雪がすっかりこおって、大理石よりもかたくなり、いつもは歩けないきび畑の中でも、
すすきの野原の上でもすきなほうへ、どこまでもいける堅雪の日。
「堅雪かんこ しみ雪しんこ」とうたいながら、四郎とかんこは野原に出ました。
「きつねは人を騙すんだって」
「キツネのやつが出てきたら、この雪だまをぶつけてやろう!」と二人でキツネの話しをしていると、
本当に一匹のキツネがでてきてしまいました。それはキツネの紺三郎です。
「キツネの幻燈会にきっといらしゃい。入場券をあげましょう。」二人は紺三郎と指切りをしました。
青白い大きな十五夜のお月さまがしずかに氷の上山からのぼりました。
四郎とかんこは、キツネの幻燈会にでかけました。
紺三郎もキツネの学校生徒たちも、大よろこびで、手をパチパチたたきました。
幻燈会がはじまります。
ふたりはおいしいきび団子もごちそうになり、キツネの生徒たちと仲良しになりました。
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