中国のずっと南の方。
強い部族に追いやられた心やさしい族は苦しい暮らしの中で「元気をください」と神に祈った。
大空から花びらが降るように産声をあげた。民族の宝物、香り高く美しい娘・アシマ。
みんなにかわいがられ、すくすくと大きくなったアシマ。
兄さんのアヘイとくるくる働き、楽しい歌声でみんなの心をはずませた。
ところがこの年、アシマの身に恐ろしい不幸が降りかかってきた。
お金持ちのルプパロウとその息子のアジーは、ひそかにアシマを嫁にしようと考える。
しかしアシマの心はお金や品物では動かない。
ついにはいやがるアシマを連れ去り、思うようにならぬと見るや、牢に入れてしまう。
アシマを助けにきたアヘイは、謎解きに勝てばアシマを返してもらえることになる。
勝ったアヘイ。だがルプパロウとアジーにだまされ虎のえじきに…
しかし村一番の力持ちのアヘイはみごと虎を退治しアシマを助けだした。
帰るアシマとアヘイを阻止しようとするルプパロウとアジーは川の堰(せき)を切ってしまう。
押し寄せてくる水にのまれアシマは水の中へ。
川底にすむ川の女神は、心やさしいアシマをこだまにした。
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