|
夜半に駐車場に着いたが、数車のスペースが残っているだけのほぼ満車状態であった。運良く片隅の一角に2台分の駐車スペースがあったので、運良くテントを張れた。好天が期待でき、ビールや美味い酒で山談義の後、就寝する。4時頃、テントを何とかならないかと京都から来た車にスペースを譲り、未だ眠気眼で出立する。
ジグザグの急登から標高差1100mを一気に登りつめる相当のアルバイトの登りである。樹林帯の中なのでそれでも夏の日差しを浴びるのが少なくてすむのがせめてもの幸いである。乗越に出れば前方に抜戸岳から笠ヶ岳へと連なる稜線が大きな山容で目に飛び込んでくる。もっと平坦な地形の杓子平と思っていたが、乗越から抜戸岳左の稜線に登り始める間の、登山道周辺だけが平らな地形であった。ルート図にもある通り、現在の笠新道はかなり抜戸岳に近い稜線を目指して登るルートをとっているが、1994年には杓子平の大きな雪渓の下部を通って稜線に出ていた。旧の道には×印が付けられ、右手へと導かれて行く。稜線直下の雪渓下で、喉を潤し水を満たす。稜線に出れば、抜戸岩を通って山荘まで約1時間である。播隆平への下降点はどこかと探しながら歩いたが、一番の短距離と感じられた地点から下はざれているようで、またテント場の水場からは急降下となるようで、結局播隆平へは下りて行かなかった。しかし、播隆平から緑ノ笠へは道がついているようであった。
山荘で冷たいビールで喉を潤した後、山荘の裏手にあるこんもりとした小笠に出かける。大きな岩の堆積した斜面をよろけないように数分登るとケルンの建った小笠に出る。勿論、前方の笠ヶ岳の立ち姿を眺めるのに絶好の場であった。
午前中の山荘到着でやや時間をもてあましていたので、笠ヶ岳山頂へも足を向けた。
山荘から10分ほどの登りで、木の祠のある山頂の一角に出て、一等三角点の山頂はそこから2分ほど左に行った所である。残念ながら、山荘に着いた時点で、ガスが沸き出始め、以後、槍穂高をはじめとした山並みは見えなかった。山頂で昼寝の後、山荘に戻る。
翌5日、笠ヶ岳山頂からご来光を迎えるために未明に山荘を出る。待つこと30分ほどで、小槍の左から太陽が姿を見せ、1994年と同じ光景を演出してくれた。槍・穂高、乗鞍岳、御嶽山、白山、黒部五郎岳、双六岳、そして黒部源流の山々が黎明の中から次第にはっきりと姿を見せ出す神秘的な瞬間に遭遇できる至福の時を過ごした後、クリヤノ谷への道に進んだ。
稜線伝いに南に進み、山頂直下からぐんぐん高度を下げ、雷鳥岩の手前までトラバース道を行くようになる。雷鳥岩から左に回りこんで、クリヤノ頭の右肩付近に進んだ後、ハイマツと笹の薄い藪を探して、クリヤノ頭に登り始める。ピーク手前の岩場ではハイマツとその岩場の間を使って登り上げると、その先の10メートルほどは藪もなく山頂に着くことが出来た。
縦走路に戻り、ここで錫杖岳への北尾根と外れるように、下り始める。クリヤノ谷への急降下となる。標高2000m付近で急に沢音が聞こえ出したと思ったら、水場となり、冷たい水で汗を流すことが出来た。
水場から50分程で最初の渡渉点(8:37)となり、左岸に渡る。数分で涸沢を渡ると槍見温泉2.5km道標がある。少し左岸を進むと河原内を進むようになり、増水時には注意個所となる。クリヤノ谷では数回渡渉するが、増水時ではなかったので、靴を濡らすことなく対岸に渡ることが出来た。
最後の渡渉点(9:20)が一番水量が多かったようでその先で笠ヶ岳山荘8kmの道標(9:32)があった。錫杖岳の岩登りをするグループと出会った以外、一般の登山者は2〜3人を数えるだけで、笠新道と比べ格段にこちらの道をとる人は少ないようである。笠ヶ岳山頂から槍見温泉まで標高差は1900m強はあるのだから、笠新道以上のアルバイトである。槍見温泉から国道に出て、約2kmで新穂高駐車Pに着くが、少々の登りとなる。車中の人となって、槍見温泉に戻って、露天風呂にて汗を流す。
|