発言から察せられた。
めちゃくちゃ怪しい事言ってるのに純粋な眼差しを向けたままの人。
極めつけは私の苦し紛れに口にしたSnow Manに用事と言う事に対しての言い方に驚いた。
マンズ兄さん?という表現をするところからして、兄達と同業者だし後輩??
アクロバットを教わる、という発言を聞いた瞬間ふにゃっと笑ったジャニーズの人。
なんだか笑い方が照兄さんに似てて安心してしまった。
💎「練習熱心なんだね、でもこのT字路を進むと俺達の控室に行っちゃうからマンズ兄さん達の控室はもう1つのT字路だよ」
しかも正しい控室の位置まで教えてくれた。
取り敢えず十字路とT字路の2つ先にある十字路を過ぎた先のT字路を左、が正しいみたい。
マネージャーさん・・・・おっちょこちょいなのかな?先に2つ目の十字路を過ぎて在るT字路を左
って説明してくれたら迷わず行けてたよ・・・。
🌕「丁寧にありがとうございます、今度こそ行ってみます!」
💎「うん、何なら案内しようか俺もう帰るだけで暇だし」
ひぇ
お礼を言ったらニコニコした笑顔でそう言ったジャニーズの人。
さすがにそれは迷惑にならないだろうか・・
うーんまあ、断る方が不自然かもしれないから大人しく頼まれよう。
それでは宜しくお願いします、とぎくしゃくしながらお辞儀。
礼儀正しい子だなあ、とを眺めたジャニーズの人・・・
しかし何となく反応を見る感じ入りたてなのかなと感じた。
ある程度経験を積み先輩のバックを務めていれば名前を口にするはず。
でもSnow Manに用事があると言ったこの少年に至っては
一度も先輩の名前を口にしていない、今まさに案内役を買って出た人物の名前もまた然り。
それにこの横浜アリーナには何度もジャニーズは利用しているし迷う事は少ない。
にも拘わらず少年はキョロキョロしながら歩いていたし、現に迷っていた。
でも関係者のパスケースを下げている事からして関係者なんだろう。
つまり関係者だけど此処に来るのは初めてな新入りのJrという認識に落ち着いた。
¨ジャニーズの人¨に目の端で見られている事は気付かずにはT字路を共に左折。
壁面に『控室⑥』と書かれた入り口を見つけた。
中からは笑い声と話し声が聞こえ、確かに兄達の声に間違いなく一気に緊張は解れた。