リアルタイムメッセージ 173  毎週 月曜日 更新予定
  「記述式等の評価を行う」ことに関して
〜 道徳の「特別の教科」化へ 〜
道徳のチカラ代表 佐藤幸司  2013年11月24日 記
佐藤への連絡は こちら
 前回の「メッセージ172」に続き,今回も「道徳教育の充実に関する懇談会」からの報告案について述べます。
 報告案では,主な内容として,次の6点が挙げられています。

@道徳を「特別教科」に格上げする
A検定教科書を導入
B記述式等の評価を行う
C学級担任が指導する
D教員養成課程で履修単位数を増やす
E学習指導要領の道徳の内容の見直し

 今回は,B記述式等の評価を行うことについてです。
 道徳の教科化にあたって,「評価」について心配する声が多いようです。
 つまり,
 ・道徳の学習では,答えが一つではない。教師から学習の評価をされるようになれば,
  子供は教師が望むような答えばかりを発表するようになるのではないか
というような声です。
 私は,この点については,あまり心配はしていません。
 指導したら,それに対する評価をするのは,ある意味当然のことです。
 ただし,教科では問いに対して正答かどうかが評価されるのに対して,道徳では,問いや主題に対して自分がどのような考えをもったかが評価されます。
 たとえば,「信頼・友情」をテーマにした学習であれば,
 「友達と仲良く過ごすために大切なことは何なのか,自分の考えをもつことができたか」
を評価します。もちろん,点数化などはできませんから,記述式になるでしょう。
 指導と評価は表裏一体の関係にあります。
 ですから,これまでの道徳授業の「目標」に多かった「〜の態度を養う」「〜の心情を育てる」といった抽象的な目標の設定の仕方を変えていく必要があります。
 道徳の評価を行うことで,目標がより具体的なものとなり,それが道徳授業の改善につながっていく可能性もあります。
 すると,「報告案6項目」の中で,やはり問題となるのは,検定教科書の導入なのです。
 現行の学習指導要領には,
「…魅力的な教材の開発や活用を通して,児童の発達の段階や特性等を考慮した創意工夫ある指導を行うこと」(小学校P.106)
と明記されています。
 「創意工夫ある指導」が,道徳授業の活性化のために不可欠です。検定教科書を導入するのであれば,この学習指導要領の趣旨を再確認しなければなりません。
 『心のノート』や「教科書」等,豊富な資料・教材を配付するのはけっこうなことです。
 けれども,その使用が強制されれば,道徳授業にとって,全くの逆効果になります。
 再び言います。
 授業づくりにおける教師の主体性と柔軟性が認められてこそ,道徳授業の改革が実現していくのです。