リアルタイムメッセージ 91
徳目を超える真実
〜 あとかくしの雪 〜

道徳のチカラ代表 佐藤幸司
2012年 2月12日
 東日本の日本海側は,大雪です。
 私の住む山形市内でも,ここ数年の記憶にないほどの積雪があります。
 大雪には困ったものですが,雪にもいろいろあります。
 この民話を御存知ですか?

ある晩,貧しいお百姓さんの家に,旅人がやってきました。
旅人は腹ぺこで,何か食べ物がほしいとお百姓さんに頼みます。
貧しいお百姓さんの家には,自分が食べるものもありません。
困ったお百姓さんは,隣の家の畑からこっそり大根を盗んできます。
そして,大根焼きにして旅人に食べさせました。
なにしろ寒い晩でしたので,旅人は「うまいうまい」としんからうまそうに,大根焼きを食べました。
その畑からお百姓さんの家までは,大根を盗んだときの足跡がはっきりと残ってしまいました。
その晩,雪がさらさらと降ってきて,足跡をすっと消していきました。


 心優しきお百姓さんの家には,こんなにも“温かい”雪が降ったんだな・・・って思います。
 盗みは,もちろんいけないことです。
 犯罪です。
 徳目で言えば,「規則の尊重」や「正直」に反します。
 けれども,徳目を超えるほどの人の情というものが,現実の生活に中には確かにあるのです。
 旅人のために,“法”を犯してまで大根を手に入れてきたお百姓さんの行為。
 真実は,きっとその中にあります。