〜 リアルタイムメッセージ 14 〜
日本建築の“段差”で道徳
2009.7.6記
道徳教育改革集団<新>代表:佐藤幸司
 前回は,ものさしの溝=樋について書きました。
 こうした日本人の知恵に触れることが,内容項目でいえば「愛国心」を育てることににつながります。
 『とっておきの道徳授業7』の第五章の中扉にこう書きました。(P.127)

     自分自身を愛し
     家族を大切に思い
     自分が生まれ育ったこの国に誇りを持つ。
     生きる原点がここにある。

「愛国心」というと抵抗を感じる方もいらっしゃるようです。
 これは思想の問題ではなく,“生きる原点”に関わることなのです。

 最近の学校や公共施設は,バリアフリーの考え方から,段差のない建物が増えています。
 けれども,ここで(また)考えてみたいのです。
 なぜ,日本の伝統的な建築物は段差だらけなのでしょうか。
 
私の友人の一級建築士が話していたことです。

日本建築の段差は,畳の部屋がよごれなくていいんだよね。
    
 つまり,段差があると,そこでほこり遮断してくれるのです。
 時代劇やNHK大河ドラマに登場する武家屋敷や城内の廊下を思い浮かべてください。
 屋敷には,中庭があり,そのすぐわきが廊下になっています。廊下をはさんで,畳の部屋があります。畳の部屋は,一段高くなっています。つまり,段差があります。
 この段差が,庭からの土ぼこりをさえぎってくれます。
 段差がなければ,風の強い日には,畳の部屋までほこりが入ってきてしまうでしょう。
 学校でも,長い廊下の隅っこには,よく綿ぼこりがたまっていますね。
 
 段差のないバリアフリーの建物は,もちろん大切です。
 車椅子の方やベビーカーを押しているお母さんが,安心して外出ができるような設備を整えていかなければなりません。
 しかし,逆に「なぜ日本の建築物には段差があったのか」を考えてみると,そこに新しい発見があるのです。