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車道の両側に50台ほどは停められる白線の引かれた駐車スペースがあり、土曜の午後10時に着いたが6割方の入りであった。立派なトイレ棟もあり、登山口はその前にある。既に標高は1200mで、1000m位までガスで何も見えなかったが、駐車場からは星空を眺めながら車中泊となる。
登山道は石敷きのなだらかな歩道から始まり、小沢を真新しい橋で渡れば、滝ノ小屋の前に進む。小屋の煙突からは煙が出て、窓からは明かりも見え、小屋の中は人が動いているようであった。日の出が始まっているのか、小屋の先の小沢からは鳥海山方面の空が赤くなり始めていた。
小屋を過ぎて、小沢を渡ると右手に雪渓があり、登山道は不明のようであったが、どうやら雪渓の左手の縁を登っていくようであった。朝早いため残雪は硬く、登り上げて行くのは結構緊張しながらであった。最上部まで行かずに、途中の左手に登山道が伸びているようで、そちらに入って行く。帰路はこの雪渓にポールを立ててスキーをしているグループがあった。
湯ノ台口からの道を合わせると八丁坂の登りになり、標高差300mを登ると河原宿に至る。途中、高山植物が沢山咲き乱れ飽きさせないが、先が長いのでそうそうゆっくりも出来ない。河原宿では小屋の前に水場の小川が流れ、前方には心字雪の雪渓が望まれ、周りにはニッコウキスゲの群落も見られる。
それほど急斜面ではないので、ミニアイゼンなしでも登れるが、朝早いと雪は硬いので注意が必要である。雪渓最上部手前はトラバースなので、滑らないようにしたい。雪渓を過ぎると、一番の急坂の薊坂の登りになる。しかし、登山道には高山植物が豊富なので、ゆっくり登れば良い。
登りきった外輪山の一角の伏拝岳からは新山周辺の黒々とした荒々しい山容が見え、また大物忌神社の立地場所に驚かされる。足元はすぱっと切れ落ちて千蛇谷の雪渓が続いている。水と高山植物の豊富な鳥海山と言う名と、荒涼とした新山とは相容れないように思えてならない。
伏拝岳から登山道を進むが、はっきりと次のピークの行者岳が何処だが断定できないまま、鉄梯子に下り立つ個所に至って初めて、その手前のピークが行者岳であると判断する。七高山と新山だけが山頂明記されているものの、他の外輪山にはその表示は皆無であった。先ほどまで大賑わいの団体が去った七高山山頂は不気味な表情を醸し出していた。
大物忌神社に下って行く急坂の途中から右手の残雪の斜面に足を踏みいれ、新山直下の岩場から大きな岩を越えて山頂に至って行く。5人程で一杯になる山頂は次から来る人で長居は出来ない。写真は荒神ヶ岳方面に行った先からのものである。1716年の大噴火の複式火山特有の複雑な地形が見て取れる。
新山から七高山と反対側に大石を伝って降りて行くと、前方に小高い荒神ヶ岳山頂があった。忍耐と彫られた石が山頂部に置かれ、左手には千蛇谷の雪渓とそこから伸びる登山道が見えていた。すぐ下が大物忌神社で、その先のテント場のテントも見えていた。
荒神ヶ岳から道を拾って、千蛇谷の登山道に下り立ち、大物忌神社で参拝する。七高山との鞍部に登るのではなく、テント場から行者岳の鉄梯子のある鞍部に行く道を選んで進む。再び、伏拝岳から外輪山の道を文殊岳へと進める。雲上のプロムナードと言うのにふさわしい気持ちの良い登山道が続く。
文殊岳からひとしきり下った所が千蛇谷と外輪山コースの分岐の七五三掛で、更に御田ヶ原分岐を過ぎ八丁坂を登りきれば扇子森山頂である。だだっ広い山頂には標柱が立っているが、その標柱には間違って御田ヶ原と書かれている。御浜小屋と鳥海湖も指呼で、大賑わいの登山道から静かな鳥海湖に下って行く。
残念ながらガスが既に湧き出ており、鳥海湖に投影する鳥海山を撮ることは出来なかった。半周して万助道と千畳ヶ原との分岐の仙人平に進むが、ここから幸次郎沢源頭まで全く人と出会うことはなかった。分岐から雪渓を下りて行くが、残雪と水の流れる沢筋で登山道は分かり辛く、千畳ヶ原の道標に出合うまで心もとない瞬間もあった。
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