無事YouTubeSpaceTokyoに到着した6人。
後輩やSixTONESと合流も終え、現在はリハーサル開始を待っている。
その間iPhoneを操作し始めた照は、文面を打ち込んでからカメラを起動した。
カメラを起動した足で左横に立つ阿部へ近寄って肩に腕を回し
右横の宮舘にそのまま近づいて腕を引く。
「おお?なになに??」(阿部
「ちと寄って」(岩本
「うん??」(舘さま
「翔太も佐久間もふっかも上手い事収まれる?」(岩本
「え?何か撮るの?」(翔太
「俺らは収まるけど大丈夫?照のケータイ割れたりしない?」(佐久間
「割れねえよバカ、普通の顔だろ普通の」(ふっか
「キレっキレだねえ」(岩本
「ぶははは(笑)」(5人
突然の閃きにも特に慌てない5人。
これもまた安定の深澤弄りをテンポ良く繰り広げ
深澤以外がツボに入った辺りで位置が決定した。
後列に宮舘・照・阿部が立ち、前列に佐久間・深澤・翔太と並ぶ。
写真を撮りたいんだなと察した面々、そこへ佐久間が偶々持参していた自撮り棒を出し
照のiPhoneを預かって自撮り棒にセットしようとしたその時、通り掛かったと思しき声がかかる。
「写真なら俺撮りますよ」
そう声を掛けて来た相手、6人がパッと声の方を見ると
そこに立っていたのは馴染み深い人物。
「おっ、樹じゃん良いの?」
お馴染みの白い丸襟のシャツにキャップを被った男が立っていた。
彼もSixTONESのメンバーで、付き合いの長い後輩。
ある時期から深澤を師匠と呼んで慕っている。
すぐ反応を返したのはその深澤だ。
カメラ役を引き受けた田中樹に佐久間が手にしていた照のiPhoneを託す。
田中には兄が1人同じ事務所に所属しており、グループ名はKAT-TUN。
(管理人の世界線では連載している通りKAT-TUNは7人のまま存在してます)
彼らSixTONESの雰囲気は、第二のKAT-TUNと称されるくらい雰囲気も受け継がれている。
対するSnow ManはV6や嵐に並ぶ、兄弟みたいな雰囲気を持つグループだ。
じゃあ撮りますね、と言ってカメラを起動させたiPhoneを構える田中。
「はいチーズ!」(田中
撮って貰うポーズが決まった辺りで撮影ボタンが押される。
パシャッという撮影音が鳴り、6人はポーズを崩し
口々にカメラ役を引き受けてくれた田中に集まって礼を口にした。
「樹さんきゅーな」(翔太
「これで平気すかね?」(田中
「おけおけ、よく撮れてるじゃん」(ふっか
「ありがとうね樹」(舘さま
「樹さんきゅ」(阿部
撮った写真を確認して貰うべく、田中からiPhoneを返却された照。
写真フォルダを開き、全員が顔を寄せて確認。
大きな問題はなく撮れていたのを確認した深澤が田中へその事を伝えた。
照は言葉は発さずにグッジョブと親指を立ててウインク。
「誰かに見せるんすか?」(田中
「んーまあちょっとね」(岩本
「個人的に記念に撮ったのもあるから」(ふっか
「なるほど、そいじゃ俺は行きます」(田中
「おう、ありがとな樹」(岩本
マンズ兄さんと慕うSnow Manから感謝され、少し照れつつ田中は沸いた疑問を口にした。
その辺は照以外のメンバーも特に聞かずに画角に入っていたな?と間が空く。
変な間を埋めるように深澤がすぐ問いに反応した。
尤もらしく聞こえる理由に田中は納得し、それじゃあと断って移動して行った。
残ったメンバーが田中から視線を照へ戻すと、彼は何やら操作の為にiPhoneを弄っている。
理由は知らずに撮っていたから、田中からの問いに対し自分達も理由が気になった。
意味なく何かをする、と言う事をしない照だからこそそれなりの理由あっての事だろう。
早速横に居た宮舘がiPhoneを操作している照の方を見上げ、小声で問うた。
「・・もしかして、くんに送る為?」
問われた照、核心を鋭く突かれたと見え
ピクッと肩を揺らすと、宮舘側に体を寄せて小声で返して来た。
「流石舘さん」
恐らく今シェアハウスで記者会見の始まりを待っているだろうへ送る写真を照は撮ろうとしていた。
予め打ちこんだ文に添える為、早速撮って貰った写真を添付して送信。
そうこうしてる間に時計の針はリハ近くの15分を指した。
送信してから気づいた照、残りのメンバーも気づきスタジオのセットへと移動開始。
結構な人数の男共が大移動する様は中々圧が凄い。
グループ関係なくバラけて移動、なので深澤だけが遅れてSixTONESの森本と共に現る。
何かを話してる風だったが、距離がある為あまり聞こえなかった。
総勢33人のジャニーズとYouTubeのスタッフが動く様は暑苦しい(
ステージに上がった順に台本と言う名の紙と、グループの代表に1本のマイクが配られる。
床のバミリを確認、それぞれのグループの立ち位置はそれを見て把握。
Snow Manのマイク担当は回しの上手い深澤に任された。
基準は何なのか知らないがSixTONESはマイクが2本渡されている。
MCを任された樹と、発言する機会の多いジェシーに1本ずつだ。
「SixTONESはもう1人持ってるっていう形になります」
スタッフの説明の後、マイクを受け取った田中が前列に立ち
簡単に自己紹介を済まし、一礼する。
映像が流れる際の立ち位置等を確認、もう一度立ち位置を確認して一連の流れも確認した。
何だかんだで時間は16時45分、そこから再度控室に戻り
各グループ毎に自分達でPRを考え、僅かな時間で打ち合わせを行う。
仕切りはまとめ役の深澤が考案して、他のメンバーもそこに肉付けしていく。
1人1人を順に紹介し、各々が前へ出て自己PRをする。
5人まで紹介したところでアクロバット披露の照が持ち時間を〆る流れだ。
「ちとスタジオの天井と床確認しに行きたい」(岩本
「俺も確認したいー」(佐久間
「今からだとギリだよ?16時53分だ」(阿部
「マジか、ちと急ぐぞ」(岩本
「俺らちょっと行って来るー」(佐久間
「いってら〜」(深澤
流れを決めた段階でステージと天井の高さが気になった照を筆頭に
アクロバットオタ芸を披露する佐久間も名乗りを上げ、付き添いで阿部も席を立った。
荷物番を兼ねた深澤と宮舘は残り、SixTONESと会話中の翔太も控室で待機。
控室を出て走り出した時既に本番5分前。
ヤバイヤバイと言いながら走る3人、直進した阿部と照だが正しい道順を照が思い出し踵を返す。
黒い壁面の通路を走りながら途中の部屋を覗き込む阿部に、こっちだよと照が声を掛け
何回か迷いそうになった阿部を誘導、最後尾に佐久間も続きスタジオに出る扉を開けた。
急いで駆け込み、その場に居るスタッフ達へ天井確認させて下さいと断る。
開場まで4分を切っていたが、快く承諾したスタッフ達。
感謝を口にしてから照が早速ステージに上がり、極めて何もない部分の天井を探す。
「3番の所だったら丁度上何もない」(阿部
阿部が逸早く上を確認し、その位置へ照を誘導。
上着を脱ぎながらその位置へ移動して照も天井を確認した。
「あ、ここだったらいけるかも」(岩本
「ちょっと退かして貰って」(阿部
上を確認し、行けそうだと判断すると脱いだ上着を阿部へ預けiPhoneも預ける。
「当たんないかな」(岩本
「見とく見とく」(阿部
iPhoneを素早く受け取り、カメラに映らないよう隠す阿部。
位置を調整した照の呟きにすぐ答え
思い切り踏み切った照のバック宙の高さと天井までの距離を目視。
「あ、余裕余裕」(阿部
「だったら此処でやる?脚開かない方が良い?」(岩本
「いや、意外にイケそう」(佐久間
「ちょっと危なそうかなあ」(阿部
「これラストね」(岩本
「オケ、うえーい!」(佐久間
「おけおけ、有難うございました!」(阿部
確認に佐久間も加わり、問題はない事を照へ教えた。
無事済ました照がステージを下り、阿部から上着とiPhoneを受け取る。
入れ替わりに佐久間も確認を試みたが、時間的に厳しくて断念した。
慌ただしくスタジオから控室に戻る時iPhoneを見て、からの返信に照は気づいた。
¨わああ凄い!本番直前の兄さん達が見れるなんてレアですね!本番楽しんで下さい¨
目にした文面から容易にワクワクしているの姿が頭に浮かんだ。
来たばかりの頃ごめんなさいが口癖だったやつとは思えないくらい、表現が真っ直ぐになった末っ子。
感情がそのまま文になっただけだからストレートに届くし自然とこっちも笑顔になる。
「その顔はくんからの返事が来たな?」
「お前ね、俺の表情見て勝手に状況把握すんのやめてくれない?(笑)」
照は素直だからなあ、感情が表に出易いよねと照の発言を受け流す阿部。
こいつめ、と思う照だが軽く阿部の後頭部を掠めるようにペシッとするに留めた。
¨お前も俺らがステージに立つ姿、しっかり見届けろよ?¨
と素早くへ返信し、控室からステージ裏へと全員で向かった。
照達が天井を確認したりしてる間、他のグループもそれぞれ打ち合わせし
ヘアセットや記者会見用の衣装へと着替えを済ませていた。
忙しなく裏側を捉える為のカメラが行き来し、各グループを映像に収めている。
そのカメラは支度を整えて出て来た照達へと向けられた。
「今から記者会見です」(佐久間
先頭で出て来た佐久間がそのカメラに気づき、手をヒラヒラさせて発言。
その後を残りのメンバーが続き、カメラにキメ顔をする翔太と珍しく無邪気な照。
そんな照の手にはマイク、グループとしての挨拶は照が任された為持っている。
本番が迫る中、紹介されるグループ順に裏に集結するJr達。
Snow Manが先陣を切って紹介されるので一番手前に立っている。
そこへSixTONESの京本とTravisJapanの七五三掛も姿を見せた。
どちらもSnow Manにとっては後輩、だが照と京本は同期。
裏側用のカメラに七五三掛を映してやり、挨拶かアピールするよう照は声を掛ける。
彼らも実力がある期待のグループだ、自分達に次ぐアクロバットをこなす川島も在籍し
何れは共演して仕事をしてみたいグループの1つだ。
「ファイティン!」
促された七五三掛はカメラに向かってポーズと言葉をキメる。
これだけでもファンは喜んでくれるはず。
七五三掛は可愛らしい容姿をしていて人気のある人物だ。
TravisJapanの姫と言った所か?少なくともファンからはそう称されている。
Snow Manでは阿部がその立ち位置で、SixTONESでは京本がその立ち位置だ。
まあそれはさて置き、時刻は17時を刻み
いよいよYouTubeの方も開場し、生放送が配信スタートを迎えた。
スタジオに司会者の声が響き始め、招待されたマスコミのフラッシュとシャッターの音に溢れる。
これらは今頃YouTubeチャンネルで生配信中だ。
司会者にグループ名を呼ばれたらステージへと登場して行く流れ。
数々の舞台とステージを経験して来たSnow ManやSixTONES、TravisJapanに緊張の面差しは無い。
東京B少年らは少し緊張した面持ちだが、HiHiの子らはどっしり構えていた。
いよいよジャニーズがインターネットの時代へ名乗りを上げる記者会見が始まる。
より一層気を引き締める照、先陣を切ってそのステージへ呼ばれる瞬間はもうすぐ其処まで来ていた。
「先ずは、Snow Man」
開場と共に始まった記者会見、配信の主旨等を説明し終えた司会者が
YouTubeチャンネル開設を宣言しに来た5グループを読み上げ始めた。
そしてついに、照を先頭にしたSnow Manから沢山のマスメディアが待つステージへ先陣を切る。
自分達のオリジナル曲が流れる中、沢山のフラッシュを浴びて6人のSnow Manが登場。
この瞬間をも1人、自分の個室にあるパソコンから見守っていた。
拍手とフラッシュが混在する中を照を先頭に現れる様には風格がある。
代表してマイクを持った照が集まったマスコミに挨拶をした。
この瞬間から約1時間くらいの記者会見が幕を開けたのである。