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適当にショートカットしながら進み、車道が大きく右にカーブする個所からは沢を詰めて、直接田代原に入って行く。広大な雪原をまっすぐに進み、特にマーキングはないが、様相でそれと進むべき方向はわかる。原を抜けると、ゆっくりだが、徐々に高度を上げて行くと、行く手を阻まれるように、馬洗淵に行き当たる。
瑪瑙色の湖面は凍って、雪面との対比が美しい。大きく道は左手に曲がってから、山の縁をなぞって行くようになり、この状態は富士見小屋まで続くことになる。淵を過ぎると、車副は狭まり、一見して車道の上を歩いているとは思われなくなる。マイクロウェーブ塔の白尾山と、それに続く荷鞍山の稜線が見え始めるが、遅々としてその形が変わってこないのが疎ましい。
アヤメ平からの雪庇が大きく崩れ、雪崩の形跡がある大きな沢を乗越してから、進むべき道が一旦、分からなくなる。左に斜上して行くと、再び山の縁を縫うように進め、漸く、前方に突き当たりになるような景色が展開してくる。小屋の屋根から落ちる雪解けの音が聴こえ、と同時に緑の屋根が見えると小屋に着く。
喧騒の時期の尾瀬の中でも、恐らく一番静かな峠である富士見峠から広い尾根を拾っていくと、マイクロウェーブ塔の立つ峰に立つ。するとアヤメ平からの至仏山が、目を転ずれば燧ヶ岳がその姿を見せ始める。黒々とした荷鞍山とその左手には日光白根山が一期は高く聳えている。ここから白尾山まで0.9kmの道標がほんの僅か雪面から頭を覗かせていた。
左にトラバース気味に下って、夏場なら湿原であろう平坦地からコブを二つ乗越すと、漸く白尾山の山頂であった。山名表記も何もない山頂は始めてのような気がする。それほど単調な山頂からの無線の交信は難しいと思われたが、甘楽郡の黒滝山に移動中のJS1MWD局と交信でき幸いであった。既に午後一時近かったので、早めに下山を開始する。
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