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椹島から売店やバス停の横を通って奥に進み、鳥居の横から登って行くと林道に出て、その林道を5分ほど進むと滝見橋の手前に千枚岳への道標がある。途中、林道に出たら、指導標に従って、右に林道を進み、鉄の階段で登山道に再び入る。小石下から、しばらくして再び林道を横切り、水場のある清水平に着く。蕨段を過ぎ、狭い道の右脇に見晴岩があり、その上部に登って林道に出ると荒川三山の眺めが良い。更に、薄暗い駒鳥池を通り、左手に道をとり、山腹を巻くように登って行くと、千枚小屋に着く。
千枚岳で日の出を迎えたかったので、ヘッドランプで小屋を出立する。お花畑を過ぎ、二軒小屋からの道を合わせた後、ハイマツ帯に出る。一登りで、千枚岳山頂である。白峰南嶺と富士山が雲海の上に出て、陽が昇る瞬間を待つ。真夏とはいえ、日の出前はかなり冷え込み、皆、手を擦っているようであった。赤石岳の上部から陽光があたり始め、と同時に陽が雲の上に出始めていた。
悪沢岳へは、一旦、左右とも切れ落ちているガレ場を固定ロープで下り、登りに入れば、バックから朝日が後を押すように当たり、影が前方に出来る中を緩やかに丸山を越えて行く。
もう陽が高く登り、白い雲海の上に富士山が高く聳えているのをバックに感じながら、巨岩の間をすり抜けるように登って行くと、悪沢岳、別名東岳である。
急斜面のやせ尾根をジグザグに下りきった鞍部から夏期には管理人の入る避難小屋を目指して登り、その横を通って、中岳に着く。ここからは、塩見岳の展望が良く、つい長居したくなる。3000mを越えている塩見岳もそれ程高く見えないのも中岳の標高の高さがわかる。
三伏峠方面の分岐がある中岳と前岳の鞍部から数分で前岳山頂である。ロープの張られた縁からは荒川大崩壊地が眼下に見え、また風もまともに吹きつけ、風の止んだ瞬間などその崩壊地方面に体が吸い込まれそうになる。
分岐に戻り、石がごろごろしている急斜面をジグザグに急降下して行く。しばらく下り切って、上を見上げると、稜線が上部から覆い被さるように迫ってきていた。足元には渇いた斜面なのに高山植物が所狭しと咲き誇ってい
る。岩の間から水が出ている水場を過ぎ、ダケカンバが現れると荒川小屋は近い。小屋の水場は一番下部にあり、疲れた足には辛い。再び、小屋から登りかえして、トラバース気味に道を進んでいくと、大聖寺平に着く。この辺りから、荒川三山方面に雲がかかり始めていた。
大聖寺平から登り切った所がダマシ平で、皆、疲れ始めているのか休息している人が多かった。更に目の前の急斜面を登らなければ、小赤石岳には着かないのである。赤石岳方面にも雲がかかり始めていた。そろそろ赤石岳山頂かと思われたが、そこは未だ赤石小屋への分岐点で、更に一登りしなければならなかった。
残念ながら、山頂に着いた時は雲の中で、展望は得られなかった。出来れば、今日の行程、千枚岳からの道のりを振り返って見たかったが。山頂のすぐ下には赤石岳避難小屋が建っているが、水場はない。
山頂を後にすれば、赤石小屋まで急降下して行くだけであった。北沢源頭の水場まで一気に下降して行く。一息ついた後、今度はラクダの背の山腹を巻いて行くのだが、結構長く感じられ、最後の一登りで、富士見平に着く。展望が良いはずだが、赤石岳の山頂部は雲で見えなかった。ここで展望地ともお別れで、樹林帯の中の下りになり、漸く赤石小屋に到着する。
翌朝、ヘッドランプで小屋を後にし、樹林帯をグングン下っていく。カンバ段付近で林道を横切るも登山道は下って行く。沢の音が近づけば、鉄梯子にて林道に降り立ち、椹島に向えば良い。実は、畑薙8時始発の東海フォレストのバスはここ椹島から向うのである。そのため、その迎えのバス、椹島7時発のバスに乗れ、畑薙には8時前に着くことが出来た。
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