リアルタイムメッセージ 79
気持ちを直接問わない
2011年10月10日 記
 前回「メッセージ78」では,1枚の写真を使った授業の発問例について述べました。
 読み物資料を使った場合,これまで圧倒的に多かったのは,
「(この登場人物は)どんな気持ちでしょうか?」
と,気持ちを直接問う発問です。
 相手の気持ちを察する。
 相手の心の痛みを知る。
 これは,友達と友好な関係を築くためにも大切なことです。
 そのために,道徳授業では,頻繁に気持ちを問う発問がなされてきたのでしょう。
 けれども,毎回,同じような発問が繰り返されたので,子供に知的に学ぼうとする意欲をもたせるのは困難です。
 また,気持ちを表す言葉自体が(うれしい,悲しい,…等),もともと少ないのです。
 さらに言えば,本当に心が震えるような瞬間は,言葉で言い表すことができないのです。(だから,「言葉にできない」という言葉があるのです。)
 道徳授業で,登場人物の気持ちを直接問うのは,やめましょう。
 では,どうするのか。
 例えば,気持ちではなく,行為を問います。
 どう行動すべきかを問えば,そう考えた理由の中に,登場人物の心情が表れてきます。
 例えば,そういう気持ちになった理由を問います。
「(登場人物)は,どうして悲しい気持ちになったのかな?」
と問います。
 誤解のないように述べますが,登場人物の心情を察することをやめるというのではありません。
 気持ちを直接問う発問をやめるのです。
 読み物資料を使っても,発問を一工夫することで,道徳授業に活気が見られるはずです。