〜 リアルタイムメッセージ 25〜
日本道徳教育学会(神戸)
2009.11.23記
道徳教育改革集団<新>代表:佐藤幸司
 11月22日〜23日は,神戸で日本道徳教育学会が開催されました。
 熊本の桃崎剛寿先生が参加しましたので,今回は,その報告を掲載いたします。
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皆さん、こんにちは。
道徳教育改革集団<新>団長兼中学代表こと、桃崎剛寿です。
第6回中学校道徳授業改革セミナーin大阪を終え、鹿児島の原口栄一先生と小生は関西学院大学へと向かい、日本道徳教育学会第74回(平成21年度秋季)大会に参加しました。

テーマは、教育基本法及び学校教育法が改訂され、新学習指導要領も告示されたこの時にあたって、道徳教育の研究および 普及のために「次の一歩」をどう踏み出すべきかを考えるというものです。

第1日目は夏の中学セミナーに登壇して下さった谷田増幸先生(文部科学省初中局教科調査官)の基調講演「新学習指導要領の趣旨と進捗状況」がありました。何かと話題の「事業仕分け」の話に始まり、さらっと新学習指導要領の趣旨を説明した後、興味深かったのは「PTAの道徳教育に対する意識」です。
学び1「道徳教育を否定し予算削減はイメージが悪い。やはり低迷することはない。」

課題研究は「ll. 道徳の授業づくり」に参加。学会の会長でもあるパネリストの横山利弘先生(関西学院大学教授)のお話をたっぷり伺うことができました。
横山先生の主張には次のようなものがあったと思います。
「授業づくりは資料分析に始まりねらいが後」
「指導主事は『この形でないといけない』と言い過ぎてきませんでしたか」
「地域での道徳教育の有力な先輩が『その形にしないとダメだ』と押しつけていませんか」
「気持ちばかり聞いてもダメだ」
「経験を振り返っても、最初のどうでもいい経験に戻ってしまう」
また、発表者の多くが横山先生から学んでいるようで、以上のようなことに加え、内容項目に押し込まない姿勢、楽しい道徳授業(聞いたことがあるぞ!)なんだというスタンスで発表されていたのでした。
異なるなと思ったところは「副詞・副詞句からの発問づくり」(例えば、「なぜ太郎は『思わず』目を背けてしまったのかな」というような発問?)が多くの会員から主張されていたところです。トップの意見がかなり浸透していることが「追従的だな」と少し感じました。
年間計画が内容項目を全て網羅することについても、中心とする内容項目はあるが、児童生徒の受け止め方を大切にしていく姿勢であるとのことでした。
学び2「道集の道徳授業づくりは、あまりにも先進的であった」
学び3「道集中学は<内容項目・ねらい・道徳授業>について研究的提案をすすめる」

第2日目は自由研究発表Ιの途中から参加しました。同志の寺崎賢一先生も発表されていました。
富山県の指導主事の方が,佐藤幸司代表が開発して副読本に掲載されている「島耕作・ある朝の出来事」の資料分析を副詞・副詞句に着眼してされていました。学年道徳で実施されたと言うことです。中1では出なかったが、中2では「島さんの態度も悪い」という意見が出たそうです。
また、京都市の中学校の先生が『中学校編とっておきの道徳授業』を用いて、読み物資料を作っていらっしゃり、発表をされていました。また、学年道徳の論文発表もあり、興味深いものでした。
学び4「読み物資料にするとねらいに引っ張り込みやすいが、わざとらしい文章になってしまうことがある」「GTが、資料の作者なら、その資料を読んで解説してもらう」

そしていよいよシンポジウム「道徳教育、次の一歩のために―私の提言」。コーディネーターは柴原弘志先生(京都市立下京中学校校長)、シンポジストに永田繁雄先生(東京学芸大学教授)、七條正典先生(香川大学教授)、兵庫県の教育事務所長らでした。永田先生が道徳授業づくりについて語られましたが、我々の主張と元教科調査官の方の主張は、恐ろしいほど重なっています。逆に、それでは我々は何を運動するのか、何を主張するのか、ということを考える必要を感じた程です。七條先生から「様々な研究会とネットワークを持ち、行政が支援することが必要。今日も熊本から『とっておきの道徳授業』を出している桃崎先生が参加している」と、名前まで紹介・宣伝して頂きました。感謝!恐縮!
学び5「『あの道徳授業の形』からの脱皮・体質改善は常識である」

押谷先生と会えず、挨拶すらできずじまいでこれが唯一の心残りでしたが、永田先生に挨拶すると、「ストーリー性のない読み物資料の授業づくり」について話しかけてもらいました。七條先生や柴原先生から献本の御礼を言って頂いたり、齋藤直子先生と2月の授業研のことを話し合ったり、中央研修で知り合った指導主事の先生と再会を喜んだりと、楽しいひとときでした。

以上、長々と綴りましたが、報告といたします。