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トイレも併設された8合目小屋の前には広大な駐車場があり、登山口の脇には水場もある。残雪期にはここに泊まって山岳スキーを大いに楽しめそうである。この周辺の山は全山山スキー向きと言って良いであろうし、それを満喫できるこちらの方を羨ましく思うのは私だけではないであろう。
かもしか駐車場から車で約20分の登りで、標高1300m余の8合目小屋の建つ8合目に着く。マイカー規制時間帯には係員が常駐し、マイカーへの案内を行っている。その小屋の前に登山口があり、新道コースを入って行く。すぐに道標のない分岐があり、左手は帰路降りてくる道で、右手の新道コースを進む。
雲は多いながらも眺望は良く、特に乳頭山の尖った山容が目に付く登山道は既に紅葉が始まっており、花の名山ゆえの弊害かコースロープ導かれて片倉岳展望台に着けば、田沢湖方面の眺めが開かれる。男女岳を巡るように登って行く道が木道となれば阿弥陀池の末端に着き、鉄分が多いのか黒い砂浜の湖畔には二本の立ち枯れた木がすぐに目に留まった。
阿弥陀池の西端の道標から右手の山が男岳であり、横岳との鞍部からは露岩の登りで男岳に立てる。外輪山の最高峰は抜群の展望で、眼下の田沢湖はもとより、岩手山や和賀岳、遠望の鳥海山の山容が眼に入る。阿弥陀池から
主峰の男女岳への木組みの階段状の登山道が良く見えるため男女岳の眺めは何か痛々しく思えて仕方なかった。
鞍部まで戻ってから外輪山の稜線を真っ直ぐに進み、やせた稜線を登って行くが、登りきったハイマツに覆われたピークが横岳と思ったが、その先の幾分低い峰が横岳である。横岳手前で左手に阿弥陀池に下りて行く道の道標があり、横岳からの帰路はこれに従うことになる。男岳からとは山容を変えた女岳と小岳の移り変わりが面白いように見てとれる。
横岳から直進していけば焼森方面から8合目に戻れるが、主峰を踏んでいないので阿弥陀池への分岐まで戻り、一下りして阿弥陀池避難小屋横に出て行く。水洗のりっぱなトイレ棟を併設した避難小屋はしっかりとした造りで、快適な一夜を約束してくれそうである。積雪期での利用を前提としているのか二階部分からの出入りも作ってあった。
阿弥陀池避難小屋から、砂礫の登山道の崩れを防ぐための土砂流出防止柵の間の木の階段の急登を登って行くと最高峰の男女岳である。かなり広い山頂からの眺望は申し分ないものの、東北北部の山の新参者にとって山座同定はままならなかった。山深いながらも盛岡市街地と思われる方面の展望もあり、夏から一気に初冬に移り変わってしまった東北の冷たい冷気に首をすぼめていた。
阿弥陀池避難小屋の分岐まで戻って、浄土平から8合目に戻る道には落石や滑落の危険を知らせる看板があり、初心者の立ち入りを規制する旨の文面が書かれてあった。浄土平のお花畑から一転して噴火の生々しい火口壁のトラバース道に変わった道は一部硫黄の臭気が感じられる中を下って行く。殺生のような山容が落ち着いた頃、登りに使った新道コースに合流し、8合目に至る。
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