〜 リアルタイムメッセージ 12 〜
ものさしで“道徳”
2009.6.27記
道徳教育改革集団<新>代表:佐藤幸司
 小学校2年生の算数で,「長さ」の勉強をします。
長さの単位として,cmとmmを学びます。
教材として,30cmものさしを使います。
 教科書に載っているものさしには,片方に溝がついています。学校に届く教材の見本を見ると,溝がついているものさしと,溝ではなくcmの目盛がついているものさしと,二種類あります。
「cmの目盛がついていたほうが分かりやすい。」
と考えて,両方に目盛がついているものさしを教材として一括購入している学校もあることでしょう。
 でも,ここで,考えてみたいのです。

 ものさし溝が何のためについているのでしょうか。
 私は,子供たちにこの問いを出し,おじいちゃんやおばあちゃんに聞いて日記に書いてくるように話しました。同居していない子もいるので,「調べられる子は・・・」ということにしました。
 10名ほどの子が,調べてきました。おばあちゃんに教えてもらった子もいれば,ネットで調べたという子もいました。
 この溝は,「樋(ひ)」と言います。雨樋(あまどい)の「樋」です。何かが流れるように進む溝を言います。
 日本では,鉛筆やペンがなかった時代には,筆が使われていました。
 ものさしを直接使って筆で線を引くと,ものさしがよごれてしまいます。そこで,棒と筆を箸の持ち方で持ち,棒を樋にそって滑らせて線を引きます。これで,ものさしはよごれずに,直線を引くことができるわけです。
 子供たちに調べてきた日記を発表させた後,私が絵筆を使って私が実演しました。
 次の時間(算数? 図工? 道徳?)に,絵の具とものさしを使って,直線で模様をかく学習をします。
 新学習指導要領の各教科,「指導計画の作成と内容の取扱い」には,「道徳教育の目標に基づき,道徳の時間などとの関連を考慮しながら,『道徳』の内容について,教科の特質に応じて適切な指導をすること」という趣旨の文言があります。
 ものさしにこめられた我が国の先人の知恵に触れることは,道徳の内容項目でいえば「愛国心」につながります。
 一例ですが,ものさしの溝の謎を調べ,先人の知恵を知り,実際に自分たちもその工夫のすばらしさを実感してみる学習を,ぜひ子供たちに経験させたいと思います。