セロひきのゴーシュ  上演時間 1時間30分(2本立て)

原作 宮澤賢治  脚本・演出 大野俊夫  美術 松永京子  衣装 村田茂子 ステージング 山越 勇

 ゴーシュはあまり上手でないと評判のセロひきでした。 ですから、練習のときはしょっちゅう楽長にどなられてばかりおりました。 町はずれのこわれた水車小屋にたったひとりで住んでいました。

 いつものように、ごうごうセロの練習をしていると ある晩「これ おみやげです 食べてください」 とトマトを重そうに持った三毛ねこがやって来ました。 次の晩は、かっこう鳥。 次の晩は、たぬきの子。 そして4日目の晩はネズミの親子。

 それから六日目の晩。ゴーシュは町の公会堂で演奏を終えました。 拍手の音はあらしのように鳴りやみません。 動物たちはゴーシュにいったい何を教えてくれたのでしょうか。



なめとこ山の熊 

原作 宮澤賢治  脚本 さねとうあきら  演出 大野俊夫  音楽 尾上和彦  ステージング 山越 勇

 なめとこ山の熊たちは猟師の小十郎と仲良しでした。本当?ええ、たぶん。 きっと熊たちは、小十郎を好きなのです。

 だって、小十郎とすもうをとったり、命をすてて、キモと毛皮を小十郎に残したりしているのです。 もちろん小十郎は猟師ですから、熊を殺すのが商売。いったいどうなっているのでしょう。 命をも超越した熊と人との物語。


●賢治の最後の童話●

 この作品は宮澤賢治の創作活動のかなり後期にかかれたものです。 それまで書きためた物語を練り上げたしかな肉づけと深みあるころ。
 作品群の中でこの作品はもっとも起承転結が明確で、屈託がなく、 その主人公と動物たちの交渉が細部まですきとおっており 素朴で、不思議でとぼけた感情がリズムをもっています。
 賢治が死のまぎわまで推敲を重ねた一番完成度の高い作品と云われます。 劇化にあたり、楽しくも、緊張感を覚えたのはそんなことからでしょうか。



劇団ブナの木
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